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『瞑るおおかみ黒き鴨』北九州公演感想まとめ


マチソワともにいろんなことがありすぎて記憶が混同してるであろう、いつも以上に仔細が怪しい感想まとめ。細かいところアテにならないのでレポだと思わないでもらいたい上に、終演後の答え合わせでこれだけ観劇してても観たことない箇所があることが発覚しました。定点こわい。

 

 

 

 

【9/22マチネ】

クイッククイック〜は笑わなくなったのに、大久保さんが無言で立つだけで笑ってしまうゆっ山川は北九州でも負けてました。

酒宴で升の前に瓶差し出されていやいや、って首を横に振る山川かわいい。会津のやつらみーんな知ってる!っていう容保様に唖然とする山川も、容保様に詰め寄られるさきちゃんに「兄さん…><」って助け求められる山川も、「実はッ、佐川さんはな…!」ってちょっぴり言い淀む山川みんなみんなかわいい。

これまで何度か佐川さんの反撃を受けてたことがあるからか、マチネは佐川さんの右腕を押さえた上で抱きかかえていて、いよいよ手慣れた保護者感が出てきた介抱山川。

「佐川さんも来ます!」「あの虎を、会津を!」語気の強さがもう……負けん気強い会津の人、山川…「なかなかのもんですよコイツら」でニヤリと笑う山川とか、もうとにかく強くて美しい人だという当たり前のような印象に立ち返った。

「ちゃんと、伝えてあげてください」がすごいかわいいというか幼い声で、ほんとに山川兄妹にとって佐川さんってお兄さんなんだな〜という気持ちになり、佐川さんの告白(未遂)は背中押されたこともあるけど弟からのお願い、っていう面をあったのかなあと感じたり。

その印象もあいまって、白虎隊自害の知らせで、大阪ではしっかり見ていた佐川さんの崩れ落ちた姿から目を逸らしてしまった北九州の山川は、佐川さんの弱さを抱えきれない弟なんだなって思えてしまった。こんなに強い人でも抱えられない、佐川さんの慟哭。

真っ直ぐ前を見据えて走ってくる山川の目には最初、大山と新八の姿しか見えてなくて、あたりを見回して佐川さんの姿を見つけた瞬間の信じられないものを見たように絞り出す「佐川さん…?」の時点ではまだ、山川は佐川さんの生死を確認できていなくて。必死で佐川さんの名前を呼んでも返ってこない反応とか、酔ってる時とは違う体の重さとかで現実を突き付けられて、泣き声で呼んだ後の最後の慟哭に、初めて山川のなにかが壊れたというか、越えてはいけない一線を越えてしまった感じがして、この人はきっとこの先の明治を生きていけないだろうって思ってしまった。

大山に煽られてるときの佐川さんの目が、じわじわ沸点に近くなっていくにつれて血走っていく様が見えたり、お前のところの土方よりもって言われて瞬間的に瞳孔開いてる斎藤さんの目とか、とにかくいろんなものが初めて見える上手席やばい

「負けたくねぇ」って最初から泣いてた佐川さんの声が、マイクが切れた後も続いてて、こんなに何度も見てるのに、会津は負けないことはできても勝てないんだ…って思ったらつらくてつらくて仕方なかった

斬られた佐川さんの手を離れた鉢金が半さんの刀に絡むように落ちていって、それを手に佐川さんを斬った上で、鉢金で刀の血を拭って佐川さんに投げつけるあれ本当になんとも言えなくて。山川が本気で薩摩を殺しにいってるのと同じくらいの想いでこの人も西郷さんのために敵を斬ってるんだって気持ちと、あの鉢金に託された会津の想いとか白虎の魂を想う気持ちで頭ぐちゃぐちゃになって、簡単にひどい!とか言えなかった。

さきちゃんが、「私たちも会津の民です」「戦う覚悟は出来ています」って笑うようになってた。あなたの国を守りたいから、ってすごく真剣な顔ではっきり答えるようになってて山川兄妹すごく似てるなって感じたから、尚更調印後のさきちゃんが姿見える前から叫んでたのがつらかった。さきちゃんだって戦ってるんだ。山川の「かたじけない」聞いた瞬間、嗚咽漏らして泣くさきちゃんの声が響くのがつらかった。

今のはどう見てもオヤジだよ?どーすんだこの空気?よしじゃあせーので飛ぶぞ?そしたら時間が戻るからな?って言い出す容保様と予想外すぎる提案に吹くさきちゃん

花びら降ってくるところでわはは!わはは!って容保様が笑ってる声が聞こえてきて、さきちゃんの「そういう貴方だから、私たちも命をかけるんです」って言葉を改めて噛み締めた

オープニングの「(狼などどうでもいいと思うぞ)だから…」があまりに優しく切実すぎて、たとえ続きが斎藤さんにしか届かなくても、土方さんのこいつを生かしたい、っていう想いが溢れてくるのを感じた

油小路での土方さんは真顔で出てくるのに、半さんとやりあって斎藤さんに一時渡すときニヤリと笑うんですよ。牽制とはいえ、隙があれば命のやりとりになるあの状況で、あの人は笑うんだ。

「どれだけ敵を驚かせたかだ」「まだ捌けてないぞ」もすっごい楽しそうで、土方さんの戦闘狂っぷりというか、刀を持って戦場に立つとそこでの命のやりとりに昂揚するのを抑えられない感がすごい

半さんが不意打ちで飛び出してくる瞬間、斎藤さんが振り返るより一瞬早く土方さんの歩みが止まって、半さんの殺気に気付いてて「この人の命だがな」って斎藤さんの掌が眼前に来るまで今にも飛びかかるんじゃないか、くらいの気迫出してるのが分かって今日の土方さん超好戦的…!!!って震えた

会津城で「俺じゃねぇだろ」の寸前に下手奥見て笑う土方さんには走ってくる斎藤さんの姿が見えてるんだなって思ってもうやだ土方さん超かっこいい(語彙力

「死ななければいい!」の土方さん、本気で負ける気がなくて容保様の言葉にも全然折れる気がなくて、その勢いのまま斎藤さんに返事しろ、って怒るんだけど、その斎藤さんにいつも通りはいはい、って軽い返事されるからそこで一度落ち着こうとする。んだけど、土方さんにとって狼は白き虎たちに憧れられる存在でなくてはいけなくて、その言葉を反芻してるうちにまた沸点近くなってきて「この言葉に勝てるものを、おまえは持ってるか?」って斎藤さんを突き放すように言ってるみたいに聞こえたからか、戊辰以降の斎藤さんが自分は新撰組じゃない/狼じゃないって言ってるのはここで土方さんにその心根を問われて応えられなかったからなのかなーと感じたりした。

「斎藤!お前は会津に残れ!」って叫ぶ土方さんの言葉からはもうオープニングと同様、この男を生かしたいって気持ちが痛いほど伝わってきて、だからこそ斎藤さんは土方さんに突き放された問いに応えられなかった自分が残される理由が分からなかったんだろうなって思って……もう…………

北九州の土方さんは島田くんへの「羽織り持ってこい」が優しくて優しくて、箱館期の土方さんはたしかにそういう優しさに振れてる人なんだけど、だったら尚更馬鹿にするな!って殴られた時の鬼の副長の片鱗は、島田くんにとってこの人を引き止められずついていくことも出来ない己の無力さを照らし出すものになってしまったんだろうなあって。

殴られたあとの島田くん「きっと貴方は、死んでしまう…」って言ってたのを聞けたのが北九州が初めてで、もうどんだけ泣くのかってくらい泣いた

オープニングの島田くんが羽織りを渡して刀を持ってる間、ずっと俯いて苦しくて悔しそうな表情をしているのに、土方さんに刀を渡す時は顔上げてしっかり笑っていて、島田くんは土方さんの言葉をしっかり守ってるんだなあ…って毎回オープニング一番の号泣ポイントと化している。

一幕では「あんたこそ本当に新撰組か?」って言ってた島田くんが二幕では「あんたも新撰組だから」って言う声色が優しくて、どうも無理やり自分を納得させてるようには思えなくて、一幕終わりの土方さんが撃たれたことによる動揺とか、それに近いものをあの後土方さんを担ぎ込んでくる斎藤さんの姿に見たのかな、って考えた。

vs半さん・晋介との「めんっどくせぇなぁ」が復活してて私大喜び

ラストの「忘れたな」のやりとりがすごく軽いものになっていて、斎藤さんの中でなにかにしっかり整理がついたような印象だった。それでも最後の「夢、瞑らないまま、マホロバまで」は今まで見た中でも一番ってくらい涙で声が震えていて、斎藤さんにとっての土方さんの存在の大きさを改めて感じた。

客席に語りかけてくる大山「おや!こんなところに麗しい淑女の皆さんが!ご機嫌いかがですか?大山巌と申します。アイムロックマン貴女とお話してますよ?」→そろそろいいかな?で本筋に戻る。本公演ラストって意味ではこれも千秋楽スペシャル。

「なにしてんだ、お前…!」「このままじゃおめぇ、死ぬから」「生きてることを、句にしてぇんだ…!」半さんと斎藤さんのやりとり、どれも泣き出しそうな声をしてて、立場は違っていても負けると分かっていても奮う刀の意味は通じるのかなって。

土方さんが撃たれた時の半さん、瞳孔開いてるんじゃないかってくらい目を見開いてる信じられないものを見ているようで、本当にこの人も土方さんと同じ戦場での命のやりとりに昂揚を覚えるタイプなんだなって改めて感じた。

ラストに撃たれた半さんが目を見開いたまま死んでたことに初めて気付いて鳥肌立った。

 

カテコ
目の前に二川が並んで挨拶してる光景をぐっと堪えてたら、次に出てきたのが土方さんで、その姿見た瞬間堪えられず号泣した信者はカテコであんなにガン泣きしたの初めてでした。

九州出身の人が何人かいるので一言コメントを〜と促され、前に出る長友さんひでよくさん。「?ゆうきは?ゆうきもそうでしょ?」とつねくんに振られ、すっとぼけ顔で「はい( 'ω' )?」って答えて一瞬スルーしようとするゆっくんさん。「あれ?ゆうきも?だよね?」とぐるぐるし始めるつねくん見て前に出てくるも、挨拶一番手で「本日は足をお運びくださりありがとうございます。えー……夜も待ってます。」の簡潔なご挨拶。この絶妙に塩っぽい感じに見せかけて面白くしてくる感じが……この……この………!


アフト
よーじろさん・つねくん・しょーごくん・ゆっくんさん・ひでよくさん・りょーくん
物販Tシャツの中は劇中に着てるインナーのようで、左袖からぴろんって白いのが見えてるゆっくんさん。途中で気付いたらしくおもむろに折り込んでたけど、まさかの外折りで不思議な袖感が増しただけでした。

ゆうきも九州なんだね〜→生まれたのは九州なんですけど、ほぼいなかったんであんまり愛着ないです→でも来てみたら最高だよね!?w→いや、何度も来てるので→こら!wwwww→でもご飯が美味しいので九州好きです、との安定ゆっくんさんと甘やかしよーじろーさん。

アフトは一足お先に千秋楽ということで、これやっちまったなってことは?
つねくん「もふ虎から使ってた刀が折れちゃって……先に千秋楽を迎えちゃった…」→しょーごくん「俺も刀折っちゃった」→ゆっくんさん「おれ刀おとした」
刀以外なんかある?って聞かれてるのに自由な二川

ゆうきなんかある?落ち着いてるからなーと振られ、うーんとぼんやりしてるゆっくんさんに、ひでよくさんがあるじゃん!って言った瞬間の「なに?」がめっちゃ見たことある素のやつでちょっとびっくりした。なかよくなってる٩( 'ω' )و !
「同じ狂犬ですか?」を「同じ鴨ですか?」と間違え、自然に出てきちゃったから山縣さんの「言うたらあいつは鴨だ」に心の中で突っ込んでたのが面白かった、とのことでしたが、ゆっくんさんの「言うたら」の語感がとてもよかったです好き。そしてそれを黒い鴨だからね!色違いだもんね!と甘やかすよーじろーさん。

締めのご挨拶でたくさんの方に足を運んでいただいて感謝しながら板の上に立っています、と真面目なご挨拶の後に「皆さまに一言。夜も待ってます。」って重ねてドヤ顔してきたのが最高に面白かったくやしい……塩芸に味をしめてるぞあの人…

 

 

 

【9/22大千秋楽】
冒頭のサイコロ、4・7の半→西南の反。ずっとどういう意味なんだろう?って思ってたところだったので判明してすっきり。語呂合わせだったんですね。

ファイシッセブェイ!の2回目にぽん、ぽん、ってちょこっと手拍子しながら階段降りてくる山縣さんと山川が果てしなく私得でした

ぺーぺこ〜で結局笑ってしまう最後まで大久保さんに弱いゆっ山川。「伝わったかな?」「どうでしょう…」「ではもう1曲」まさかのガラスの十代(原曲)

大久保さんイントロからAメロダンス。薩摩ダンサーズが上手から白いローラースケート持ってきただけでも笑えたのに、大久保さんのところまで持ってきたらスッ…と山縣さんがご指名受ける。いやいやいや、とローラースケートに追いかけられるように下手袖へ捌ける山縣さん。

Aメロ歌い出す佐川さんを斎藤さんと二人で「「えぇっ…」」って顔で見てたくせにBメロの「戸惑う〜」で超決め顔して入ってくるゆっ山川に負けました!!!!音当ててるからすごいキメ顔で口パクするんだよゆっ山川めっちゃ面白かった………ゆっくんさんのダンスは大好きなんですけど歌ネタ笑うしかないじゃないですか……(オブラート)

サビ振り付けはボックスステップ×2→ガッツポーズ×右4・左4→ボックス×2→ターン(この辺曖昧)だったんだけど、このガッツポーズ振りが大久保さんとゆっ山川だけキレッキレで山川のキャラに合ってるような合ってないようなそのキレ最高です……ってなってました。ターンの入り方も三者三様の抜刀隊ダンサーズ面白かった。合わせる気などない。

しょご佐川さんはガチで歌ってたみたいで、「ずっと〜強く〜」のところは席近かったとはいえあの音量の中で下手まで聞こえてきて、さすがしょーごくん……ってなりました٩( 'ω' )و でもボックスステップはちょっぴり遅れる佐川さんかわいい。欲を言うなら斎藤さんセンターでシンメな二川が見たかったな!

満を持してローラースケート山縣さん登場。よく見たらローラーの側面ぴかぴか光ってる頭に羽根までつけてるし、これほんと西田さんが怒られるだけならいいけど続編オファーしても事務所からNG出されたらどうするんだよ!wって思ったけどめちゃくちゃ歓声あげました。お線香買ってないけどこんなに間近で舞い踊る姿を拝見できていいのかな…?

ローラースケートで走り回る場所を空けるため、階段セットに座る抜刀隊のところにスッて手を掲げてハイタッチしてくれるアイドル山縣さん。えっ、いいんですか…?的な感じでそれに応じる抜刀隊きゃっきゃしててなにあのかわいいお兄さんたち状態。

「伝わったかな?」「十分伝わりました…!」な山川は私も失礼します、って言って佐川さんに引き止められかけると「私もローラースケートが履きたいので!」って真顔で言うからもう、そうか、山川はアイドルになりたくて山縣さんの下につく気になったんだね……という気持ちになりました謎が一つ解けたね!

山縣さんは捌けるまでローラースケート装着してるのでその後ろ姿に「おwにとッwwwおおかみっwwww」てもう完全に笑っちゃってるゆっ山川と釣られて吹き出す佐川さんはなかよし二川٩( 'ω' )و 

山川の周りをバックで走って回り込みながら「思うことがあれば〜」って言う山縣さんと「思うことはある!!!」ってなる佐川さん。そりゃそうだ。「一ついいですかね?感動しました!」とは呑気な斎藤さん談。この人結構ボックスあわあわした感じでしたが、あれだね、足が長いからもつれちゃうんだね多分……

「踊ってほしかったわけじゃない!」で一旦引いたと見せかけた大久保さんがアカペラでガラスの十代サビ熱唱。まさかの山縣さん(ローラースケート付き)再登場でガラスの四十代〜♪西田舞台の理念的にも内容的にも、絶対円盤収録されないからこそ出来た千秋楽スペシャルでしたねほんと。

さざれ〜って歌いながら下手袖に消え、(裏でめっちゃドタバタ音させて)階段セット横から出てくる大山は佐川さんに「ならもうちょっとやってみろ」って振られて余計に歌わされたせいで、もう明治10年!までセリフが飛んで客席から笑われる。想定外の事態に弱い人だ。

お前今日集合時間に遅れただろ?って山縣さんにまでぶっ込まれる大山。26曲全コンプのために頑張ってるおかげで、もうなにもかもがしっちゃかめっちゃかだったので詳しいことは光GENJI網羅できてる方にレポお任せしたい…

とりあえず「あれがなければ」「幕府軍は勝ってた」のところでグローインアップ!って言いながらジャンプして割り込んできたの絶対許さないから!w

戊辰号令。大「せごどん!」→西「なに?」
号令かけてくれない西郷さんに半さん晋介新八で碁盤ひっくり返すようジェスチャーで教える→ひっくり返すも「なに?やったよ?」「いけや?家具買うの?ニトリの方が好きだなあ」半「なにがニトリだよ!ちげえよ!…たしかに安いけどな」仕切り直して「せごどん!」碁盤ごろん「ニトリ」→半「ちげえよ!見ろよ、山縣めちゃくちゃ笑ってるじゃねぇか!」笑ってる顔見たかった……見たかった…

西南号令。晋「号令を」→西「なんでおいが号令かけんといかん。座れ!」→晋「!?!?」ちょこん、と座らされる晋介。半「お前気をつけろよ。かわいいからってなんでも許されると思うな。謝っとけ」えっ、えっ、てなりつつ謝る晋介。半「ちげえだろ、言い方が」「先輩こえぇだろ」「前見て謝れ」→晋「ども、すんませんしたっ><」ちゃんとやってるんだけど、あまりの可愛さに会場から拍手が上がる。仕切り直し。新「半さんの、どうもすいませんでした、でいいんじゃないすかね」→半「新八あとで覚えてろよ……いくぞ……本当に、どもすんませんっした!……おい新八お前もやっとけ」→新「無茶ぶりして、どもすんませんっした」せごにい大好き薩摩軍。

会津戦争、大久保さんvs山縣さんの後ろに回って指ぱっちんするせごにいに総てを悟って爆笑してしまった。さすがにそれは通じます。→少年隊の君だけに。大久保さんも加わり、山縣さんも加わって歌ったかと思ったら山縣さん踊ってくれて、しかもこれがめっちゃしなやかで美しくて、ローラースケートも大変美しかったんですけどこれたまらなくガラは悪いが育ちはいい山縣さん、って感じのイメージにぴったりで最高でした。

佐川さんの言い間違いがひどい。佐「おまえには立派なボインがある」→さ「なに言ってるの!?ワインでしょ!?」→佐「あ、ああ……お前には立派なワイフがある」さ「ワイフじゃなくてワインね!(佐川さんの腕ぐいっと引っ張って押し付け)あと、これがほんとのボイン!」→佐「!?おまえもそんな顔するようになったんだな……いや、近い…そんなまだ早い……!」→山「なにをやってるんだ…」→さ「兄さん…!見なかったことにしてください><俺はお前をボインにしたい!は割とアウトです佐川さん!山川お兄さんが呆れ半分だったのはもう完全に2人が相思相愛なんだなって思ってるが故だと思うと、この後の悲劇が不憫で不憫で……

斎「あんた名前は」→さ「ボインのさきです><!あ、ちがった、さきです!」は脚本なのか、かすみちゃんのブッコミなのか、どっちにしても斎藤さんなのか怪しい勢いで吹いて笑ってたのかわいかったね斎藤さん。

升の前に瓶渡されるところは一瞬瓶に手を伸ばして、なんでやねんって感じで手で払って升もらう山川。ノリツッコミだ!

さきちゃんボインのくだりからなのか、佐川さんの手が介抱する山川の胸をぺたぺた触った挙句、その腕を腰に巻き付けて抱きつくのを抱える山川の、もう言っていいかな、母性がすごいんですよあそこ毎回。大楽の佐川さん割とだめな大人風だったから余計に。

芝居も殺陣も大楽ブーストきてました………殺陣全編に渡って早すぎてもうなにがなんだか分かんなくなってきたよゆっくんさん……「お久しぶりです、斎藤さん」から今までで一番ハキハキ喋る山川で、良くも悪くも大楽ゆっくんさんだな……って思ってしまった

「いませんよ、あいつは。この日本には、もういない」の言い方が初めてさきちゃんが死んでるような印象を受ける密やかな声色になってて、大楽で来たな…って気持ちとこれは今までで最も意地の悪い山川だなって気持ち。

勝つのは厳しい、って土方さんの言葉に対して佐川さんの語気が強いと山川も強く止めるんだけど、佐川さんが静かだと山川も静かに止めるんだなあっていうのを大楽にして感じたのだけど、これもしかしてずっとそうだったかな。

「止めなくていいのですか…!」の響きの知将っぷりがすごくて、東京初日からどんどん静と動の緩急バランスが変化していった山川が最終的にここまで綺麗に濃淡つけてくる大楽になると思ってなくて震えた。

降伏宣言で震える左手を押さえつけるように握りこんだ山川の耳に佐川さんの負けたくねぇが聞こえてきて、そのままゆっくり地面に額打ち付けるように突っ伏して泣いた山川の肩が震えてたのを見て、ほんとうは繊細であるからこそ戦場で鋭い美しさを見せるんだなって改めて感じた。

「さき!!!!」って声に間違いなく今までで一番切迫感があって、もうほんとなんで最後の最後でそういうの出してくるんだろうこの人ほんとうにずるい人だよ最初からやってよって気持ちと、強くて優しい頼るべき兄さんが「かたじけない」って頭を下げる瞬間が、容保様が頭を下げるところを直接的には見ていないさきちゃんにとっての降伏宣言だったと考えただけで、この辺りから記憶が曖昧になっていく。

気がかりなことが一つあって、西南登場時の山川は鉢金を口にくわえてて、通路登場の佐川さんの手に鉢金がなかった。もしかしたら佐川さんの方は単純にアクシデントだったのかもしれないけど、とにかくこの時点でずっと変な予感があって心臓が落ち着かなくて。

「山川を最前線から外しておきたい。親兄弟を失うのはつらいことでな、アイツは生かしたい」
「俺はお前にあのときの酒を返したかった。俺が戦う理由はそれだけだ」
「会うのはこれが最後か」
「ああ、だから今日は嘘なき一日にしよう」

思えば佐川さんはいつだって直接的に山川の弱さを目にしたことがなかった。佐川さんにとっての山川って、二川の背中を見て育ったもふ虎たちが会津のために!って刀を手にすることが当たり前で自然なことであったように、自分とは違って頭を下げられる、新しい時代に馴染んで生きていける男なんだとたぶん本気で思ってたんだろうな、って………だからこんな簡単にさきちゃんを託していったんだよ……でも山川にとっての佐川さんって、それこそ親兄弟のような存在であり、あの虎を、会津を知っている数少ない同士だったじゃないですか、って思うと東京初日から感じてた『山川だけが誰にも「生きろ」と託されることなく生きている』って疑問は解決したけど山川自身の心は見えないままだよ西田さん………これもふ虎の時の斎藤さんと同じ印象だなって思ってるんですけど、でも山川を救えるのは他でもない佐川さんだけだと私は思うので………ううん…

「近藤さんが流山で斬首された」の土方さんの声に切迫感があって僅かに震えた声も硬くて、マチネとは随分違うなぁという印象を受けた。油小路もマチネみたいに笑ってなかっただけじゃなく、なんだか感情がフラットで面白そうにしてる感じがなくて、東京序盤に戻ったみたいだなぁって思ってたんですよ一幕。マチネで半さんとやり合うと笑い始める土方さんのこと初めて見て、ああこの人はやっぱり殺し合いに打ち震えるような人なんだなって思ってた。
それなのにソワレ始まったらそこ笑ってないし、「どれだけ驚かせたかだ」笑わないどころかつまんなそう「近藤さん、俺は続けるぞ」も笑わない。とにかく台詞が全部真顔でフラットなまま、「死ななければいい、少なくとも私はそう思っています」って容保様に啖呵切るところもフラットで、マチネでは斎藤さんを見限るように放ったこの言葉に勝てるものを〜もフラットで、あれ?って思って。
スペシャルのお遊び感でシリアスパートから乖離させすぎないためにストッパーの役割として土方さんと容保様はより忠実にいつものお芝居をしてて、だからきっと大楽の土方さんは鬼サイボーグモードなんだなって勝手に心の中で思ってたんです。

「もし生きて斎藤に会うことがあれば伝えてくれ。俺はうまく笑うことができなかったが、お前がいて楽しめた、とな。羽織り持って来い。」

私がフラットだな、楽しそうじゃないな、って思ってたあれ全部が本当は生きようとして、笑おうとしてた土方さんだったんだって思ったら、もう今すぐ一幕冒頭に戻してほしかった。

「島田くん、ありがとう」
「生きてれば、こんな言葉を言う日もくる」

大楽最後の斎藤さんの句は今までより『マホロバまで』へのタメが長くて、色んな想いが込められてるんだなって感じたんだけど、東京からずっと泣いてたあそこで泣かなくなった晴れ晴れとした顔の斎藤さんを見送ったその後ろにすごく綺麗に笑う土方さんの姿が見えて、本当に、本当に美しいラストだった。しかもそれは土方さんと斎藤さんの間でだけ完結するものじゃなくて、島田くんを交えた新撰組としての、本当に美しい思い出の形だった。

「西郷、大久保、共に見事な男であった!」
「それはあんたがそれに値する男からだろ。普段のあの人たちは、そんなんじゃねえよ」
「新しい時代を背負う者として、失うことを覚えておけ。お前にとって国とはなんだ。明治とはなんだ。」
「国も明治も俺には関係ねえ。大久保さんとせごにいが、俺にとっての読むべき句だ。どちらが欠けても俺の句は読めねえ」
「お前は失うことの意味を知ってるんだな。教えてやろう、それを夢っていうんだよ」

まさかの城明け渡しを持ってこられて、しかも物語の根幹に容保様の言葉が関わっていたことの衝撃で、ここからほぼ大半の記憶が吹っ飛んだまま復旧せず。だってそんなこと言われたら斎藤さんの句の意味も、半さんの「生きてることを、句にしてぇんだ」も全部意味合いが変わってきちゃうじゃないか。今すぐつむ鴨見たい。

マチネで初めて自刃前に西郷さんが懐刀を見つめて『おおくぼ、』って呟いてることに気付いて涙止まらなくなってたら、大楽は違っててなんて言ってたんだろう……って気になってたんだけど『すまん、おおくぼ』って言ってたそうで………謝ってたんだね……

その後の大久保さんに皆で駆け寄るところは『大久保、明治、万歳!』って言ってみんなで万歳してて、公人としての仲違いではあったかもしれないけど、個人としての仲違いではなかったんだよなあ……って改めて感じた


カテコ
もうどんなこと喋ってたか記憶がないんですけど、つねくんが真ん中は好きじゃなくて、座長はこわくて、でもこの作品がほんとうに好きで初めてのものなのにこんなに楽しいものにしてくれてキャストスタッフのみなさんありがとうございます、みたいなことを言ってくれている姿がほんとうにきらきらしてて綺麗でまぶしくて、胸がいっぱいになりました。
第三弾があるなら僕は個人的に土方歳三の思い出が見たいな!って言うつねくんに、土方さんの顔で任せておけって応えるあらきさんが最高に土方さんで、土方さんでした。(泣きすぎて頭がはたらかなくなった)
ブリキのおもちゃみたいなつねくんのおてふり見てると、こんなに素敵な人が真ん中に立つ作品だからこんなに好きになれるんだよなあ、って思ったりしました。幸せだなあ。

 

 

 

【円盤買ってね】
実は大千秋楽、PA席挟むようにカメラが設置されてて、しかもちょっと記録用にしては大きかったんです。
ガラスの十代と君だけに原曲で使ってるところと、今までの西田さん舞台の慣例からいって全編収録はあり得ないと思ってるんですけど、まさかまさかの会場予約特典ディスクに追加演出入る、っていうのは………ワンチャンあるかも?って思ったり……(個人の感想です)(西田さんは基本的に劇場に足を運んだ人が最も得をするべき、という考え方の人ですので、ない可能性の方が高い)
ただ、もふ虎の時は予約特典ってイベント参加券で、そのスケジュール組まずに今回のキャスト配置して追加演出収録されたら、それはシリーズとして最後の花火的なことも考えられるんじゃないかな、とは思っていて。
東京公演のあるタイミングから、カテコやアフトで「もし次回作があったら」っていうワードが役者さん側から出始めたので、続編の可能性はもちろんあるとも思うんですが、なにはなくとも数字が大事だと思うので、会場予約してない方や見に行けなかった方も、ぜひ円盤予約で引き続き応援してあげてほしいです(下記リンクはアフィリエイトつないでいませんが、買ってもらえると次回作が実現した際に私がとても喜びます)

 

 

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飛べりゃなんだっていいので、ランキング上がってくといいな!