愛より重くて恋より軽い

未来の私が読んで楽しいやつ

2022年下半期現場まとめ

上半期同様、3000字未満の感想まとめたー!!!今年は観劇数減ったのでライブ感想もちょっと入ってるけど、やっぱり活字中毒もにっこにこの2万7千字オーバーしてるので時間があるときにでもゆっくり読んでください。














【7月】

ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Rep LIVE side M.T.C》

原作より先に発表されたディビジョン単独ライブ。キャパとかスケジュールとか諸々の理由はあると思うけど、適正な箱がある場合は各ディビの会場あるのいいよね。
本体もステもハマ曲がチルいのってすごくヨコハマ的だなぁと思ったりしていて。実際にZeppに向かうところから客入れSEまで海の気配がずっとあって、なんかいいなぁ~という気持ちで愉快な食い逃げコント含めてふんわり楽しかった!


持ち曲多い方のハマでさえ新曲もりもりあったんだけど、ソロ曲でもディビ曲でも一番役者力を求められてたのはみずえちゃんだったかなって感じがした。ポエトリーもガラ悪ルール論も、原作ヒプだったら幻太郎/獄に振られて銃兎には回ってこないタイプの曲だなって印象。逆に、お手本がない状態で銃兎としてモノにすることを求められてるのいいな~とも思ったりしました。

カテコでせんせーの小粋()な小籠包トークに上手いこと返したあらんちゃんサマもとても良かったし、そこで挨拶終わるのかと思ってたら普通にせんせーが続けて喋り始めたのを笑ってたのがハイパーかわいいでしたね。ずっとかわいい生き物だったサマちゃん。


今までハマ定点する機会があまりなかったので、前からそうだよ!って話だったらごめんけど、3回目カテコであらんちゃんが「ありがとうございました」って言ってからバーンズの方を一瞥しただけで、間髪入れずに挨拶の順番を振られてるって判断できてるのすごいなーって思ったんだよね。私は『この後どうする?』って確認してるのかなって思ったので。
これはこっち側に原作の番手順が染み込んでるから感じたことかもだけど、めっちゃツーカーじゃん!!!って思って、track1の頃のことを思い出したりしながらハマのチーム感いいな~としみじみ。『マブ』とかじゃなくて『チーム』って感じがすごくする。大体全部が「いいな~」になってる。


ジュクのおたくなのでシンジュクゲスト回参加したんだけど、ゲストなし回の時はなにをやってる時間だったんだろう……急遽ソロになっただけでほんとはディビ曲だったんじゃないかと思うんだが……(※実際その後のゲスト回はそうだった)
シャンパンゴールド(ではない)ではちゃめちゃ踊り倒して帰宅したので、結果として満足はしました。

というか参加組の毎日レポをふんわり読んでる人だったので、実際にBoP衣装で出てきたハマを見た瞬間「円盤化する!!!!!個々人がめちゃくちゃ映る!!!!!」とライブ自体すら未定のジュク円盤に想いを馳せるあまり盛大に歌唱曲を間違えて記憶しました(「BoPの衣装でBoP歌ってないよ」と言われて「たしかに……………」とセトリを確認するオタク)
現金なオタク「いや、でも通常衣装でBoPやるなら白衣でもひらみ摂取できるわ」

あとせんせーのウィッグ、向かって左側の編み込みがめちゃくちゃ綺麗にしっかり結ってあったんだけど、もしかしてあれ既存ウィッグ→track5で結ぶ→を解いたもの、だったりする?????だから後ろに流してる毛量ぺったりだったのか?????真相は次回のせんせービジュにて。




十三回忌追悼公演 つかこうへい Lonely 13 Blues「蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く」

十三回忌命日に紀伊國屋の板の上に久保田・河本・大石・佐久本って布陣があって、そこに石田・味方・細貝・高橋が加わるあの瞬間に「ああ、揃ってるな」って思ったんですよ。
もちろん他にも居てほしい人はいたし、おたくが勝手に十三回忌公演に想いを馳せている時でさえ、まさかこの場にりゅきさんがいるという光景を描くことなんて出来てなかった。変わらないことも変わったこともたくさんあったけど、これはまさしく『人を育てられる味方』を象徴する布陣だなと。
その力が客席まで及びきっていないことは本当に悔しいけれど、気付けばつかさんを知らないのに七回忌も十三回忌も紀伊國屋ホールの客席に座っていたおたくは「今この瞬間につか演劇を継いでいる人たち」として胸を張れる画をお出しされたと思ったし、黙祷に代わって捧げられた拍手の音圧が他でもない紀伊國屋をスタァさんにしていたよ。


石田と味方のハッピーセットが演じるヤスと銀ちゃんには確かな愛があるので、あまりにも関係性が強固すぎて圧倒的だった。飛龍伝2020を山崎と桂木の物語に仕立て上げたハッピーセットは、銀ちゃんが逝くでさえ2人の世界を形成する。
七回忌の頃はまだハッピーセットがそう呼ばれる前で、スタァさんなのは間違いなく石田明坂本龍馬だった。その明が十三回忌命日に七回忌と同じように紀伊國屋に立っていて、共にハッピーセットと呼ばれるようになった味方を立てるために『大部屋』を真っ当してくれているありがたさは、何回だって噛み締めたい。おれたちにはまだ石田明が必要なんだ。


冒頭のヤスの巨大感情を浴びたおたく「ハッピーーーーーーーーーーーーーーセーーーーーーーーーーット!!!!!!!!!!!」

明のヤスはとにかく無茶苦茶だった。一幕相当の部分で小夏にマウントをとりまくって大勝利したので、二幕相当の銀ちゃんと小夏のターンでもただただ後方腕組み彼氏面しながら「俺が銀ちゃんのことを一番よく分かってる」を続けてるのでもう誰も勝てないwwwwwwwww
銀ちゃんが好きで、小夏を引き取ったことも多少情があったにせよ銀ちゃんの頼みっていうところが一番大きくて、銀ちゃんとの関係こそが一番大切で。「ここからそっちのアンタらはゴミです!」と言われても、『銀ちゃんの大部屋』はそうあることが正しいことなのでダメージ0のヤス。


明のとんでもないヤスにくらくらしてる間に幕が開いて、そこに立ってる銀ちゃんの体がかすかに震えていて、一瞬ぐらりと傾いた時めちゃくちゃ最高だったんだよなぁ。こけら落とし(ではない)であんだけ散々紀伊國屋ホールをしばいていた味方が、十三回忌命日のこの日にあそこで瞬間的にでも揺らいだこと、すっげーーーーーー良かったよ。

私個人としては味方に対してどうという感情はないのだけれど、石田明とのハッピーセットはマジ最強だと思ってるし、紀伊國屋には必要な役者だと思う。命日の日の揺らいだ姿や、千穐楽挨拶で久々に見たように思える『素の味方良介』とかも良いものだなと思った。
酸欠でご挨拶する味方とそれに微笑みながら相槌をうつ明、スタオベの拍手を受けて肩がくっつくほど近い立ち位置で深く深くお辞儀をする味方と明(と完全に横見て顔上げるタイミングを窺ってるけーちゃん)、味方の背に手をそえながら後ろへ下がっていく明、おおハッピーセットよ永遠に。


まぁ一連の『十三回忌とハッピーセットポエム』以外はすっかりお馴染みの銀ちゃんが逝くなのであれですけども、私は七回忌の新幕末を愛するおたくなのでこのメンツで劇中劇の新撰組やっている間は一生混乱してたよ😌
坂本先生は2人いるし、桂も2人いるし、ビジュアルは勝海舟だけど間違いなく週5でディズニーランド連れて行ってくれる男もいて、「土方!」「坂本!」「近藤!」ってセリフが飛び交うたびに「!?!?!?!?!?」となっていた😌今すぐ新幕末をやれ




ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Rep LIVE side F.P》

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十三回忌追悼公演 つかこうへい Lonely 13 Blues「初級革命講座 飛龍伝」

漫画「ダブル」の影響もあり、とにかく絶対に生で観たかった初級。智則さんとりゅきさんという、現状実現しうる範疇の中で限りなく『正解』に近いと思われ、生きてるうちにこれ以上の『正解』に出会えることはおそらくないであろうという初級。なんやかんやあって智則さん×りゅきさん公演は減ってしまったけど、とにかく間に合ったぞ初級!


私がRUP界隈に出会った頃にはもうすでに智則さんはトメの立ち位置にいることが多かったので、こうしてど真ん中にいる智則さんを観るというのは実質初めてに近かったんだけど、マジで化け物だった。
インテリジェンスも愛嬌も『意志』も確かにあるこのタヌキジジィにはどうしたって優しくなれてしまうし、ただ一人だけ指名で出席確認しちゃうだろそりゃ~~~~~~~~って気持ちでいっぱいになる熊田。クライマックスのりゅきさん・ありさちゃんのあの熱量の後に降りてきてもなお、圧倒的カタルシスを感じさせてくれる人。そりゃモノが違うんよ。すっげーもの見ちゃった。

前日公演にて死の淵まで行って自力で生還してきたというりゅきさんの弾圧!は確実に何人も死んでるやつだった。飛龍伝みたいな軽いノリであのパワーの弾圧!をされたら、我々も全員頭を割られてるに違いない。
強制インターバルを挟むことで前日の再来防止策を取られたためか、死の淵まで行くパワーをクライマックスに込めたりゅきさんの長台詞は内容がどうとか関係なく、ただただ音と感情の洪水に心地良く溺れる時間だった。この人も化け物だなあ。

ありさちゃんは小夜子もアイ子もしっかりできる役者さんだった。あまりにも良すぎて、久々に真面目に女優探してきたじゃん………と言わざるをえない。小夜子の凛とした佇まいと、アイ子の僅かに愛嬌がにじみ出るぼやきのコントラストが、化け物2人に見劣りしない美しさを持っていて、また紀伊國屋で出会いたい人だった。


いや~~~~~~~~~あのね~~~~~~~ほんとはね~~~~~~~飛龍伝2020観てない状態で初級浴びたかったよおれは~~~~~~~~~闘争も弾圧も分からんまま、ジュラルミンと飛龍が散らせる火花を夢想しながら洪水の中で溺れていたかった~~~~~~~~~~~~神林美智子が存在してるのに実質初級をやってたハッピーセットのせい~~~~~~~~~~~~

いうて私もニュージェネ以後のハッピーセットが現れた紀伊國屋しか知らない新規おたくなので、ニュージェネ以前の文脈しか存在しない紀伊國屋の姿を見たのは初めてだったんだよね。圧倒的な人間臭さを土台にした愛と暴力とインテリジェンスと汗と涙がある光景、生きてるうちに浴びられて本当によかった。冒頭のりゅきさんによる春から夏を見届けた時点で胸がいっぱいだったのに、そこから智則さん出てきちゃうんだもん…………すごいぜ紀伊國屋………


修羅雪姫・新熱海ですでに観ているというのに、初級をやってるりゅきさんは完全に見たことのない人間で、ああこの人はインテリジェンスも出来るけど肉体言語で話す方がぴっかぴかになるんだな、と再確認した。頭で理解していないとしても、身体が理解しているので芝居が止まらない限り問題がない…………身体が『台詞』を凌駕して語ること、それが芝居だ………(岡村構文)
有識者がよく名前を挙げる馬場さんが紀伊國屋に立っているところに私はギリギリ間に合ってないんだけど(七回忌命日公演で味方をちくちくしてたのは見てる状態)、マジでりゅきさんのつか芝居は全く知らない味付けすぎてビビったんですよ。でもりゅきさんがやることによってしっくり来るものがとても多いので、そういうことなんだろうなとも思う。

初級で山崎と小夜子が邂逅する場面、ありさちゃんが小夜子ではあるものの山崎の時間軸はアイ子なので、実際の対面ではなく空想の小夜子との邂逅なんだろうな~と思ったんだけど、ラストのWセリフのとこだけは山崎の部屋にいた小夜子から出てきたであろう言葉なので、それを振り払って熊田と対峙することこそが山崎にとっての"革命"と向き合う覚悟なんだろうなと思ったんだよね。たぶん。イマイチ自信がないのはラスト目の前がりゅきさんで、物理的にありさちゃんの声が遠かったためです。

それでも、りゅきさんの山崎は小夜子のことを真っ直ぐ愛してるよねっていうのが伝わってきて本当にすごいんだ。
代打創さんの公演を私は観れてないので比較対象が毎度飛龍伝2020になるんだけど、明の弾圧!はちょっと冗談というか、殴りはするが死にはしない感じしたじゃん。でもりゅきさんの弾圧!は絶対に人が死ぬからこそ、「貴女を想ってるが故に周りの奴らを殴ってたんです」って言葉が精一杯の愛情表現という説得力があると同時に、すでに終わったこととして語ってくれてよかった。もう殴られて死ぬ人はいないのだ。という気持ちになりましたね。


初めて『初級革命講座 飛龍伝』を観たことで現在の『飛龍伝』に改訂する上での【神林美智子】って大発明だ!!!としみじみ思ったんだけど、"革命"で愛する者を失い、死にぞこなった山崎を殺してくれる"革命"の象徴が、飛龍伝=美智子で初級=熊田なんですよね。これ、熊田の方が先に存在してるのすごくないか?戯曲探してきて読んだとしても、この辺りは実際に観た肌感じゃないと分からなかっただろうなーと思うので、本当に間に合ってよかった。




REAL RPG STAGE『ETERNAL2』-荒野に燃ゆる正義

侑くんがなにがしかのペイジになってた記憶しかない(過言)
りくくんのご挨拶でも「カンパニー 」ではなく「メンバーとアンサンブル」と言われた以上、少なくともこの期間の福澤侑さんはらんぺーじ(仮)ということでよろしいはず。
エンドロール(としか言いようがない)の個人カットが出る時も『RAMPAGE from EXILE TRIBE』からのメンバー、からのノータイムで福澤侑、だったのでらんぺじゃん!!!!!!!って大爆笑しました。大体合ってるんだからテーマソングくらいは侑くんも一緒に踊らせてくれればよかったじゃん!!!事務所!!!!
カーテンコールでこそこそお話ししてたら、わざわざ膝折ってまで耳打ち聞いてくる龍くんほんとかわよだったし、侑くんは育児担当すぎ。


本編中では龍くんとシンメ→ソロだったので、微妙にいつもの侑くんのダンスではなかったこともあり、終始不思議なものを見た気分でした。千穐楽だけでも2部ラスト一緒に踊ってくれたりせんのか????????
あと、事務所舞台=メンバーはなかなか死なない、ということをすっかり失念しており、イムランだけ攻撃力にステータス振りすぎて防御力紙じゃない!?!?って楽しくなっちゃいましたね。
コニーくんのおともだち(ネズミ)をぢっ…………と見つめてたイムラン(蛇)、絶対おやつだと思ってたし、あまりにも侑くんに合いすぎる役。


お芝居の練度としては前評判通りたかひでちゃんが上手すぎてMVPでしたけど、私はLDHのえらい人の力を使って山海のメサイアが見たいんじゃ〜〜〜〜〜〜〜〜生き残るっていうか死にぞこなう方の人だよねやましょーさんって

りくくんが演じている、ということを差し引いてもレンブラントが割と私特攻だったはなしはこれ。






【8月】

舞台「漆黒天 -始の語り-」

映画で先に終わりを見ているので、知ってる結末への過程を追うという地獄みたいな観劇体験~~~~つまりいつもの末満作品~~~~~~
映画に出演がなかった大悟くんと梅津の痴情が縺れると聞き、大喜びで初日入ったら予想以上に縺れてるっていうか、捻じれ曲がってはいるが交差はしていないというとんでもない話だった。「お前でいいや(SPECTER)」にはならない。


ピンマイクがあることを差し引いてもキャストが大声化け物コンテストだったんだけど、末満さんに愛されすぎて重要なサブキャラは大体下尾くんがやってるの愉快でしたね。こんなに下尾くんがすべてをやっていて喜ぶのは俺たちかすえおじくらいのもんよ。刀持ったり槍持ったり衣装替えまくって出てくる下尾くんに大喜びしたい人たちは舞台漆黒天を見よう。
プリンシパルキャストだと桃さんだけが完全に大衆演劇の世界で生きてるので、毎回喋り出すと漆黒天が一応時代劇であることを思い出しました。そしてアクションチームがいつメンすぎて10秒だけ概念すみだになる板の上。


大悟くんのデカさ、ヒプステだとなかなか認識できないのでめちゃくちゃ味わい深かったんだけど、それにしたってもう少し膝曲げられんか!?!?って叫んでしまった。千蛇ちゃんが美女丸ちゃんビジュすぎるのでなおさら。
痴情が捻じれ曲がってる蔵近との絡み良かったんだよな~~~~一方通行巨大感情は末満作品のメインディッシュだけど、ここは割と千蛇ちゃんがしっかり蔵近の感情に気付いてる感じがあり、ここ2人の半生には実は共通点あったりするのではないかな~という想像の余地多かった。
うめつの殺陣は蔵近らしい実直さが滲み出る太刀筋で、速さもあるので見てて気持ちがいいし、そういう端々にキャラクター感が出る芝居をする人たちの絡みもう少しほしかったかな。


ながつは映画に引き続きながつ!って感じの弟だったんだけど、兄が夢のキャスコちっちゃいもの対決で勝手にクライマックス作ってたので、控えめポジなことに納得半分、お前にもポテンシャルあるんだからやってやれ!!!という気持ち半分です。末満脚本の真髄すべてが旭太郎と陽之介に集約されてるので仕方ないのですが。そこまでやるかカテコ。




セクシーゾーン ライブツアー2022 ザ・アリーナ

勝利不在回だったけど8年ぶり?とかだったので、ついでに記録残しとく感じ。

TDC当引のサイド辺りに入ったんだけど、視野角280°が『正面』だと認識しているとしか思えない中島健人さん。オペラで覗き込んでると「この席って、センターからちょいズレくらいの位置だったっけ?」って錯覚するし、どの角度から見てても画面力がありすぎる。MCの流れから、オペラ越しに5秒くらい見つめ合ってる時間があったんだけど、まじまじと眺めててもその後に指さしされた瞬間崩れ落ちちゃったもん…………(なお周囲一帯が雪崩れていた)


昭和アイドルユニットのセクゾちゃん、イチオシが勝利だったそうなので円盤で改めて見せてほしい気持ちは置いとくとして、聡ちゃんのおてての角度が毎秒大正解すぎて、やっぱ圧倒的に好きな体の使い方をするんだよ~~~~~~~~~~~~~ってニッコニコしてしまった。風子は顔がかわいい。とにかくかわいい。エミリーは「その丈のワンピースをそこでウエストマークしてるのに、スカートの裾からゴッツイ膝が半分くらい見えてるのなに??????」って三度見してしまった。脚が…………長い………………………


センステ上をカーテンで仕切るような演出が曲に合っててめちゃくちゃ好きだったなぁ。『ザ・ハイライト』自体がチルいアルバムで、いい意味でずーっと流しっぱなしにできるなと思ってたんだけど、コンサート演出によって各曲に視覚情報という色がついたことにより、現場入る前と後だとだいぶ印象が変わるアルバムかもしれない。
個人的に私は『RUN』めちゃくちゃ好きなんですけど、花道で「止まらないで 止まらないでよ」を踊ってる時の聡ちゃんの背中に『強さ』を感じて、めちゃくちゃキてしまった。歌番組とかライブ映像とかでももちろん見てたけど、改めて生で見たときに聡ちゃんのダンス好きだなって再確認した。


ケンティーとにかく最初から最後までずーっと顔が強くてすげぇや……………と思ってたんだけど、連れの中島担が「今日マジでずっと力強い顔してた」って言ってたので、少なからずこの状況だから見れた部分もあるのかなと思ったりしました。

普段の現場に入ってない人間なのであれですけど、セクゾって『品の良さ』とか『教養』の雰囲気が凄い。始まる前に3人でスタッフT着て出てきて、「今日のコンサートはこうやります」「勝利のパートはこうします」って丁寧に伝えてくれる時も、3人でわちゃわちゃお話しながら着替えてる時も、ずっとそういう空気間が土台にある。
割とひねくれてる部類の人間なので、板の上からワードとして出される『誠意』というものをすぐには飲み込めなくて口の中でコロコロ転がすタイプなんだけど、今日の『誠意』という言葉は不思議とすんなり腹落ちして、自分が清い人間になったような錯覚を起こしました。なんのこっちゃ。
ほんとにセクゾめちゃくちゃ楽しかった気持ちと、勝利見れなくて残念~~~って気持ちが両立してたのも不思議だったんだよなぁ。該当担じゃないからでしょ、って言われたらきっとそれまでなんだけど、『不在』って存在感をずーっと目の当たりにしてたからこそ、かもしれない。

それはそれとして、最近『誰かが欠けた場合のライブ構成』パターンを見すぎてないか私。(ハマ・シブヤレプライ)




百物語 -夜香花-

京都再演もあり、今後も再演の可能性があるので相互フォロワー向けのふせったーに格納。





【9月】

BUCK-TICK 2022 "THE PARADE" 〜35th anniversary〜 FLY SIDE

初めて!!!現場に!!!行きました!!!!!
バンギャになる前から色んな人の影響で聴いてたし、バンギャになってからは最新アルバムとかも聴いてたので楽曲自体はかなり知ってるんだけど、マジで一度も現場に行ったことなかったのがついに行きました。友達とライブ映像の鑑賞会したのをきっかけにチケットとってもらったので、やっぱ好きなものの話は広くしてたいし、聞いてたいものだ。


可動式のパネル?スクリーン?みたいな薄めのビジョン装置が『向こう側に立ってるメンバーが見えるのに、映像が超高解像度で写ってる』とかいうわけわからんもので、BUCK-TICKすげーーーーー!!!!!!!!!!ってきゃっきゃしてしまった。さすがありとあらゆる最新技術が導入されると評判の現場。
ライブに映像用ビジョンのみ、っていう舞台美術自体は全然珍しくないと思うんだけど、35周年ということで歴代アルバムから色々ピックアップされた曲ごとに雰囲気がガラッと変わるので、それぞれの世界観展開のために映像や映像特効が多用されている必然性がめっちゃ良かった。一気に世界観に没入させてくれる映像効果っていいな。


「何年このギターソロやってて弾けないんだよ練習してこい!!!」という他盤での体験談を話した直後、舌の根も乾かぬうちに「今井ちゃんを見ていると、やはり音楽センスがあれば技術など些事」と話し出すダブスタな我々。
曲とかフレーズに音楽センスが出るのは当然だけど、真のセンスとは些細なアレンジとか音作り自体に現れるのだと今井ちゃんが教えてくれるのである。ギタリストとして好きすぎる。

全体通してあっちゃんの醸し出す雰囲気とか、今井ちゃんの全てを凌駕するセンスとか、ライブ映像で見たことあるものが生で…!!!って新鮮な感動ももちろんあったんだけど、英彦さんの体格が非常によろしくてビジョン映るとずーっと見てしまった………「あの『シーッ』はヤバかった」ってうわ言のように語ってしまった……こんなに長いこと聴いてたしビジュアルも知ってた人たちの中からこんな発見することある???
またどこかのタイミングでライブ行きたいなー




ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《どついたれ本舗 VS Buster Bros!!!》

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【10月】

ミュージカル『エリザベート

タイトル通りシシィの物語であり、100年間毎晩ルキーニが語っているお人形劇である『エリザベート』を観られるのって日本だと東宝版だけだと思うので、この組み合わせ(山崎・愛希・佐藤・上山・立石)は割と正解だったかなーと思う。
ちゃぴにしろ、お花様にしろ、OGジェンヌという骨格レベルから恵まれた人達を主人公に据えた時に、作画レベルのバランスをある程度とりたいと思うのは致し方ないことだと思ったし、それが宝塚版も手掛けているイケコなら尚更だと思うので、なんつーか多少歌えて踊れたらイケコレしたくもなるよねー

今回の場合、みれたんが出てこないとちゃぴだけが異次元の体型と美しさを誇るため、ルキーニが作るこの箱庭の中で一番上等なお人形がエリザベートなんだな~という事実をめちゃくちゃ噛み締められたし、この異次元の存在が周囲の妬みや悪意でより一層輝いてると思うと、今回のちゃぴシシィが全面的に『強さ』『エゴ』を押し出してるの最高だった。すべてが『敵』でしかない孤独な人生を歩むために必要とせざるを得なかった強さの表現。

お花様のシシィって何年経っても冒頭の『どんなにおてんばでもプリンセスの血統』っていう輝きを絶対に失わないので、後半の「人の世を知らなすぎた」と言ってるあの瞬間さえも人の世を知らないまま、でもだからこそ魂の解放を選べるんだという説得力があって、あの路線では誰も勝てないと思うんだよね。
ちゃぴシシィも宝塚版から数えたらもう立派な回数シシィを演じてるので、今回『傍から見た時にゾフィにも負けない強い皇后という虚像だけがシシィの武器で、だからこそ孤独である』っていう説得力を押し出してきたのはすっごい面白かった。『強い皇后』というパパの魂を前にしてしか脱げない仮面を、観客にも向け続けていたからこそ、彼女の結末は『息子さえ省みず、エゴを押し通した皇族が殺されたんだ』という納得もできるし、『ここでようやく死を受け入れられて、幸せだったんだ』とも捉えられる。


革命チームにいる時の育三郎の芝居が、一言ずつなのにあまりにも上手すぎるので「この人絶対トートじゃなくてフランツ適性じゃん!!!!!」って都度都度大暴れしそうだったんですけど。
シシィに対してもルドルフに対しても実体どころか視認性さえ怪しいトート、各々の心の声というか、表層意識に浮かんでは消えていく希死念慮の具現化だなっていう側面がめちゃくちゃ強くて、ああこれは往年の東宝エリザベートというお人形を愛して、狂言回してきたルキーニによるトートだなぁって楽しくなっちゃった。

でも絶対フランツやるべき人じゃん。あの辺りの世代とキャリアに目が肥えた客の納得できる歌ウマでイケコの好きな顔がいないのが悪い(暴論)
今回甲斐ルドルフは見れなかったんだけど、甲斐くんも絶対フランツの人だと思うんですよね。でも同じくらいの実力とキャリアのトートがいなかったら、絶対トートになっちゃうじゃん。イケコの好みを今から変えるのは無理なので、早急にイケコレ枠の誰かが育ってくれ頼む。


としきルドはあの立派な太腿のために股下に謎のゆとりが発生してるもんで、体きくとこから思想・思考まで完全にシシィの鏡なのに、根幹のところに幼少期の皇帝教育が染み付いてるばかりにおねだりの仕方がフランツそっくりで、そりゃ~~~~~~断られちゃうよね~~~~~~という説得力がピカイチでした。
「ママだけがパパを説得できる」の今にも泣き出しそうな声色とか、完全に無力な田舎娘だった頃のシシィそのもので、2019以来東宝エリザ見れてなかったことを差し引いてもめちゃくちゃ『鏡』のルドルフだったのに、じわじわフランツの血統が顔出してくるのでシシィの答え待つ前にそりゃ無理だわ、と思った。

歌唱力の面で言うと育トートと音域が近すぎるのかなっていうのも無くはないんだけど、闇が広がるがもうちょいいけると予想してたので、がんばれ………がんばれ……!!!!ってなってたwww
その代わりと言ってはアレですが、ハンガリー国王!までのお芝居の感じはよかったから、もう何年かやらせてあげてほしい。これは戦争の火種になるので明言を避けますが、拘束時間を考えたら大我はルドルフとして連れてくるのも大変なのでそれ以上の番手の役、となると現状の実現可能性が低すぎて夢のまた夢じゃん?そう考えた時に、としきは東宝と事務所双方がちゃんと育ててくれればいい線いくと思うんだよなぁ。


歌えて動けて顔良し、が揃わない時の優先度の話。
夜のボート聴いてる時間が最も「ああ、東宝ミュ来てるな……」と実感した瞬間だったんだけど、観劇という趣味は金なり本確なりでどんどんハードル上がっていく、W以上のキャストは明確に集客差がつく、という現状では正直歌唱力とか演技力だけでは立ち行かなくなっている、という事実を無視できないんじゃないかなと思うんですよ。

私は割とイケコレで新規参戦する方のメンツが馴染み深いオタクだし、『イケコレ』と揶揄する人間なのであれだけど、『板の上の作画レベルの安定性』という問題はマジで蔑ろにしていい話じゃないのでは?と感じたし、そういうジレンマを抱えてるデカい作品が存在してる以上、いわゆる若手俳優界隈からちょこんとつままれたメンツにとっては逆に可能性が見えてる、チャンス状態だと思う。
でも、かといって既存の東宝常連枠の待機列最後尾に並ばせて、飼い殺しするくらいならさっさと解放しろや、とも思うわけで。
東宝による若手俳優界隈の登用って、『抜擢!』から先の持続性が無い割に中途半端に若い人間が必要なところに客寄せでねじ込む、みたいな使い方してて、本当に不足してるビジュアル部分だけ補わせて大した出番も見せ場の与えない状態、『盗られた』って感じしちゃうんだよね、私は。東宝/帝劇がなんぼのもんじゃい』という感情がまぁ少なからずあるので、だいぶ意地の悪い言葉選びしてますけど。
これは東宝側だけじゃなく、各役者の事務所も考えろよって観点だと思うけど、きっかけがビジュアルでの1pickだったとしても、それを足がかりに待機列すっ飛ばしてくれるヤツの誕生を期待しちゃうし、そういう企画立ててくれてもいいじゃないですかねー

とはいえ、イケコレ抜擢ルートを辿ってる人ばかりになると絶対に今回の育トートみたいな『ルキーニの妄想の中の死』の具現化は見れないだろうなとも思うので、マジで、こう、色々となんか上手いこといけ。


「不幸の始まり」のトートソロ後半だったかな?倒れてる人々の中で唯一ヴィンディッシュだけが起き上がってゆっくりと踊ってて、っていう演出を今回初めて視認したんだが、演出面8割記憶に残らないまま毎回帝劇行ってるので、いい加減円盤買おうかと思います。古川×花總回が存在しないとか東宝は需要ナメてるの??????ばかなの??????




花組全国ツアー『フィレンツェに燃える』/『Fashionable Empire

花組に来てからのまどちが勝ち気な割に辛気臭い女を一生やってるのなんなん!?!?!?!?!?暗いとか影があるとかじゃなく、ただただ辛気臭いんだよ!!!!!!!wwwwwww
色んなパターンのれいまいが観られるのは当然嬉しいですけど、れーちゃんの初恋キラキラオーラを好んでいるタイプの客なので、辛気臭い女の話そろそろやめてくれ~~~~~~~~


音くりちゃん→うららちゃんになったトリプルリフト、相変わらずれーちゃんの1.5倍速で回ってるマイティはあまりにも元気が良すぎる。美咲ちゃんとじゃんけんするところでは負けてからはけるまでずーっと😬グギギ…って顔して美咲ちゃん見ててかわいかった。

れーちゃんのダンスを見る度にすげー………という感情が溢れるものの未だに言語化が難しいんだけど、予備動作→本動作→予備動作の繋ぎがシームレスすぎて全部が流線形に描かれてる、と思ったら明確に捉えてるリズムで止めてくるなどの切り替えがめちゃくちゃ高速なとこかなぁなどと思案しております。
宝塚のダンスは要素色々あれど共通ベースはバレエなので、みんな大体重心が『衣装の腰あたり』にあるんだけど、マイティとれーちゃんはその状態で肩とか手首とか膝とか足首で常時リズム捉えてるように見える。その中でも重力感じてなさそうな方がれーちゃん。うーん分からん。でもすごい見てて気持ちがいい。




虚構の劇団解散公演『日本人のへそ』

これはつか作品に馴染みすぎてる弊害なんだけど、『めちゃくちゃ曲数歌うけど、その間に一切話が進まない』を冗長に感じてしまうの本当にだめ!w
休憩挟むポイントも戯曲的にはかなりいいとこなのに、どうしてもこれ休憩無し2時間で収めてくれんか!?という気持ちになってしまいました。堪え性がない。

チケットとったのは梅津目当てというか、ホームであり小劇場にいる梅津が見たいという気持ち一点だったんだけど、冒頭で人の輪の向こうからセーラー服のあきちゃんが現れた瞬間、眩いヒロインオーラに目と脳をやられた。あきちゃんすき。超絶立派なヒラメ筋も素敵なあきちゃん……………………あきちゃん……………………


言葉あそびと劇中劇のマトリョーシカ構成結構好きなやつだったので、カタカナ国にマ行だけなかったのって『まぬけ』って意味……?などとおぼろげな記憶をこねたりしてたけど、一番考えたのはこれを劇団の解散公演に選んだ理由、だったかなー
虚構見たの自体が初めてだったので想像もできないレベルなんだけど、一番そこを考えてたのはラストのカタカナ国のところだったのでなんとなく記憶に残ってる。
なお、梅津はあの顔の耽美さを消すのが上手で、魔界王子アンサンブルなどをやってたのはこっちの梅津だったんだろうなぁと思うなどしました。





【11月】

宙組公演『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』/『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』

野口くんによるコブラ夢中編連載『THE PREQUEL』、連載序盤にROCKYルートへの分岐予定があったかもすぎて全てが最高にオモロ!!!!!!!!


立木ナレ(概念)を聞きながら懐かしいお馴染みの映像を音楽と共に見るの、じんわりきちゃったな………………久々にSWORDの姿見れて嬉しくなっちゃった気持ちもとてもあった…………
ムラ公演の時点で散々言われてたけど、ヅカローくんはあまりにも現代日本のようなところが舞台なので、大した説明もせずに無名街が出てきてビビるところがよくない。隣の地区にスラム街があるってちゃんと説明して。『近くの病院』に無名街をカウントすな。

でもハイローのオタクなので、どんなに死ぬほどツッコミどころがあったとしても冒頭とラストにHIGHER GROUNDを流されると全て許してしまうのであった………………だからこそラストのカナの出方にめちゃくちゃノリ脚本の霊圧を感じたし、もっとHIGHER GROUNDの力を信じろ!!!となりましたね。ノリしっかりしろ!!!

これ以外にもハイローのおたくが楽しいポイントたくさんあったんだけど、これほんとにハイロー未履修のヅカオタたちにはOKだった??????稀代のトンチキ作になってない???????(ハイローはトンチキだよ)
ヅカローくんは完全に『原作未履修者を置いていくタイプの2.5次元舞台』だけど、そもそもハイローは新作のたびに履修済の人間も置いていくので、その点から言っても正統派なのです。ヅカローでザラやってほしい~~~~~FLY WITH MEでは我慢できない~~~~~~~


苺美瑠狂の使い方とか、ハイロー時間軸との繋げ方とか、ザムとかEOSのオマージュとか、マジで野口くんがありとあらゆるハイローシリーズから要素を持ってきたのは大変伝わったし、ハイローのおたくがめちゃくちゃ楽しんで観られるという点がとにもかくにもヅカローのすごいところ。そのうえでの発見なんだけど、『キャラクターが心情を歌う』ミュージカルとハイローってめちゃくちゃ食い合わせが悪いwww
『ミュージカル』ってただ歌うシーンがあればそう呼ばれるわけじゃなく、心情なりセリフなり状況説明なり、意味がある詞を歌って芝居することで初めて『ミュージカル』と呼ばれると思うんだけど、本編のチーム曲にはその要素がないのでオリジナル曲から切り替わった瞬間、突然歌詞から意味が消失して『芝居が空白になる』時間が訪れる。これ結構致命的だったのではと思うよ私は…www

ただ、キーが結構キツめにも関わらずチーム曲やHIGHER GROUNDをあそこまで押し出してきたのは、ハイローをハイローたらしめている要素がMV的な『音楽と映像の融合性』だってところを押さえきってるから、だとも思ったんだよね。本家サイドがどこまでこの要素を重要視して伝えたか分からんが(パンフ買い忘れた)
ということを踏まえた時に『番手を意識しつつ、5チームのリーダー全員が一定の歌唱力がある(≠ミュージカルの)』って条件はかなり難しかったと思うし、それをコーラスでカバーできる宙組に回ったのは悔しいけど正解なんだよな~~~~~~~~~~ジタバタ


そんな中、唯一『RUN THIS TOWN』だけはかなりミュージカル的な詞の構成なので、ずんちゃんスモーキーの出番にがっつり寄与してたし、哀歌verというとんでもない編曲が生まれたことでハイローのおたくにも改めて刺さったんですよ。ずんちゃんのキーに合ってたことを差し引いても、あの曲ってルードのテーマソングである以上に他でもないスモーキーの感情なんだ、って思いながら聴くという、ハイロー本編でさえしたことのない体験が出来たのはヅカローの功績として挙げていいレベル。
おれたちがキャッキャしながらスモーキー!って呼んでる無名街の守護神である男が、「名乗るべき名前なんてない」「生まれた場所も誇れない」って歌ってるんだよ。iTunes Storeなどで単曲購入できるので全人類聴いてください。




『りさ子のガチ恋♡俳優沼』

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柿喰う客 新人単独公演『初体験』

あの言葉の数々に含まれた棘を反芻してしまう。
『この作品はフィクションです。何も起きない80分、何も起こせない80分。』
『この作品はフィクションです。君には一切関係ありません!』

やしきさんの前説から始まるのも初体験、前説を終えた瞬間客席へ走っていくやしきさんを目で追うなと言われるのも初体験。柿は愉快な現場です。
たぶん『令和4年11月5日』に『全電通ホール』で『初体験』を見たことを、一生忘れないと思うんだ。アイドルを題材にした1度限りの作品が上演される前日に、はちゃめちゃデカいニュースがあるってめちゃくちゃやしきさんだな~~~~と思う。
作中のデビュー曲『RIDE ON』として『愛なんだ』が流れるの、めちゃくちゃ……めちゃくちゃやしきさんだなって思いましたね。初体験ってどういう話?って聞かれたら一切合切をひっくるめて『愛』の話だから。捜す方法が不定で人それぞれであるように、アイドルを目指す理由も不定で人それぞれ、愛のカタチも不定で人それぞれ。

はついけんた いけみずけん
今回ちゃんと名前に意味があるんだよなぁ!!!!!


アイドルが若者に夢を見せ、若者が大人に夢を見せる。
アイドルって『偶像』なんだよなぁ、と思うと『行方不明』も立派なアイドルだよね。拘置所にファンからの手紙が届く、という話もよく聞くし。だから『デミグラスソースオムライス』もアイドルだし、『野球少年にとってのコーチ』もアイドルだし、『ギター』もアイドル。そしてアイドルは『フィクション』だし、継がれていくもの。
こども食堂の彼が作曲のためのインスピレーション源、とどのつまり『ミューズ』であるって構図を巨大感情と呼ぶのは簡単だし、みおくんとゆうまくんでお出しされてしまって「やしきさんと!!!!!!!!!ヘキが!!!!!!!!!かぶりすぎてて恥ずかしい!!!!!!!!!!」というお気持ちになりましたけど、あれが『愛』であり『夢』なの分かりすぎちゃうのでなにも言えることはない。


「永遠の高校生、永遠の十七歳」
「家に帰ればあたたかいご飯が待っている」
「うちのケンちゃんアイドルなんです!」
お姉ちゃんもこどもなんだよな。こどもにだって矜持があり、愛があり、養わなければいけない家族がいる。
ちょっと話はズレるけど、アイドル(その他類似の偶像)を応援することを『消費する』と悪しきことのように言うのが嫌いな理由はこれだなぁと思った。あの言論に私は『憐憫』『同情』の気持ちを感じて、下に見てる物言いだなと感じて怒ってるんだと思う。


元々アフト(という名のライブ)はこの構成のつもりだったんだろうけど、アイドルに様々な出来事があったこのタイミングでやるには最高の構成だったし、どんな時でも観客を笑顔にしてくれるのがアイドルなのだということを再認識した。
もちろんあらすじや展開の通り、デビューとかネグレクトとか行方不明とかも要素として大きいと思うけど、主題としては『誰かの人生をほんの僅か1センチでも浮上させられる、光になれるものは偶像-アイドル-である』って物語だったと思ったなぁ。別に歌とかダンスとか興味ない人でも、そういう光を見た瞬間あるでしょう?と。後述するけど、アフトはそれを体現するかのようなライブでした。

というわけでここから先はアフタートーク枠。いつもみたいに座談会的な時間が始まると思っていたんだ……おれたちは…………
私は新人7名だと狂おしいほどみおくんが好きなんですけども、リズム感がなかなかアレなみおくんがHappiness踊るところとかもう一生見れないだろうことを考えると愛おしすぎて頭おかしくなるとこだった。なった。


<セトリ>
WHITE BLEATH(浦谷)
ギザギザハートの子守唄(蓮井・中嶋)
Catch the Moment(沖)
め組の人(山中・蓮井、佐々木・浦谷)
CITRUS(田中、中嶋)
~自己紹介~
ガラスの少年(山中・佐々木)
SUN(蓮井)
目抜き通り(沖・浦井)
ハッピーエンド(田中)
~ご挨拶~
Happiness(7人)


曲数的に抜けてるかもしれないし、とりあえず書いた歌ってるメンツも正しくない気がしてきた。もう知らん。みおゆうまでギザギザハートされた瞬間に私のシンメ大好き感情が爆発したから、訂正あったらマロで教えてくださいマジでたのむ。
みおくん………Happinessのあの簡単な振り付けすら若干間違うみおくん…………でも誰よりも声がデカくて通るみおくんがCITRUSのハモりもするという極上のトンチキ………

作中でもそうだったんだけど、ゆうまくんは背が高くて体格が良くて歌も上手くて、なによりめちゃくちゃダンスというか、体の使い方が良いので普通に目がいっちゃうんだけど、私は今後二度とこの手のことをやる機会がなさそうなみおくんが、決まった振り付け以外ほぼ右手を腰の後ろで固定して仁王立ちしてマイク持ってるみおくんの姿がたまらんかったわけです。すきだ!!!!!!!!!!!!!!!!!


途中の自己紹介からアフトに切り替わるか?と思わせてやっぱりライブだったこともめちゃめちゃ面白かったんだけど、私の場合はWHITE BLEATHのイントロで新幕末純情伝を、め組で朱雀のぎふ公演を、硝子の少年で(ここは連想だけど)空鉄砲を思い出したんだよね。音楽はかつての記憶を呼び起こす、っていう経験をあの話の後にすることの面白さよ。




薔薇とサムライ2 -海賊女王の帰還-

景気が良くて元気で観客全員天海祐希に抱かれて帰っていく薔薇サム2。
もはや新感線お馴染みのパロがどうこうとかいうレベルの話ではなく、二幕でエリザとルパンとベルばらで畳み掛けられた客席の沸きっぷりを体感するだけで、また一つ演劇とコロナ禍の距離感が変わったなと思いました。『最後のタンス』がイントロの時点で局所的に爆笑を呼んでたのもサイコーだし、TDの振付まで本家を踏襲してるのほんとクソサイコー。


出てくるたびに絶対拍手されてる上に、「実年齢が若い」という一点突破で若手サイドにカウントされてるゆっさん、観に行った日に限って3手目で刀吹っ飛ばしたぞ!!!!!!!!!!!!!wwwww
直後の2手か3手だけ素手で乗り切って、アンサンブルに刀もらって続けてたけど、ここ数年のゆっ現場入ってる頻度に対して事故率が異常。

ひさびさにお決まりの流れじゃない殺陣見れたの楽しかったけど、一幕の法定速度ぶっちぎった上でハンドルから片手離れてたので、本当にちょっと落ち着いた方がいい。千穐楽ブーストの類でもなく、二幕はちゃんとやってる方の『いつも通り』だったので、本当にわけが分からん。
近年の岐阜でも見たことないようなバッキバキの扇子で大爆笑したと思ったらこれよw

ファミマの入店音と共にコンビニ弁当持って出てくるのも意味が分からんし、舌が回りすぎて口上の半分くらいしか聞き取れなかったのも愉快でしたね……結構な稼働率だったので見間違いの可能性が高いと思っていたアバンの最下手島民(ゆるーく槍持ってる)もゆっバイトだったようなので仕事は果たしたと思います。

新感線のゆっさんを見るたびに「お前は本当にズルいな…………」とおたくは思うのであった。オメーは役のつき方としては二枚看板側だろ!w
マント使ってる姿見るのはかなり久々で、歳々年々のあれとはさばき方がちょっと違うのもあるし、セットとあいまってTRUMP思い出しちゃったんだよなぁ。お母さまに啖呵を切る横顔に、ゆっおたくの人格はそっと涙するのでした。


みんな大好き噂の子犬こと西垣くん。マジで一生芝居が下手だけど、ゆっさんより音程は合ってる気がしたし、リズム感というよりあの長い手足の使い方がずっと下手で愉快だった。事前に聞いてた通りめちゃくちゃ姿勢が綺麗なので、芝居が下手で殺陣がごっこ遊びでもなんとなく立たせとく分には見映えするんだよなぁ。ゆっマクシミリアンが極意書片手におもちゃの刀振ってる時の動きと、子犬が殺陣やってる時の動きそっくりなんですよ。


ふーじゅの立ち位置がやや可哀想、という話もちらほらあったけど、あれは『シャルルの弟』という役柄だからこそ『破天荒な兄に振り回される苦労人弟』をやってるというのに、横で何も考えてない子犬がドストレートに真面目系キャラを被せてくるところが原因かな。しかも子犬は芝居が下手くそなので「うん、声が大きくて全力だからえらい」になってる。理不尽。
しかも覚醒後ゆっマクシミリアンが『若手サイドの筆頭として、こうあるべき』という立派な顔してニコルの隣に立つから…………ラウルとベルナルドの差別化をもうちょっとしてくれかずき!!!!天海祐希を着せ替え人形にしてきゃっきゃしててもいいから!!!!www




ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 8th LIVE ≪CONNECT THE LINE≫ to 麻天狼

ジュクライブほんとにめちゃくちゃ楽しかった。なんだかんだつかず離れずやってるヒプくんとのほぼ5年間、ずーっとシンジュク好きでよかった!!!!って改めて噛み締めちゃった。あたたかい気持ちとやる気に満ち満ちてしまった結果、ステのナゴジュク前にシンジュク大好きパワーをMAXにしたのは悪手だった気がせんでもない。もう終わって結果が決まってるバトルなのに、なんなら投票期間並みに「負けたくねぇ!!!!!!!!!!!!!」という感情に満ちて帰路につきました。絶対勝たせる。


ブラホワで両足揃えてぴょんぴょんジャンプする速水御大、シャンパンゴールドで『フォーリンラブ』のコーラスを鬼ほど声張るいとけん、どちらも大変捨てがたいが、本日のMVPはTOMOSHIBI後の木島くんMCです!!!!!!!!!!!

「会場の空気に泣きそうになっちゃって。麻天狼のことを応援してくれるこれだけのファンの方にお会いして、麻天狼は強いなって」

1stDRBでシンジュクが勝ってから、目に見えてスキルとか色んな部分に劇的変化が起きたのが木島くんだと思ってるので、本当に『立場が人を育てる』の実例。木島くんの歩んできた進化こそが、シンジュクがこれまで掴んできた実績の証。


速水御大の迷宮壁いつぶりだった?????発表当時はライブでも『嘆き』だったり『殉教』だったリリック全てに『怒り』『力強さ』に溢れていて、神宮寺寂雷という人の人生を知った上で聞くこのリリックはあまりにもTDDと麻天狼の間で紡がれたものだな、って初めて実感した。7thライブ以降の速水御大まーじでライブ強い。
でも、ディビジョン単独でライブができる喜びとか、複数ディビ集まったライブでの支えられてる心地とかの話をしつつ、「今日はバトルじゃないから自由でいいんだよね?」ってにこにこしてる速水御大ほんと愛しいでしたね。衣装の黒ロングコートの裏地が紫でめちゃくちゃせんせーだった。

パフォーマンスが好きで好きで仕方ないいとけんはいつだって良い独歩なのですが、本日のベストオブいとけんはブラホワの「白黒つけます」でしたね。あれは首吊る覚悟決めたやつじゃん。感情が抜け落ちすぎて凪いでた。早く円盤くれ。


TOMOSHIBI~MC始まるまでの割れんばかりの拍手、パ止めイントロの一ミリもブレない手拍子、ジュクスタの力篭ったハンドサイン。どれをとってもこの空間がシンジュクのファンで溢れてる証明なのに、ラスト前のMCで「麻天狼が一番の推しじゃない人」を聞きたがるおちゃめ速水御大~~~~~~~~まずマイクオフでなに聞こうとしてるのか、おさななに検閲されてたw
しかもOKが出たら出たで「じゃあ木島くんが聞きます!」と降られて悲鳴上げる木島くんと、上手いこと聞いてくれた木島くんをフォローするいとけんが、おさななで良かったなぁって改めて噛み締めちゃった。大好きだシンジュク。




ツダマンの世界

ツダマン、阿部サダヲを飼い殺したいすべてのオタクが観るべき。これは明確に分かるんだけど、私に刺さったのは『ツダマン』じゃなくサダヲから滲み出るあの『性質』なんですよね。
一幕からじんわりとあった「葉蔵よりツダマンの方が可愛げあってよくない??」という疑問に、「それはツダマンっていうかサダヲが刺さってんだよ!!!!!!」って回答をぶつけられてしまって、クライマックスにこにこが止まらなかった。バンギャとしての自我7割がドラマー好きに集約されてるので、ツダマンの感情の発露としてドラム出てきたのほんとに歓声上げそうだった。あのシーンでの主張、ほぼほぼ笑いどころじゃないのにドラムをかき鳴らすサダヲの姿が愛おしすぎて笑みがこぼれちゃうのは仕方ないね。


『普遍的でどこにも刺さらないような言葉が、一番必要だったりする』と、いい話の真理のように唱えられることがあるけど、エンタメを愛する人間はキチガイによって生み出される劇的な展開を求めずにはいられないし、そんなエンタメを生み出すキチガイに向かっていくためにはやはりこちらもキチガイになるしかないのだよなぁ。
小説家に限らず、クリエイターやそういった人達から生まれた作品を嗜む人間にはめちゃくちゃ面白いと思う。私は作品のためにキチガイになれるようなクリエイターが好きだなぁ、と客席という『読者』の立場を再認識した。でもそれってクリエイター自身の人生と、その実生活に密着している人々にはたまったもんじゃないのよ、という話なんだけどね。


怒りとか劣等感とかの『感情を逆撫でるもの』に対して、ある種の創作意欲が湧き上がるのめちゃくちゃ分かるし、だからこそツダマンはクソ長い葉蔵からの手紙には返事書くのに数さんからの手紙にはそそられないんだよね。文化は摂取する人間を心地良くするものだけではないので、少なくともツダマンにとって葉蔵の手紙は、戦地から命懸けで返事を書くに値するだけの文学性があって、だからこそずーっと持ってたんだとも思う。
そして、同じキチガイのフィールドに立って初めて「僕の妻」として存在を認識してもらえる数さんを、もっと大枠で言うところの『女(特に家庭に入っている女)』を登場人物全員がうっすらと下に見ていることが、『女である≒学がない≒文学と縁遠い』というあの時代における通念に対して「「ツダマンの世界」」というラストのカウンター台詞がキマる最大の助力になってるの、あまりに美しいと感じた。

「狂いきってしまえば楽なのに」と言われるけど、ツダマンにとって狂うことは在りし日に『自由』を奪われた義母になることで、『自由』を求めるからこそツダマンは狂わないよう必死に原稿用紙へ向かってギリギリ人間性を保っていたし、それを失ったツダマンは『楽』ではあるかもしれないけど『自由』を失ったんだよね。
あのまま数さんがキチガイのフィールドに居続けてくれれば、ツダマンは意外とちいさな世界で蜜月を謳歌しながら自由を得られるのかもしれないなぁと思ったりした。恋文だって立派な文芸だし、たぶん読み手が必要なタイプの作家じゃないんだよな。


みんな大好き葉蔵の話はいろんな人がしてくれてると思いますが、身毒丸熱海殺人事件のワンフレーズが出てきて、オタクはとても楽しかったです。みんなもツダマンの世界で「海が見たい!!!!!!!!!!!」と叫ぶ間宮を見よう(局地的プロモ)間宮の大山金太郎とか戦国鍋の頃に見た気がするし、絶対に十三階段で足を滑らせるよ葉蔵は。




ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Bad Ass Temple VS 麻天狼》

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雪組公演『蒼穹の昴

原作未履修、一本物だということすら知らずに観に行ったんだけど、一幕の時点で宝塚比派手な話ではないのにめちゃくちゃ面白くて、うおおおおおお!!!となった。
ので、余計に二幕の終わり方……?って感じだったんだけど、有識者の話見る限り結構改変多かったようで。

トータルの印象としてはさきちゃんがトップの雪組だからこそ出来る骨太作品だなぁ………」って余韻に浸ってフィナーレ見てたら、男役群舞がひらひら布いっぱいでニッコニコになったし、そこから出てきたさきちゃんの脚がいつも以上に長いしで頭がいっぱいになった。劇中ほとんど見えなかったからね、脚の長さ。
あと、デュエダンの時にさききわが手を繋いで大階段降りてくる姿に思わず泣いてしまった;;さきちゃんがひらめちゃんを抱きしめる時のがばっ!!!て勢いが好きだなぁ;;




柿喰う客 新作本公演『禁猟区』

キャス変枠は時計屋店主がわたるさん→やしきさん。柿クリパもあった回。
のちに古書店おもちゃ屋にもなるわけだけど、開演5分前を告げる時計屋やしきさんの「やべぇやつが出てきた」感すごかったので、なんならあそこが一番ホラーだったまである。


ちいちゃくてパワフルで動けてお芝居が上手いさちちゃんが大好きなので、ちぎり通り商店街の人たちvs清香ちゃんサイコー!!だった。
穂先くんや村松くんといった大きい子たちと並んでるさちちゃんはもちろん大好きなんだけど、あんなに無敵だった清香ちゃんが夏ちゃん演じる禍乱と並んだ時に圧倒的に『等身大の人間』になるのがまた良い。

夏ちゃんの異次元パワーってすごいんだよな………滅多滅多も禁猟区もホラーというか、見える怪異と見えない怪異が共存してる話なんだけど、現実の話と怪異の話の橋渡しをするのは夏ちゃんで、あの異次元パワーがめちゃくちゃ説得力持たせてくれるから『なんか突然ファンタジーの話になったな』っていう感じがしないんだなって思う。
それはそれとして、今回夏ちゃんと明里ちゃんが対峙して異種妖怪バトルになる瞬間アツすぎた。美登さんは現実側の怪異だから…………


禁猟区みたいな本公演は人数も多いし、各々やしきさんによる当て書きとはいえ1人1人の持ち時間は短くなっちゃうので、なかなか各劇団員のどういうところをやしきさんが好いているのか、っていう部分が見えにくい人も出てきちゃうかなという印象。なので、セットとして柿クリパがあったのとても良かったですね。
現地行くまでに見て予習した『八百長デスマッチ』を穂先くんとひろたかくんでお出しされたの、納得も納得だったので早く1公演まるっとやってくれたのむ。



まりこさん介凪とさちちゃん御幸の『空鉄砲』から始まるクリパ、最高でしかない!!!!!客席の多数が息を飲んだあの空気感たまらんかった。原田さんの『傷は浅いぞ』もめちゃくちゃドンピシャだったし、『御披楽喜』の長尾さん、『夜盲症』の沖さんポジはもうやしきさんのヘキじゃん!!!!!!!!我々とやしきさんによる架空キャスティングみあるドリーム公演こと柿クリパ。
帰り道でしみじみと「長尾さんがやる男の子好きすぎる」という話をしました。浜松から上京してきたDT大学生……………好きにならないわけがなく………………

あとやっぱりどうしても語っておきたいのはみおくんがケンちゃんを演じる『初体験』。あの役をみおくんがやるという意味に爆裂萌えてしまった。初体験を見たみんなも分かるだろ???私は「ああ、あの人は劇中で彼とは異なる傷を持っていたけど、同じ傷を持っていたのかもしれないな……」と思って再びアーカイブ見に走りました。
残念ながら『初体験』を見られなかった皆さまにおきましては、夏ちゃんが『滅多滅多』の翼くんを演じたことくらい「うわ~~~~~~~~~~」ってなったと思ってください。




風都探偵 The STAGE

なぁ!!!!!!!!聞いてくれ!!!!!!おれの推しは芝居が上手い!!!!!!!!!!!

能條さんの年内最後の現場&年始最初の現場こと風都探偵。
予想外の展開(お見送りに来ることが確定していたファングジョーカーが本編に出てこない)だけめちゃくちゃ驚きだったけど、それ以外は風都探偵半分・ヒーローショー半分って感じだったかな。舞台斬月と違って、こちらはあくまで漫画版の風都探偵が存在してるので、そこまでガワの出番多すぎない…?って感じでもなかった印象。


もちろん能條さんを推してて「芝居が上手くないな」と思ったことなどないのだが、初日に2階席俯瞰で見てたおかげか、『推しの芝居が上手い』という事実を客観視することができて、回り回って自己肯定感のようななにかポジティブな感情が爆上がりした。健康になる。

ときめの役作りはアニメの方も参考にしてるのかな?と思って確認したけど、そんなことなさそうだったね。原作・アニメのときめって『魔女』『色香』というワードと同時に『少女性』みたいなキャラクター性があって、ああ~三条脚本だな~って思ってたんだけど、能條さんのときめはそれを『ヒロイン性』にズラして落とし込んでたのが印象的だった。翔太郎やフィリップの言葉によって『記憶探し』に対してのポジティブな姿勢が生まれた、という変化と、探偵助手になるという物語の変化がちゃんと重なってるのが良い。

能條さんが踊る時の所作ってかなり意図的に手先の力を抜いてるな、と毎度思ってて、あれは多分乃木坂の頃についた癖だと思ってるんだけど、素体にバレエの所作があるので今回はそれがめちゃくちゃ有効活用されてると思ったなぁ。捉えどころのないときめの雰囲気によく合ってた。

文句無しで風都探偵の正ヒロインなときめに(舞台では描かれてないエピソード含め)W本編軸のフィリップ要素が入ってるのめちゃくちゃ………こう………ろくろを回してしまいますね。漫画途中までしか読んでないんだけど、ある意味で本編のリプライズでもあるという構成だから木津フィリップが本編より心身ともに成長してるのはしっくり来るし、だからこそときめとの喧嘩見たかったな~~~~~そこまでやると思ってたのにな~~~~~~


和田翔太郎はハーフボイルドというより三枚目の方がしっくり来るかな~と思ったんだけど、それというのも対ときめより対フィリップの方が圧倒的にイキイキしてたんだよねぇ。これはフィリップ同様『本編から明確に時間が進んでいる翔太郎』としてバランス取れてたので良かったんだけど、公演が進むにつれて共演者のアドリブすべてにツッコミいれずにはいられない本人の自我が抑えきれなくなってたとこがな……アウトかなって私は思います…www

さすがだな~と思ったのは、対ときめのシーンにおけるディフォルメが上手くて、魔女ときめパートが多めでもラブストーリーっぽさが強くならなかったの良かった。翔太郎はときめに限らず全ての女性に弱いので、ラブストーリーになるのはちょっと違うんですよねぇ……(解釈こだわりオタクの据わった目)


Wは照井とアクセルのおたくなんだけど、それはそれとして照井夫婦をめちゃくちゃ愛しているので、ひかるちゃんの所長に会いたい~~~~~でもみね以外の照井嫁をやってるひかるちゃんはいやだ~~~~~~~~とカプ厨大暴れだった。
その点、照井という役どころもあるかもだけど、上野くん自体からほぼ自我を感じられないという意味ではベイビーみあったし、フラットな照井でしたね。まだ寝返りもうてないレベルの赤ちゃん。手足が長くて動けるのに、たぶん人を殴ったことないんだろうなという絶妙なゆるさがクセになるとか、ならないとか。

オリジナルキャストがいる役をやってる生駒ちゃん観るのは初めてだったんだけど、どうやったって『可愛い』人だからこそ所長特有の『可愛げ』に到達できないの、めちゃくちゃ皮肉だなと思った。本人がゴリゴリにWのオタクだからこそ、独自の亜樹子像を出してきたりもしないんだろうなと予想。
良くも悪くも『生駒ちゃん』が引っ込まないからこそ、社中とか西田作品のオリジナル作品とは相性いいんだと思うし、特性の一長一短ってこういうことか~という例を見ましたね。


自分自身を役に織り交ぜる人、本編の『先』を描く人、本編を再現する人など、わりとカンパニー全体の方向性はガチャガチャしてたと思うんだけど、その中に置いた時のきみさーさんって強すぎるんだよな。当たり前に芝居が上手くて、仮面ライダーの世界の人で、劇場の空間把握もお手のものなので、すべてを繋ぐ要素になることも容易い。W本編と風都探偵、映像と舞台を繋ぐのにこんなに適任な人、君沢さんしかいないんだよな~~~~~~
本編と風都探偵を繋ぐ、って部分はもちろん刃さんも盛大にその役割を果たしてくれてるんだけど、君沢さんがまず劇場を『あの風都』にしてくれるから、なだぎさんの刃さんが存在してることになんの違和感もなくなる、という作りなので、きみさーさんキャスティングが一番重要で一番大正解だったなと思う。

余談だけど、『2.5っぽい芝居』と呼ばれるものってつまりディフォルメが強いってことだと思ってるんだけど、映像も舞台もやってて尚且つ特撮経験もある人ってそのディフォルメの中にさえ自分の芝居を織り交ぜるのが上手いタイプ多いなって感じる。ので、東映が原作の有無に関わらず舞台作品手がけるのは正しいんだよなぁ。


初日カテコで生駒ちゃんのお誕生日お祝いしたんだけど、ケーキではなくサイクロン/ファングの抱き枕?渡されて、それがめちゃくちゃデカくて床に引きずっちゃうので、下の方をちょこんと持ってあげてる上野くんかわいかった。所長ではなくただのWオタ生駒ちゃんになってたため、ほぼ塩られてたのもじわかった。
祝われてる生駒ちゃんにきゃっきゃしてる能條さんもめちゃくちゃ素モードだな~って感じでかわいかったし、役からすっかりモードが切り替わったおかげでお手振りもらえたのでラッキーでした!





舞台以外の現場も含めると71本。能條さんの写真集イベとかは除いてるものの、中止になった公演が全部生きてたら去年と同数くらいだったかな?
3000字以上は個別記事に、というルールに則ったらヒプステばっかりになっちゃったので、改めて自分の主現場なんだな~と認識したし、もうちょっとずぶずぶにハマるような作品に出会いたいな~という気持ち。そのためにはそれなりに現場数いるんだよなぁ。
TL情報以外にマロ情報でも観劇決めたりしてるので、オススメあったら教えてくださいな~

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