愛より重くて恋より軽い

たぶん三日坊主ならマシなほう

ゆっくんさん入門のススメ:『オレノカタワレ〜早天の章〜』編

【この記事は】

『瞑るおおかみ黒き鴨』まとめ、たくさんの方にご覧いただけているようで本当にありがとうございます。また、ほぼゆっくんさんのことしか観てないような感想まとめの方も楽しんでいただけてるようで、重ねてお礼申し上げます。

そんなつむ鴨からゆっくんさんこと早乙女友貴さんに興味をもったよ!という方を筆頭に、ゆっくんさんの過去出演作に興味のある方へ、2016年9月現在円盤購入が可能な作品の中から、特に私が好きなものをダイレクトマーケティングするまとめを作ろう!と思い立ったプレゼン資料第一弾です。




【オレノカタワレ〜早天の章〜(通称:オレカタ)とは?】

2014年12月〜2015年2月まで東京・大阪・名古屋で公演された、激空間ユニット『30-DELUX』と大衆演劇劇団『劇団朱雀』がタッグを組んだ作品です。
まずは、公式サイト(30-DELUXオフィシャルサイト HISTORY オレノカタワレ)よりあらすじ抜粋。

雨…。 いつ止むとも分からない空模様の中、焦げ臭い匂いがまだ残る火災現場に足を踏み入れる、保険調査員の桐生と灰原。
彼らの目的は、一年前に起きた火災が、事故か?過失か?その真実に迫ること。
そこに現れる人物が一人。
その人物の口から語られた真実は、ある劇団で巻き起こった、男と男の熱い絆の物語…

「結局ここに舞い戻ってきました…」

誰もいない劇場で『劇団時座』の最後の幕が上がる。
一人舞台に立つのは、三代目座長、時枝三四郎。
彼の人生の全てであった≪カタワレ≫風祭ジョーとの半生を語りだす…。
劇団時座は、三四郎の父一二郎、叔父の二々郎とで旗揚げされた大衆劇団。
満月の夜に座長の息子として生まれ、将来を期待されていた三四郎だったが、そんな時、問題児ではあるが、芝居の腕はピカイチの風祭ジョーが入ってくる。
彼はすぐさま、頭角を現していく。そして、事あるごとに三四郎を焚きつけた。
いつしか三四郎は劇団時座を背負って立つ役者へと成長していく。
2人の若き才能がぶつかり、
劇団時座は、その人気を不動のものとしていくかにみえたのだか…。

満月だけが、そのすべてを、知っていた……


30-DELUX関連の作品を観たことのある方はご存知かと思いますが、全編を通して殺陣やアクションシーンが多く、またそれらが脚本上しっかりとストーリーに絡んでいるところが特徴の一つです。(オレカタの場合、殺陣・アクションシーンの多くは劇中劇の一幕として登場します)
また、色彩豊かなビジュアルも特徴の一つ。というわけで、まずはビジュアル写真と東京公演ダイジェスト動画をどうぞ。


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ご覧いただけると分かる通り、オレカタは当時、両団体の今後を担うポジションであった早乙女友貴(劇団朱雀)と天野博一(30-DELUX)が互いの役を交換したダブルキャスト体制で公演された作品です。
それぞれ主人公の時枝三四郎(青髪の方)を演じている回が『早バージョン』『天バージョン』と呼ばれ、DVDも各バージョンで発売されています。


とりあえずここまで読んでDVDはどうやったら手に入るのかな?と思った方はこちらへどうぞ。発売情報をまとめたところまで飛びます。
本来は色々解説した上で、「で、ここで手に入るんですけど!」と畳み掛ける流れで行きたいところなのですが、今回は特別です。



というのも、公演日程を見てもらえば分かる通り、オレカタはゆっくんさんの出演作として最新作ではありません。しかも、これを書いている私も実際にこの作品を劇場で観ておらず、DVD鑑賞のみです。おまけに当時のゆっくんさんは割と滑舌甘めな上、サンモールでピンマイク無し公演なのでお世辞にも音質が良いとは言えません。BGMとの音量差どうにかしてほしかった。
それでも私は、この作品がなければ公演の度に劇場に通うようなゆっくんさんファンになることも、連日感想やらダイマ記事やらを書くような熱量を持つこともなかったです。断言できます。それくらいオレカタが好きです。
そのため、この作品のご案内は思いっきり長くなります。具体的に言うと、前回のつむ鴨予習も予習レベルでこの長さか!?とツッコまれましたが、それを越えていく勢いです。


適宜割愛ポイントを設けてありますので、もう少し詳しく説明がほしいという方も、根気が続くところまでお付き合いいただけると幸いです。




【あらすじからの疑問1:大衆劇団とは?】

早天それぞれの見どころの前に、ちょこっと予備知識の解説。細かい設定が気にならない方はここ飛ばしてもらって見どころまとめをどうぞ。


予備知識といったものの、正直オレカタを見るためにこの辺りの知識はあまり重要ではありません。というのも元々オレカタは、劇団朱雀の公演を観た30-DELUXの清水さんが空想で思い描いた大衆演劇の世界を脚本家の米山さんが書いた作品です。脚本時点でだいぶファンタジーだった《大衆演劇の劇団》という舞台設定に説得力を持たせる、ということは、当時出演していた劇団朱雀側のメンバーにおいて課題の一つとされていました。
そのため、作中に登場する『劇団時座』を見る上では、商業演劇の劇団くらいのイメージがあれば十分かな?と思います。

とはいえ、知っているとイメージできることも変わってくると思いますし、せっかくなので具体的にどういうジャンルを指すの?という疑問くらいは解決できたらいいかな、程度にご紹介してみます。



大衆演劇の劇団は数名から数十名の規模で、主催者は座長と呼ばれることが多いです。商業演劇の劇団との大きな違いは、一座が血縁者・近親者中心で構成されること、座長が主に世襲されること、各地の劇場やステージを有する旅館やホテルを巡業し続け、生計を立てる旅芸人であることでしょうか。
多くの役者が0歳から4歳ほどの幼い頃から舞台に立ち、一座の役者として成長していきます。世襲制は歌舞伎などの伝統芸能も同様ですが、確立された特定の家元や流派はありません。

ゆっくんさんも、元々は大衆劇団の家に生まれた人です。初舞台は1歳半だったかな?オレカタに出演した劇団朱雀は、2002年にお父さんの葵陽之介さんが旗揚げした劇団で、お兄さんの太一さんは2代目と呼ばれておりました。


劇団、というからにはお芝居もします。しかも、台本はありません。台詞や動きはすべて口立てという稽古方法で座長から口頭で指示を受け、それをノートにメモしたりレコーダーで録音したりして覚えます。ゆっくんさんの漢字の読み書きが特にアレな理由の一端はここにあると個人的には思っているのですが、現在メインの商業演劇では一体どうしてるんだろうあの人( ˘ω˘ )謎です。


大衆演劇は主にお芝居と舞踊ショーの2本立てで構成されています。
お芝居は主に時代劇や人情劇、舞踊ショーは演歌や歌謡曲に合わせた日本舞踊が中心です。いわゆる女形というのも、舞踊ショーにおいて披露されることが殆どです。最近だとK-POPやジャニーズで踊ったりもします。ゆっくんさんも演歌で踊ったかと思ったらPENICILLINのロマンスで踊ったりもするので、この辺りは劇団ごとに特色が出るところかな?と思います。



オレカタの本編に出てくる劇団時座のお芝居/劇中劇は、そのほとんどがオリジナルかつ台本の存在する作品です。また、舞踊ショーのシーンもほとんど出てきません。(DVDの特典映像には、終演後の日替わりミニステージとして収録されています)
旅巡業をしている一座は生活を共にするため、たとえ血縁者であってもなくても家族そのものである、くらいの認識で気楽に見られます٩( 'ω' )و 閑話休題でした




【早バージョンみどころ】

オレカタの主役、劇団時座三代目座長時枝三四郎をゆっくんさんが演じているのが早バージョンです。ゆっくんさんが主役、というだけでも見どころの一つだと思いますが、加えて三四郎はたぶん2016年9月現在、円盤で観られるゆっくんさん出演作の中でも断トツの『物静かな消極的性格』と相反する『燃えるような狂気』を同時に秘めた役であることが、私的超推しポイントです。

ゆっくんさんといえば殺陣、というのは私もそうであったように、多くの皆さんにとっても役者・早乙女友貴に興味を持つようになった入り口かと思います。現に三四郎を演じるにあたってのゆっくんさんは【美しい殺陣】というスタンスを意識しているため、太刀筋が直線的ですっきりとしていて、公演当時のゆっくんさんが自身の殺陣の持ち味として挙げた『激しく、エグく、グロい、ドロドロの立ち回り』とは一線を画しています。殺陣で演技が出来る、という一面を知ることができるのは、早天関わらずオレカタの大きな見どころの一つです。


しかし、私が早バージョンで最も推したいのは『芝居』です。物静か、消極的タイプという役どころは、公演当時から現在に至るまでゆっくんさんが頻繁にいただくタイプではない役なのですが、それなのにと言うべきか、だからこそと言うべきか。その生き様は頭一つ飛び抜けて異質です。
他人の顔色を窺うようにおずおずと持ち上げられてはすぐに伏せられてしまう視線一つ、所在無さげに自身の膝の上で重ねられた掌の仕草一つ。一挙手一投足の全てがそこに生きている時枝三四郎を表していて、役者本人のタイプと乖離していることも相まって『役者・早乙女友貴』の存在を感じる瞬間がありません。
私は作品世界に没入して、登場人物の心情にあれこれ思いを巡らせることが好きなので、役を憑依させたかのような芝居ができるゆっくんさんに時枝三四郎きっかけでガツンとハマったのは必然といえます。しかもこれを当時18歳が演じてるっていうんだから、もうこの人の才能がこわい_:(´ཀ`」∠):_


あとこれは早天共通なのですが、三四郎さんはギャグ女装パートがあるのでそういうのが好きな方にもとてもオススメします。ゆっくんさんが血管キレそうな勢いでツッコミ入れまくったり、実兄の太一さんに色々無茶なことされているところとかも見られます。




【天バージョン見どころ】

時枝三四郎の《カタワレ》風祭ジョーを演じているのが天バージョンです。ジョーはまさしく『劇団朱雀の狂犬』と呼ばれたゆっくんさんの本領発揮、野生の獣、狂犬(ネコ科)。お馴染みの激しく荒々しい殺陣に加えて、派手なアクションを含んだ立ち回りが見られるのが天バージョンです。ジョーの殺陣はゆっくんさんが、三四郎の殺陣は天野くんがそれぞれつけたそうで、そういった意味ではジョーを演じている時の動きがゆっくんさん自身から自然と湧き出ているものに感じられるのも納得です。
また、大衆演劇特有の、大きく抑揚をつけた独特の台詞回しが多く見られるのもゆっくんさんのジョーの大きな特徴です。死に体になるとぎゅるんと寄り目になって白目を剥くというゆっくんさんのお芝居で割とお馴染みの演技があるのですが、これを見ることができるのもオレカタではジョーだけです。


「俺、ゲスな男できます。俺のジョーは自分のためだけに生きている男にさせてください。」と本人から演出家への進言により、ゆっくんさんのジョーは早バージョンで天野くんが演じたジョーや、台本から読み取れるジョーの印象とは方向性がだいぶ違っています。ゆっくんさん自身がどちらかといえばジョーの気質に近いこともあってか、本編内の劇中劇に至ってもなお地続きに役者・風祭ジョーという人物を感じられるその一貫性は、早バージョンの時枝三四郎とは異なる観点ながら『そこに生きている人間』を見せる芝居が出来る人だという印象をより強くさせてくれます。


早天は同じ役であっても天野くんとはビジュアルが異なっていますが、特にゆっくんさんのジョーはビジュアルがすごくジョニデみ溢れていてちょっと面白いです。ゆっくんさんジョニーデップ好きでしたよねそういえば。演技のみならず、こういった細かいディテールを比較して見るのも、ダブルキャスト体制の作品ならではの見どころです。




【あらすじからの疑問2:カタワレって?】

これも本編で語られる部分なので、割愛してもらっても全く構いません。先へどうぞ。
本編を見れば分かるのに、なぜわざわざ話題に挙げるのか?といえば、この概念に心惹かれる層が間違いなく、間違いなくいるはずだからです。一部界隈に通用する類語を挙げるとしたら《シンメ》でしょうか。


《カタワレ》は、本編中で三四郎の母・美鈴が語るおとぎ話です。

人間は元々、2人で1匹の生き物だった。
その生き物は月に住んでいて、とても幸せに暮らしていた。
1人分の体しかなかった神さまがヤキモチを焼いて、2つに引き裂いて地球に落とした。
人間は常に、片方の靴だけみたいにバランスの悪い生き物になってしまった。
みんなもう一方のカタワレを探して生きている。

『知らないうちにそのカタワレがやってきて、おまえの生きる道を教えてくれる』と三四郎に語る美鈴にとってのカタワレは、三四郎の父である一二郎だといいます。では、三四郎にとってのカタワレとは彼女や恋人のことを指すのか。美鈴の答えは「いいえ」でした。


ゆっくんさんと天野くんはこの《カタワレ》についてパンフレットインタビュー当時は、『友達でもなく、愛している人でもない、それを越えたもの』と考えたそうです。明確な答えのない《カタワレ》とはなにか、に思いを巡らせるのもオレカタの見どころの一つであると私は考えています。




【で、どうやって入手できるの?】

2016年現在、オレノカタワレDVDは以下の方法で入手できます。

1.劇団白虎公演物販(難易度:高)
劇団白虎は、実在する大衆劇団です。劇団朱雀の座長であった葵陽之介さんが現在公演に参加していることや、時たまゆっくんさんもゲストで出演することもあるため、物販にて取り扱っています。
とはいえ、大衆演劇に足を運ぶ習慣がない方にはちょっとハードルが高めです。
→(なんと白虎さんの物販紹介に出てこなかったという噂が……もしかしたらゆっくんさんゲスト時にしかご紹介されないのかも…?)(2016/9/28追記)


2.30-DELUX通販(難易度:中)
じゃあちょっと通販してみようかな、とオレノカタワレで調べてみると、公式特設サイトのトップに主張する『公演DVD受付は終了しました』の文字。非情すぎる。
ところが、30-DELUXさんは個別で問い合わせをした場合に限り、在庫があればDVD・パンフレット・台本・サントラCD等を通販してくださいます。やさしい隠れコマンドだ!

『≪公演タイトル≫のDVD(台本・サントラCD)について購入させていただきたいのですが、通販等の対応をしていただくことは可能ですか?』みたいな感じで下記フォームからメールを送るといい感じに返信をいただけます。
お問い合わせフォーム

とはいえ、公演期間や最新作DVD発送時期と重なると発送まではしばらく時間がかかります。今のところ最長で問い合わせから1か月ほどでお手元に届いたとの話を聞いています。


3.30-DELUX公演物販(難易度:低)
というわけでオススメはこれです。
30-DELUXさんは公演物販にて、過去作品のグッズも取り扱っています。台本やサントラCD、パンフレットの持ち込みについては残念ながら確認できていませんが、DVDについては間違いなく持ち込んでくれています。


では30-DELUXさんの次回公演は、というと?この記事を書いてる今まさに、公演中の東京公演を皮切りに愛知・福岡・大阪公演が控えているではありませんか。これがゆっくんさん入門のススメ第一弾としてオレカタを選んだ最大の理由です。今まで語ってきたことももちろん嘘ではありませんが、何事もタイミングが肝心です。

【新版・国性爺合戦
東京:09/14~09/18 シアター1010
愛知:09/24~09/25 東海市芸術劇場
福岡:09/30     福岡市民会館
大阪:10/14~10/16  シアター・ドラマシティ

つむ鴨と絶妙に公演場所がかぶってないところが残念ですが、もしお近くで公演があるなぁという方はこの機会をぜひご活用いただければと思います。
→(公演会場、または杉田劇場にてお買い求めいただけた方何人かいらっしゃるようで良かったです。現在の最有力は通販ですのでそちらをどうぞ!)(2016/10/24追記)




【結びに】

ダイマどころか、いかに私がこの作品に思い入れているかダダ漏れの記事となりました。
反省はしていないどころか語りたいことはまだ山のようにある。大好きすぎてピンポイントに繰り返して見てる劇中劇『幕末疾風伝』のこととか、オマージュ元と思われる新・幕末純情伝に2014年当時ゆっくんさんが出演していたこととか。
この辺りの話はまたどこかで機会があれば書きます。

とにもかくにも、この記事がゆっくんさんの過去出演作に興味を持った方のお役に立てれば幸いです。
第二弾以降はまったく未定ですが、他の役者さんよりも出演作DVDを手に入れよう!と思っても、特定のところでしか購入できないDVDがちらほらある方なので、その辺りを中心にご案内できればいいかなぁと思っています。
作品と購入可能場所についてまとめてくださっている方がいるので、よければご参考にどうぞ→早乙女友貴さん出演作DVD情報(2016年8月現在) - Privatter
それでは、ご覧いただきありがとうございました。