愛より重くて恋より軽い

未来の私が読んで楽しいやつ

DAZZLEのイマーシブシアター「SHELTER」を諦めない。

「(主宰を)諦めないでほしい。信じてほしい」


こんなパワーワードから始まった勧誘を笑っていたのに、気付けば「あきらめない!!!!!!」をスローガンに人海戦術で駆け抜けた令和元年の夏。ダンスカンパニーDAZZLEのイマーシブシアター「SHELTER」の話をするよ!















【イマーシブシアターとは?】

本作品は建物一棟全てを舞台に行われる
イマーシブシアター形式の作品です。
お客様は作品世界の一部として、時に出演者に導かれ、
時に自分の意思で建物内を自由に移動しながら、
様々な場所で繰り広げられるパフォーマンスを
五感で「体感」していただきます。
SHELTER | DAZZLE New Immersive Theater

有名な作品だとオフ・ブロードウェイミュージカルの「Sleep No More」かな。私ももともと感想かなにか読んで、さすがにニューヨークまではいけないな……って思ってたところだったので、パワーワード勧誘めっちゃちょうど良かったんですよ実は。
いろんな作品の感想まとめでちらほら書いたことあるんだけど、私自身はダンスというものに対しての感度がめちゃくちゃ悪くて!w
お芝居>(メイク)>歌>ダンス、くらいの順序であんまり記憶する機能が発達してない。なのでダンスパフォーマンス楽しめるかな~って不安さえ感じてて、正直イマーシブがどんなものか体験できればいいなくらいの気持ちだったわけで。


でも!!!!!!後述するけどDAZZLEさんのパフォーマンスは自分とかなり相性がよかったみたいで、すっごい面白かった!!!!!!!!
建物の中を歩き回るからヒールやめて手荷物ロッカー入れてね、と免責事項にあったので結構運動量あるのかな………って心配もしてたけど、SHELTERの場合は地下と外階段以外はクーラーがきいてて涼しかったし、ぱたぱた歩き回ること自体が面白くてアドレナリン出まくりだったから全然大丈夫だった!!!!!!
目の前どころじゃなく、私が座ってる足とキャストの滑り込んできたところの距離間が5cmくらいのところで見られるパフォーマンスに、『自分の意思で選択した結果』出会うという、絶対にイマーシブシアターでしかできない体験がとにかく新鮮すぎました。


上に行くか?下に行くか?特定の役を追いかけるか?誰もいなくなったこの場に残るか?
動き回れる面白さと同時に自分で選択して決められることが醍醐味なんだろうな~と想像はしてたけど、改めて体験してみると想像以上にそれが面白かったんですよ。
私は集団行動が得意じゃないし飽きっぽいタイプなので、自由時間中にみんなでゾロゾロ列になって動く~みたいなのが得意じゃなくて。実際、人がいっぱいいるところを避けて動いてたりしたし笑
それでもたくさんのパフォーマンスが見れたし、止まってパフォーマンス見てる時間もキャストにぶつかりそうになって、ここ動線!?私もうちょっと後ろ下がった方がいい!?とかなることも多々あったり。自分だけしか見ていないシーン、という状況にも遭遇して、とにかくすごいレアな経験してる…!っていう興奮が味わえるのはほんとにイマーシブシアターならではだなって。
なにに出会っても、出会えなくても、それって全部自分の選択の結果なんですよ、イマーシブシアターでは。
あのタイミングであの場所に向かったのも、アレを触って確認したのも、エンディングをどこで迎えるか決めたのも、全部自分!!!!!!!!!誰のせいでもなく自分!!!!!!!!自由って楽しい!!!!!!!!




【ダンスカンパニー DAZZLEとは?】

「すべてのカテゴリーに属し、属さない曖昧な眩さ」をスローガンに掲げ、
独創性に富んだ作品を生み出し続けるダンスカンパニー。
「開かれたダンス」の実現のために、あらゆる手法を再構築する。


ストリートダンスとコンテンポラリーダンスを融合させた、
世界で唯一つのオリジナルダンススタイルを生み出す。


舞台作品においては映像によるテキストやナレーションで物語性の強い作品を上演。
映画・コミック・ゲームなどのジャパニーズカルチャーの要素を積極的に取り込む。
DAZZLE Official Site | ABOUT


カンパニー公演だけじゃなく外部振付などもされてるDAZZLEさん。

・ワンピタワーとのコラボ(東京ワンピースタワー × DAZZLE イマーシブシアター『時の箱が開く時』追加公演決定!|TOKYO ONE PIECE TOWER)

・宝塚花組の「CASANOVA」(花組『CASANOVA』特集|宝塚歌劇 DVD・ビデオ・CD専門ショップ|TCAショップ
コンデュルメル夫人の「私を愛して」!

・刀ミュ双騎(ミュージカル『刀剣乱舞』 髭切膝丸 双騎出陣2019 ~SOGA~ | ミュージカル『刀剣乱舞』公式ホームページ
今度の歌合も振付・ステージングで参加されるそうです。


なのでDAZZLEさんの名前自体は見たことある、という人もいると思うし、振付が独特なので挙げた公演で同じ振付見た!って人もいるかも。




【DAZZLE】Hibiya Step Show 2018/04/29【4K】
(3:14辺りからのアップテンポの音と振付のハマり具合がすごい気持ちいいな~と思って好き。あとメインシンメのサイズ感がアシンメトリーなのが、私の抱いたDAZZLEさんのイメージに合ってていい)




DAZZLE公演「花ト囮」@国際フォーラム PV
(こっちは同じ曲で公演のPV。世界観が分かると一気に振付の意味が分かるな~ってびっくり)




私の場合は前作のイマーシブシアター「Touch the Dark」でDAZZLEさん知りました。


DAZZLE イマーシブシアター 「Touch the Dark」PV 2018


ビジュアルとかPVの感じ的にちょっとホラー調っぽいし、イマーシブで怖くて動けない…!ってなるとさすがにまずいな、と思って尻込みしたタイプなんだけど( ◜◡◝ )
DAZZLEさんのイマーシブシアターは公演終了後もSNSネタバレ禁止なので、検索してみてもどういうテイストのストーリーなのか、とかが分からなくて……と相談したときに色々オススメされたんだけど、一番分かりやすかったのは主宰である長谷川達也さんのブログ記事かな。

DAZZLEメンバーブログ -長谷川達也-: DAZZLE OFFICIAL BLOG

イマーシブシアター形式ではないけど、エンディングが観客の投票で決まる形式の舞台「鱗人輪舞」のお話なんですけど、こういう話を書く人なんですって( ◜◡◝ )単純にすっごい好みだなって思いました次第です。
ゲームやり込みすぎて網膜剥離寸前だか眼底出血までいったことあるらしいというエピソード聞いて、おたくとして信用できるタイプのクリエイターだなって思いましたw




【「SHELTER」とは?】

あなたは幸運だ。
このシェルターに、入れたのだから。
外を知っているだろう?
あんな世界で、人がまともに
生きていけるはずがないんだ。
ここは平和だよ。
あの9人がなぜか均衡を保っているから。
新入りのあなたに、
シェルターでうまくやっていく
コツを教えてあげよう。
人それぞれに物語がある、
ということを尊重するんだ。
自分が正しいと思った瞬間、
大切なものを見失ってしまう。
もちろん、あなたの物語も、尊重される。


誰かが、壊そうとしない限りはね。


SHELTER | DAZZLE New Immersive Theater

上演前PV

【DAZZLE】SHELTER PV「SECRET OF SHELTER」【IMMERSIVE THEATER】


こんな雰囲気だったよ~というPV

【DAZZLE】Impression of SHELTER【IMMERSIVE THEATER】




さて、ようやく今回のSHELTERのお話です。

DAZZLEさんのイマーシブシアターは同時多発的に建物の各所でパフォーマンスが行われているだけではなく、いわゆる謎解きの要素もあります。PVにある「探せ道化師を」の辺りですね。
ニュアンス的には脱出ゲーム系に近いかな~と思う。個人的に何度か経験した脱出ゲーム系は、同じグループになった知らない人との相性次第でやりやすさが変わっちゃうのが難点だったので、1人でふらふらしながら気になったものを調査できるDAZZLEさん方式は私に向いてた。
ただ、物量と自由時間の長さ的には1人で謎解きするのは無理なところが脱出/謎解きゲームではないんだよ、っていうのがポイントだったかなと思います。終わった後に友達と見たり聞いたりした情報突き合わせるの楽しかったし、皆が同じものを見られないイマーシブシアターの感想って語り合うの面白いのかな?盛り上がれる?って思ってた事前の疑問は見事解消されました。


私がイマーシブシアターを知ったきっかけである「Sleep No More」はマクベスをベースにしてるそうなので、台詞がないノンバーバルでも話が分かるけど、オリジナル作品の場合はどうなんだろう?って思ってたら、SHELTERには台詞ありました!
パフォーマンスのBGMに録音で台詞が入ってて、各々のキャラクターの関係性とかこの建物でなにが起きてるかちゃんと分かる!心配する必要がなかった!


あと前作「Toche the Dark」から感じていたホラーっぽさですが、ジャンルとしてはサスペンスとかミステリーって感じでした。お芝居でいうところの暗転とか不穏なBGMはあるけど、逆にそういう認識さえあれば全然ホラーではない。
建物内に場所としては暗いところがあって、ホラー耐性ゼロの友人はそこがちょっとダメだったみたいなんだけど、自由時間にそこへ行かないという選択も当然できました。自由時間前にグループで施設内を案内されるときは全箇所回るんだけど、団体行動だから生き延びられる。と私は思うタイプ。


というかこれ、舞台とかライブの日替わりレポ読んで「へ~そうだったんだ~」で終わらないタイプ、なんなら円盤見て「なにこれ絶対見たかったんだけどチケット増やすわ(公演終わってる)」ってなるタイプには沼です。沼。だってメインキャラクター9人いるのに、1公演の自由時間中に見かけてない人とかいるから。
しかもSHELTER、観客の意思で結末が変わるマルチエンディング方式だったんですよ。もう絶対多ステしたくなっちゃうじゃん!


あと、謎解きしてるだけだと絶対に解けないところも絶妙だな、と思いました。
自由時間のパフォーマンスにはグループ行動時と同様、ダンスだけじゃなく台詞があるのでストーリーが進んでるんです。ヒント見つけても、そのストーリー知らないとなんのこと言ってるか分からない場合もあって。
DAZZLEさんはダンスカンパニーなので、謎解き要素入れてもパフォーマンスの扱いを疎かにしないバランスを考えてるんだなって思いました。もっと言っちゃうと、マルチエンディングだということを加味しなくても、1回で解決させる気がない笑
それは物量的に1回では不可能な謎があるから、ではなく同時多発パフォーマンスがあってそこに物語があるから。多分ここがダンスよりお芝居が好きな私でもハマった理由だと思う。結局、各回必ず見たことないシーンに出会いながら謎解きしてたの、めちゃくちゃ充実した時間だったなぁ…


私は気になったものをほっとけないタイプだから謎解きしたりふらふらしながらパフォーマンスと遭遇してたけど、友人は気になるキャラクターをずっと追ってる回作ってました。どっちを重視するタイプでも各々に合った楽しみ方があるし、後から共有した時になにそれ見たかったー!でもそのタイミングでどこ行くとか決めたの自分ー!ってなってすごい面白かったです!そして次は話に聞いたそれが見たいぞ、とリピートするという…( ◜◡◝ )




【日々こじらせていく避難者の記録(いつもの備忘録用まとめ)】

キャストとの距離がめちゃくちゃ近いこと、自由時間の行動は個人の判断に委ねられてることから、チケット購入者の身元(笑)がちゃんと分かるようになってる+免責事項読んでね、って案内があるんですけど、その中にあった事項がめちゃくちゃ驚きで。

「公演中・公演後に関わらずSNSネタバレ禁止」

これすごくないですか????イマーシブシアターという日本ではまだ新しい形式だし、仕掛けもめちゃくちゃ凝ってるので、再演可能性とか考えれば確かに作り直さないといけなくなる部分は少ない方がいい…………いいけど、この条件下で新規客呼ぶの結構難しくないですか!?そりゃパワーワード勧誘が「諦めないでほしい。信じてほしい」から始まるわけですわ!!!!!

そんなわけでこのブログをちまちま書き始めたわけです。こういうところが面白かったよ、って。でもね。初回一緒に入った友人とねずみ講か????くらいの勢いで人呼びまくった理由はそれだけじゃないんですよ。

どーーーーーーーーーーーーーしても謎解きしたかったの!!!!!!!!!笑

というのも、メインキャラクターの相関関係ががっつり刺さってしまって、その中でも「作家」というキャラクターがめちゃくちゃ、めちゃくちゃ好きになってしまって…………どーーーーーーーーーしても真相が知りたかった。おかげで知人友人が入った回で見たヒント、パフォーマンス中の台詞、はたまた各キャストの動線全部情報収集してスプレッドシート作ったよ!!!今も更新中だよ!!!w


ここからは私が入った各回のパフォーマンスについての雑多感想です。が、前述した通りSNSネタバレ禁止なのでぷらいべったー記事をリスト限定公開にしてぶっこみました。ほぼいつもの感想まとめみたいな感じのやつ。
ツイートリンク貼っておくので、大変お手数ですが私の気が狂っていく様を感想と共にご覧になりたい方はぽちっとふぁぼしてください。フォローも挨拶もいらないので。
これすっごい面倒だしハードル高いな、って思ってるんだけど公式が言うなら仕方ない!www



【再演がほしい】

実は終演後、某エンディングについての動画公開がありまして。
公開したことについての賛否はあるみたいですが、私はこのエンディングを実際に現場で観たので、どんなに映像化してもあの瞬間に観た光景は手に入らないし、まだ残されてる謎があるんだよなぁって思ってます。
だって網膜剥離寸前とかまでゲームやるような人が………SNSネタバレ禁令出すような人が…………最後まで見せてくれるわけないじゃん、って……w
実際、このエンディングで終わりではないだろうことを示唆するヒントを最終避難回で見つけていて、私のSHELTERはアレが解けるまで終わらないし終われないんですよ。超負けず嫌いだから!w
いつか再戦できる機会があることを心から楽しみにしてます。今回は負けたけど、次こそは完全勝利Sを収めてみせる……という想いをELZZAD(DAZZLEさんのサポーターズクラブ)入会で示して、人海戦術で駆け抜けた令和元年の夏を終えます。



もっとパワーワードでSHELTERを語ってる一緒に駆け抜けた友人のブログ。そうです私がハーメルンについてった人です。
shioring78.hatenablog.com



ここの記述ネタバレですよ!とかあったら匿名でいいのでそっと教えてください
marshmallow-qa.com





諦めない。信じる。そして勝つ。