愛より重くて恋より軽い

未来の私が読んで楽しいやつ

『あずみ〜戦国編』感想まとめその1


日々あれだけ演出家と趣味が合わない!と言っておきながらまとめエントリを作っているということは、チケット増やすくらいには満足しているし面白かったということです٩( 'ω' )وれっつご

 

 

 

 

【11/11】

かわいい顔してても実は振り切れたゲテモノ、みたいな役が見たいという私の欲と、ゆっくんさん本人のご本尊崇拝と、一人の人間の生きる姿を描く役者力とが奇跡のバランスで介在する最上美女丸とてもよかった

こだわりの桂もとい鬘ですが、正面より背面の方が出来の良さがよく伝わる仕上がりだなぁという感じ。漫画の美女丸のあの、良いものは着てるんだけど身なりが整っているわけではないことを表すタッチが完全に再現されてて、うわこれすっごいお金かかってるやつだ…!ってなりました。鬘のおかげで見覚えあるお着物でも背面のテンションの上がり方ハンパなかったです。

しょーじき動いてるの見るまでは、なんとも判断しがたいけどこの類似記号だけでらんべさんと言うのはあまりにたいちさんに失礼なのでは……あれは鬘と衣装とお化粧のバランスが一枚の絵画のようにうんたらかんたら(「・ω・)「って思ってて。実際動いてるのを見るとやっぱり舞台映えをとったかわりに写真映えは4割減かなぁというのが私の感想でした。なのでゲネ写真で美女丸いい!と思った方はめっちゃ期待してよいです。

逆にゲネ写真がピンとこなかった方は心して挑んだ方がいいです。今のゆっくんさんが出してくるお芝居にビジュアルという方法論乗せるととんでもないことになる、ってつむ鴨初日の西南戦争のターンであんなに思い知ったじゃない…!!!ってなる。足元にお気をつけてお帰りくださいね(ノ・ω・ヾ)帰り道転んだ民草より

とにかく初日見るまではなんとも言えないけどでも動いてるの見るまでは事前ビジュの方がいいな〜〜〜でもゆっくんさんのこのお化粧は舞台映えするやつだからな〜〜〜〜〜(具体的には眉毛)って思ってたんですけど、あのお芝居が乗るならあのビジュアルで正解だなとほんとに思う。

ゆっくんさんの希少な語彙の中から選ばれた『変態』というワードから、私は美女丸って終始ゲテモノ感に溢れているのかと思っていて、それだったらちょっと幼ささえ感じられるようなビジュアルでギャップほしいな〜って思ってたんだけど、早乙女友貴は常に最高の見せ場に照準当ててエンジンかけてくタイプなのを忘れてました!反省!

早乙女友貴という役者の美しさはビジュアルではなく、お芝居に宿る魂の在り方なのだと割と真面目に思ってるからこそビジュアルと役柄にはギャップがあった方が断然いいと思ってて、それをお芝居一つで表現されたのがそれこそゾクゾクしたなぁ。ラスト手前の一気に燃え上がった瞬間最高だったし、あの長さのお芝居でさえあのレベルのカタルシスを生み出せる役者さんなんだなぁって、初めて感じた。

身近に妄執の如く早乙女友貴の最上美女丸を待望してた人がいることもあって、もちろん期待もしてたし楽しみではあったんだけど、直近の役が私の中では唯一無二の今年ナンバーワン案件山川浩だったしゲネ写真上がってくるより先につむ鴨インタビューきちゃうしで、いくらオタク殺し要素山盛りの役といえど満足できるのかな…?って不安も同じくらいあったから本当にお芝居で新しいもの見せてもらえたのが嬉しかったー!

見たことあるお着物、見たことあるお化粧、見たことある表情から見たことない声と芝居が出てきたことがとんでもなく衝撃で、あーーーーーこれで無事に年越せるなーーーーーって安心できました٩( 'ω' )و つむ鴨山川からゆっくんさんを知って過去作品とか見ずにあずみ来る人いいなぁ絶対楽しいよなぁこんな役者絶対好きになるに決まってるよなぁってしみじみ思った初日。

いい意味で川栄李奈のままあずみになれるりっちゃん座長だからこそ、3回目のカテコでテンパって思わず仲良しのゆっくんさんに助けを求めた結果、普段カテコで役が落ちることのないゆっくんさんが素の顔に戻ってぎこちなくとりあえず挨拶?する?って2人で顔見合わせながらお辞儀してたのが最高に可愛いすぎましたありがとう座長。

もう今日何度言ったか分かんないけど、りっちゃんは本当に子どもとしての在り方が最高にかわいいしその在り方がそのままあずみだしもーーーーーーーーーーかわいい!!!かわいい!!!って終始にこにこしてしまった。

去年も割とそんな感じだった記憶なんだけど、今回本当にあずみ出てるシーンはひたすらりっちゃん……りっちゃんかわいい……_:(´ཀ`」∠):_ってなってて、殺陣の切れ味も速度も増してるしお芝居もとんでもなく良いのに、去年以上にいい意味で子どもで、もうあれは私の大好きなタイプなのでだめです完全に。りっちゃん好き。

ビジュアルにもある通り「次は誰を斬ればいい?」はあずみの台詞なのに、登場時の美女丸が「俺は誰を斬ればいいんだい?」って言うのとか色々考えてあずみと美女丸は鏡合わせなんだなぁ、ということをしみじみ思ったし、りっちゃんと鏡合わせになれるのはこのキャストの中で間違いなくゆっくんさんだけだなぁと思ったので、りっちゃんファンの男性陣から美女丸いい!って声が挙がってたという話ににこにこしてる٩( 'ω' )و

ひろきくんは清家さんの殺陣とはあんまり合わないタイプなのかなーという初日印象。ひでよくさんは逆につむ鴨であまり刀の殺陣はお得意じゃないのかな?って感じた印象が信じられないくらい良かったので、合う/合わないあるのかもしれない。何度見ても大好きなりっちゃんの殺陣も基礎は清家さんなんだけど、あの子は早乙女流に弟子入りしてるからなぁ…( ◜◡◝ )

しかしあんなに丁寧に美女丸している人が『変態』のひとことであの役をぶった切るのは露出狂アフトかっちゃんの比留はサークラ発言と同じくらいそうなんだけど!!!!そうじゃないじゃん!?!?ってなるやつだなぁと思いつつ明日も楽しみでーす

 

 

 

【11/12夜】

やっぱり一幕の美女丸に限って言うと『変態』には見えないんだよなぁ。去年の壮太より限られた道しかない人生を割り切った上で、むしろ謳歌してる人なんだなぁって感じる。自分の生き方を肯定できるのは自分しかいないんだから、って感じ。あと、あずみに「生きろ」「己が心の望むままに剣を奮え」って言うのは勘兵衛さまも美女丸も同じなんだよなぁ。

元々ゆっくんさんの声すごく好きなんですけど、美女丸の「しィびれるようなァ、快感がァァ!!!」がいい感じの脳内麻薬になってて終始にこにこする。もうひたすらに音が気持ち良すぎて思考が溶ける。とにかく本当に色んなものが突き抜けすぎてて、殺陣が〜お芝居が〜とかよりとにかくゆっくんさんご本人が誰より思い入れて同化している最上美女丸を見てほしい、みたいな気持ちになってきた2日目です。なんかもうすっごいんだよ色々と

爺に「おて!」されて喉ごろごろする柴犬あずみのかわいさよ…(*´◡` )( ´◡`*)りっちゃんのあずみは本当にまだ男女の判別ができないひよこのような子どもで最高にかわいい

初日より芝居の間がよくなったというか、全体が人が死んだあとのテンポ感に合ってきた感じがして、確かにあずみの主観でのみ進む物語感は出てきたなぁと思った。ひろきくんの殺陣も速度上がってきてて、なんとなくあずみの勢いに似てきたような印象。やっぱり刺激されてるのかなぁいいことだなぁ。

ひろきくんも小園くんもひでよくさんも皆悪くないどころかどんどん良くなってるんだけど、美女丸がチートレベルのインパクトだから客席の印象かっさらってるんだよなあ多分。間違いなく全日程の客席にいる誰より最上美女丸に思い入れてる人が演じてるからそのアドバンテージには誰も勝てないよな〜って思う。映画公開が2003年だから下手したら10年以上前からやりたい!って思ってたんですかねゆっくんさん…

カーテンコールで機材トラブルにより緞帳上がらなくなってキャストが一旦はけた後、前に出て!って声が聞こえたって話と創さんのリプライ総合すると幕の前で挨拶するのは下手側はゆっくんさんが先陣を切ったようなんだけど、そういう指示があったのかと思うほど堂々と颯爽と出てきた姿が綺麗でかっこよくて。上手側は黒川さん先導で、遅れてりっちゃんたちメイン組が出てきたので、ほんとにスタッフ判断じゃなかったんだろうなぁ。本当にアクシデントに強い人だなぁと思ったし、そんな人が初日にりっちゃんにアイコンタクトでヘルプ求められたことに一瞬戸惑ってたのめっちゃ尊いなって感じます。アクシデントにはわはわしながら挨拶するりっちゃんの言葉に反応して笑った顔は苦笑混じりだけど美女丸でも素のゆっくんさんでもなくて、あれはたぶん役者早乙女友貴の佇まいだったんだなぁと振り返ってしみじみ。

 

 

 

【11/13】

実は観劇予定じゃなかったんですけど、今日の美女丸さん一幕からフルスロットルで最高です!初日はビジュアルから想像するほどゲテモノ感の出てこない一幕から思いっきりアクセル踏み込んでくる二幕、って盛り上げ方さすがだな〜と思ってたんだけど、今日は一幕の「ゾクゾクしてきちゃったァ♡」がすでに振り切れてて客席の誰よりも本人が一番楽しそうだなって思ってにこにこします。私たちも楽しい。ボルテージ上がりすぎてたのか、あずみに斬られて階段奥に突っ込んでいったのだいぶヒヤッとしたけど這い蹲るのもとてもよかったです。

どこまでボルテージが上がっていっても美女丸が生きた人間の領域を出ることは決してなくて、それが私が美女丸にはらんべさんを感じない一番の理由かなーというようなことを話していた(ノ・ω・ヾ)煮詰まりきったような闇もその果ての純真さも人間でしかないんだよなあ

舞台始まる前から原作のエピソードとはかけ離れてるよ、って教えてもらっていたとはいえ、「返り血に染まってほんとにキレイ」って言う舞台美女丸は自分の血の色が今まで斬ってきた妊婦や母上と同じだって知ってるんだなぁ。原作美女丸は美しいものときたないもの両方に妄執があった結果ああいう出で立ちになったのかなと原作読んだときに思った気がするんだけど、舞台美女丸は過去の飢えの経験から男も女も大人も子どもも全部全部飲み込んでいく渇望の結果としてああなったのかもしれないなぁ。

生まれは変えられないけど生き方は自らの意思で変えられる、があずみにも美女丸にも秀頼にも共通してるテーマだから美女丸をかわいそうだとは思わないんだけど、「あんたもオレと同じだよ」って何度も何度も言う美女丸もあずみのように自分は一人じゃないと思いたかったのかなぁと考えたりもするんだけど、本当にあずみが美女丸と同じだったら美女丸の言う遊びには終わりが来るけどどちらが死ぬか分からないからこそ最高の快感だし、言葉通り生きてるって感じるんだろうなぁって結論に落ち着く。

3日目になってひろきくんのお芝居がさらに良くなってるというか、あの人が公演期間中に目に見えて変わってくるのを見るのが初めてでちょっとびっくりしたんだけど、うきはがしっかりハマってきた気がする。あずみと同じ境遇で育ってきた子なんだな、っていうのをすごく感じる。初演が10年前とはいえ、ひろきくんが本役じゃないってこと自体がすごく珍しいし、続投のあずみと映画版見た時から憧れてた美女丸、ってアドバンテージのある2人に急速に迫ってる感じがするし久々にガツガツしたひろきくん見れてる感じがして好きだなぁ。

りっちゃんは完成度高いところから徐々に上がってくるタイプだけど、やっぱり相手ありきでその速度変わるタイプだからほんと早乙女流のお弟子さんだね、という気持ち( ◜◡◝ )あずみと美女丸ダブルで千秋楽ブーストかかったら私たち死ぬのではないだろうか

そういえば今日の小園くんラストシーンでセリフがあずみとテレコになったり噛んだりしてたんだけど、単純に間違えたというより化け始めてる芝居に頭と体が追い付いてない感じがしてすっごい震えた。うきはやあずみと同じように子どもだった顔が、本当に総大将になってたんだよなぁ今日。お芝居の完成度と役者の成長という話はそれなりに若かったり経験の浅い役者さん見る上ではついて回る議題だとは思うけど、私は初日の感じも思ってたより全然悪くなくていいなぁと感じたから上がっていくさまを見るのは楽しいなぁ。

あと、知人に言われて確認したら本編美女丸の足元草履になってましたね!!!たしか初日は二枚歯ではないものの黒い鼻緒の下駄で、まぁその方がビジュアルは良いけどほんとに下駄でやるのかこの人……って思ったから下駄だったはず。カテコで履き替えるのかな?って思ったらカテコは赤い鼻緒の黒褐色の下駄でした美女丸さんおしゃれ〜〜〜〜〜