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愛より重くて恋より軽い

たぶん三日坊主ならマシなほう

どうしても『瞑るおおかみ黒き鴨』を観てほしいので予習用まとめを書いてみた

布教

【この記事は】

東京・天王洲銀河劇場にて絶賛公演中の舞台『瞑るおおかみ黒き鴨』も折り返しを過ぎましたところで、大阪・北九州公演も控えているこの作品にどうにかもっとお客さんを呼びたい私が、ややこしいとの声が挙がる相関図とかに補足説明をやいやいしながら観に来てくれ!と主張する場所です。




【瞑るおおかみ黒き鴨(通称:つむ鴨)とは?】

2015年9月~10月に公演された
『武士白虎 もののふ白き虎〜幕末、「誠」に憧れ、白虎と呼ばれた若者達〜(通称:もふ虎)』
(舞台「武士白虎~もののふ白き虎~」公式ホームページ / キャスト紹介やチケット情報など)
から始まる、舞台「もののふシリーズ」の第2弾として2016年9月に東京・大阪・北九州にて公演されている作品です。(現在東京公演中!)

以下、公式サイト(舞台「瞑るおおかみ黒き鴨」オフィシャルホームページ/「もののふシリーズ」第2弾 2016年9月上演)よりあらすじ抜粋。

1868年-明治政府設立
時代は新たな局面を迎えようとしていた・・・
戊辰戦争を乗り越え、新しい時代に群れの始まりを思う狼・斎藤一

時代の英傑 西郷隆盛
そしてもう一人の英傑 大久保利通
心のすれ違いは、明治政府 対 薩摩藩の日本最大の内戦へと発展していく―

かつての仇敵、山縣有朋の指揮の元
抜刀隊として新たな戦乱に身を投じることとなる斎藤一

そして西南の地で、人斬りは人斬りに出会う
幕末に人斬りの異名を冠する男・中村半次郎

新撰組三番隊隊長・斎藤一

捨てられた狼の
「冬」という時代を乗り越える物語である


続編ではなくシリーズ第2弾と銘打たれてあり、作・演出家の西田さんも「初めて観る方でも充分楽しめます」と言っております。

が。体感的に毎公演客席の1/3〜半分くらいが前作を観ているようで、思い入れのあまり本筋の泣きシーン外でも泣きまくる現象が多発。
初めて観る方を若干置いていってる感じがあります。
かくいう私も泣きまくってる一人なんだ、すまない。

ですがこのシリーズ、製作に東映とテレ朝が噛んでるおかげか、一部TSUTAYAでレンタルができるので、もし観劇までにお時間ある方はもふ虎を観てもらえるとより話に入り込めるかなぁと思います。

とはいえそんな時間ないよ、近くのTSUTAYAにないよ、という方もいると思います。少しでもその置いていかれる感が減ったら嬉しいなぁということで、以下、相関図とか名前だけしか出てこない前作の登場人物について補足したいとおもいます。
ちなみに円盤はつむ鴨の劇場でも売ってるからよろしくね!




【登場人物相関図】

気付いたら公式サイトに解説画像が上がっていたので、まずはこちらも引用してみます。



これ分かります?
私は典型的な『戊辰までしか興味がない新撰組だいすきなんちゃって幕末おたく』なのでこの辺りの史実に全く明るくなく、観劇前にちょこっと見て、早々に理解を放棄しました。
多分観れば分かるだろって思ったんだ。


ざっくり言うと、徳川幕府を倒し、明治政府の中核となった薩摩藩の大久保さんと西郷さんが、征韓論(せいかんろん)という政策をめぐって仲違い。
薩摩藩士の大半が西郷さんについたため、『明治政府vs薩摩藩』の対立が、国内最後の内乱、西南戦争(@熊本/田原坂)となる。
この明治政府側には、かつて徳川幕府側として薩摩藩と戦った会津藩新撰組の面々も参加。
会津藩新撰組vs薩摩藩』の対立であった戊辰戦争(@仙台/会津/五稜郭)の記憶を同時に追う、時代の変わり目を生きた男たちの物語が、舞台「瞑るおおかみ黒き鴨」である。


あまりにざっくりしすぎて歴史クラスタを憤死させてしまいそうだ。
一応つむ鴨の物語を追うだけならこれくらいで十分かな、と思います。
戦地についてはつむ鴨で登場する場所を書いてます。他にもちょこちょこ出てくるけど割愛して大丈夫たぶん。

相関図にいるのに触れてない長州藩についてですが、歴史苦手な人でも知ってる(はず)坂本龍馬が橋渡しとなった薩長同盟後も薩摩・土佐と長州はバチバチしていて、戊辰戦争中もいつでも敵に戻るぞやんのかこのやろう、という感じでした。
つむ鴨では唯一の長州藩として登場する山縣さんがその辺りを一手に担ってくれているのですが、便宜上(読みづらくなるから)割愛したのでさっきの解説は心の目で「薩摩藩(と長州藩土佐藩他)」と読んでください。

歴史に詳しい方からは『何故このメンツ・この話で◯◯がいない?』という声も挙がりますよねそうですよね。
前作もそうだったんです。
もののふシリーズは歴史モノとはいえ、あくまで創作・フィクションなので、史実における複数人の役割が一人に集約されている部分があります(前述の山縣さんがまさにそう)。
各年齢設定なども史実とは異なりますので、あくまでつむ鴨の登場人物として見てあげてくださいなにとぞなにとぞ。

というかこのシリーズに限らず西田さんの舞台って、史実に照らし合わせると
『作品の文脈的に死んだっぽいやつは史実だと生きてる。でもよくよく考えたら死んだシーン出てないし、死んだとも言われてない。明言してない以上、嘘は言ってない。
みたいな矛盾とか相違もたくさんあって、そこを忠実に描くより物語として成立させるためのカタルシスを優先する人なんですよね。
私はこのスタンスがすごく好きで、前作のもふ虎も興味持って史実調べると違うところがあるんだな〜と思った層なので、歴クラの皆さんはつむ鴨きっかけで自軍に興味持った人たちをこれ幸いと囲いにきてくれたら嬉しいです。





【人物紹介】

基本的には劇中で出てくる名称や関係性について、物語の主軸とあまり関係ないけど知識ゼロだとそこが大事なのかも?と躓いて話に置いていかれる、ということを防ぐための補足説明です。
引き続き歴史クラスタを憤死させてしまいそうなので、詳細が気になったところは調べてみてください!
私は薩長に全然詳しくないから調べたよ!
クレジット順ではなく、戊辰戦争時の所属に合わせてご紹介していきます。


新撰組

新撰組斎藤一/藤田五郎(演:青木玄徳)

「瞑るおおかみ黒き鴨」の主人公、斎藤さんは前作もふ虎から引き続きのご出演。
藤田五郎は明治になって改名した名前です。
戊辰戦争では会津藩の面々と共に新政府軍(薩摩藩他)と戦っていますが、西南戦争ではその敵であった大久保さん率いる明治政府の下で、西郷さん率いる薩摩軍と戦います。
上司にあたる新撰組副長・土方さんに顎で使われて不満を漏らしたり、部下にあたる島田くんに信念が見えないと言われたり、上とも下とも反目し合っている人ですが、その冷徹さと剣の腕を買われて新撰組内部の粛清を数多く行うなど、人斬りの異名を持っています。


新撰組土方歳三(演:荒木宏文)

斎藤さんの上司こと新撰組副長、土方さんも、もふ虎から引き続きのご出演。
「鬼の土方」との異名で恐れられ、時間を追うごとに戦地を北へと移し続けた戊辰戦争の最後の地、箱館(函館)・五稜郭にて敵の銃弾を受け、戦死します。
もふ虎の主人公であった白虎隊の面々は新撰組、特にこの土方さんに憧れ、いつか名前を覚えてもらいたい!と意気込んでいました。
土方さんに名前を覚えてもらいたいヤツは新撰組にもごまんといる、とはもふ虎の斎藤さん談。
新撰組の局長といえば近藤勇ですが、近藤さんの死後は土方さんが局長と呼ばれます。


新撰組島田魁(演:林田航平)

新撰組隊士、島田くんも土方さんの命を受けて新撰組隊士の粛清にあたっていた人。
戊辰戦争箱館まで戦った後、土方さんを始めとする新撰組隊士への念仏を欠かさなかった等、とても忠義に厚い人であるため、飄々としていて土方さんを揶揄することもある斎藤さんと反目し合います。



会津藩

会津藩松平容保(演:村田洋二郎)

戊辰戦争の戦地の一つ、会津の藩主、容保様は徳川幕府から京都守護職という役職を受けたことで新撰組を配下に置いた、簡単に言うと新撰組の上司にあたる組織のえらい人です。
狼(=新撰組)に負けない組織を作るぞ!という容保様の命から生まれたのが白虎隊
人情に厚いお殿様で、会津の民はみんな容保様がだいすき。

つむ鴨で名前だけ登場する頼母(たのも)様は容保様の部下で白虎隊の育ての親/先生的な人
京都守護職なんて受けたら政局に巻き込まれるでしょう!って容保様に反対したら役職を解雇されたりもしたけど、土方さんと箱館まで戊辰戦争を戦った会津愛の強い頑固親父。
詳しくはもふ虎をご覧ください。

会津藩佐川官兵衛(演:鈴木勝吾)

会津藩士として戊辰戦争を戦ったのち、斎藤さんと同じく西南戦争を明治政府の下で戦う佐川さんは「鬼の官兵衛」「鬼佐川」と呼ばれた武勇に秀でた人。
佐川さんは白虎隊に剣を教えていたようで、名前の挙がる「儀三郎(ぎさぶろう)」「悌次郎(ていじろう)」「貞吉(さだきち)」「茂太郎(もたろう/正しい読み方としてはしげたろう)」はみんなもふ虎に出てくる白虎隊の子達です。
ぶっきらぼうなところもありながら教え上手だったり、戦の最中では刀と同じくらいの割合で拳が出る辺りが前述の頼母様とよく似ていて、もふ虎クラスタ的にはああこの人会津の民だなぁと感じます。
黒髪ポニテと髭という出で立ちは事前ビジュアルと異なるので注意して見てね。


会津藩山川浩(演:早乙女友貴)

会津藩士として戊辰戦争を戦い、明治政府の下で西南戦争に参加する山川は「恵山」と呼ばれ、佐川さんとならんで会津の二川とも呼ばれた人。
すぐ熱くなる佐川さんを窘めることもあり冷静な男に見えますが、この人も会津の民なので例外なく血気盛んな一面を持っています。
つむ鴨では知将としてのエピソードが出てきませんが、殺陣シーンは西田さん演出の知略戦の暗喩、と受け取ってもらえるとその聡明さが伝わるはずです。
(中の人が推しなので少しだけ贔屓させて)
事前ビジュアルは目も覚めるような銀髪ですが、本編は黒髪ショートなのでこちらもご注意ください。


会津藩・山川さき/捨松(演:山谷花純)

山川の妹、さきちゃんは明治以降に改名して捨松という名前になります。
つむ鴨では唯一の女性ですが、戊辰戦争で容保様・山川さん・佐川さんらと若松城に籠城した際には、着弾した不発弾に濡れた布団をかぶせて炸裂を防ぐ「焼玉押さえ」という危険な作業を手伝うなど、会津の民として戦っていました。
淑女らしい洋装姿はオープニングでのみ登場するのでお見逃しなく。



薩摩藩

薩摩藩中村半次郎/桐野利秋(演:松田凌)

戊辰戦争にて新政府軍として会津藩と戦った半次郎は、西南戦争では西郷さんについて薩摩軍として明治政府と対立します。
人斬り半次郎と呼ばれた剣の腕前を持つ一方で、書道やフランス香水を嗜む洒落者としても有名であり、死後の遺体からも香水の匂いがしたといわれています。
この人の雅号(≒ペンネーム)が「鴨瞑」であることからも、つむ鴨では裏主人公と呼べる立ち位置の人です。
事前ビジュアルとは違う、ゆるくウェーブのかかった長い黒髪も洒落者らしさがあります。


薩摩藩別府晋介(演:伊崎龍次郎)

半次郎の従兄弟にあたる晋介もまた、新政府軍として戊辰戦争を戦い、西南戦争では薩摩軍につきます。
従兄弟でありながら実の兄弟以上に仲が良かったという半次郎とのやりとりに見られる弟感がとても愛らしいですが、つむ鴨では全編を通してを用いたダイナミックな殺陣が目を惹きます。


薩摩藩村田新八(演:斉藤秀翼)

半次郎、晋介同様、西南戦争で薩摩軍として戦った新八は美術や音楽を好み、西南戦争中も常に風琴、つまりアコーディオンを持ち歩いていたといいます。
また、シルクハットフロックコートという出で立ちで戦っていたという話もあり、この姿はつむ鴨でも登場します。
幼少期から西郷さんを兄のように慕っていたという新八が主に使う呼称がせごにいです。


薩摩藩大山巌(演:佐伯大地)

今回の登場人物の中で、対立の中心となった大久保さんを除いて唯一、明治政府について西南戦争を戦った薩摩藩です。
戊辰戦争において新式銃隊を率いていた大山は西南戦争でも砲隊司令官でしたが、対立する西郷さんの従兄弟でもありました。
日本の国歌である君が代の歌詞は読み人知らずの和歌を引用していますが、これを歌詞に選んだのが大山です。
明治以降、ジュネーブへ留学していたこともあってかなりの西洋かぶれだったようです。


薩摩藩西郷隆盛(演:長友光弘・響)

戊辰戦争にて新政府軍として戦った薩摩藩の中心人物。明治以降、征韓論を巡って大久保さんと対立し、西南戦争では多くの元薩摩藩士を率いて薩摩軍としてかつての同士もいる明治政府と対立します。
西郷どん、鹿児島弁読みでせごどんの愛称で親しまれており、つむ鴨でも多くの薩摩藩士に呼ばれています。
人を惹きつける魅力を存分に感じられる西郷さんですが、お笑いに疎い人は「響 ミツコ」で軽くググって予習してあげてね٩( 'ω' )و


薩摩藩大久保利通(演:大澄賢也)

薩摩藩士にして明治政府の中央集権体制確立を行った明治政府のすごくてえらい人
征韓論を巡って西郷さんと対立しますが、西南戦争後に西郷さんの伝記執筆を依頼するなど仲が悪かったわけではない様子。
趣味が囲碁で、負けると怒鳴り散らすことはないが不機嫌になるような人だったとか。



長州藩

長州藩山縣有朋/狂介(演:内海光司)

戊辰戦争には長州藩士として参加、西南戦争では明治政府側に立つ日本陸軍の基礎を作った人。
元々は身分の低い人でしたが、高杉晋作の作った奇兵隊に身分を問わない有能な人材として登用されたことで、歴史の表舞台に出てきた人です。
つむ鴨には登場しない長州藩士の逸話や特徴を内包しているようで、私の近辺の歴史クラスタさんから長州擬人化と呼ばれております。




【つむ鴨公演情報】

東京・大阪・北九州で上演される日程はこちら。

東京:9/01〜9/11 天王洲銀河劇場
大阪:9/19〜9/20 森ノ宮ピロティホール
北九州:9/22 北九州芸術劇場大ホール

9/22の大千秋楽は千秋楽スペシャル公演となることが公式アナウンスされています。
西田さん演出舞台では珍しいことではなく、むしろ事前にアナウンスされていることの方が珍しいのでさすがにチケットの売れ行きがアレなんだと思う。
東京公演のアフタートークでは、もふ虎が愛されてつむ鴨が生まれたように、この作品が愛してもらえれば次とか……今回名前しか出てこなかった人たちとか…というお話が出ているので、自軍登場を願うクラスタ各位がんばりましょう。
北九州はさすがに無理!という人でもアンケートDVDの会場予約で数の力を示そう٩( 'ω' )و




【結びに】

話の構成自体は現在→過去→大過去→(以下ループ)→現在というそんなに珍しくもない構成であるものの、知識の穴埋めに意識を持っていかれるのはもったいないな、と思ってまとめてみましたが、少しはお役に立てたでしょうか。
再三、歴史クラスタを憤死させてしまうかもとビクビクしていますが、それくらい思い入れが生まれるような色濃い人生を送っている人達を知るのが歴史の面白いところだとも思います。
ここ説明足りてないよ!!!というところがあったらぜひ各自で補完してください。
中の人まとめとかもいいよね!推しをよろしくしたいね!


書き始めた時は個人的な各キャラの感想とかみどころも書こうと思っていましたが、東京公演千秋楽を迎える前に記事を上げようと思ったら時間が無さすぎました。
そちらは東京公演終了後に書けたらいいな。