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『あずみ〜戦国編』感想まとめその3

すっかり放置してたというか、翌週に別作品の千秋楽とかいう訳の分からないスケジュールを推しさん共々こなしていたら触る余裕がなかった美女丸定点まとめ3週目。いつものことながら、日を重ねるごとに独自解釈遊びに耽っていくおたくは楽しそうだなぁと思います。

 

 

 

 

 

【11/25】
今日初めて美女丸の右目がお久しぶり登場のアイテープだったのを確認してしまいました( 'ω' )つむ鴨山川は日によって違ってたので、やっぱり美女丸のビジュアルにはこだわってるんだなぁ……カテコの下駄履き替えもあってびっくりしました。もうないものかと思っていたきまぐれお着替え。

20日にちょっと感じた対4人殺陣、やっぱり手加減してなかったというか誰が相手でもしっかり振り下ろしていて、どんどん見映えに拍車がかかってるなぁ速いなぁとしみじみしてしまいました。そして元気\ポンッポンッ/

大阪城で、待ってるよ」の階段上がっていく前にあずみとうきはに向かってにっこり口角上げて笑う美女丸さんかわいくて困る。あまぎへの「あの子みたいにね」もひゅうがへの「アンタ♡」も伏し目がちになった時の美しさを堪能できる下手席は素晴らしいなぁと思ってたんだけど、あの笑う顔だけは『かわいい』って言葉の方が合っていて、美女丸も子どもと大人の境にいるんだなぁって感じる。

「そうやって…ッ、……生きてきたんだよ、俺も、あんたもね」の息飲んだ後の言葉に今までみたいな分かりやすく泣き出しそうな感情が乗っていなくて、すごくフラットだった。それは聞いた人間に色濃く憐憫の情を抱かせるような想像を掻き立てる類の響きだったのかもしれないけど(ここの解釈違いでひとしきり論争になった)美女丸とあずみの生き方は当人達からしたら可哀想なものじゃなく、それぞれが生きてきた歩みなんだって感じがあってすごく好きだった。あらゆる台詞回しが大仰な美女丸がぽつん、と見せるリアルな生

今日が今まで見てた中では一番男⇔女、大人⇔子どもの枠の中をふらふらしまくってるように感じられて、加えてテンションも高かったので最高だ!って感じてたんですが、人間なんだけど何者とも形容しがたい気持ち悪さ、みたいな感覚の擬人化がオダジョ美女丸なのかなぁと今更見た映画あずみを思い出してました。

今日のあずみとあまぎは前髪とサイド残して尻尾ついてる髪型がお揃いで、大阪城のシーンで並んで座ってる後ろ姿が兄妹みたいだった(*´◡` )( ´◡`*)

ひゅうが「ヤフオクでチケット買ったやつかもしれないぞ!
あずみ「それでもオレはこの人を信じるよ!うきはも…」
うきは「仕方ないな…」
あずみ「どうせうきはのファンだよきっと…( ◜◡◝ )
うきは「!?俺の命は諦めて、真っ当に生きろ!」
連日あずみにとって最前列センターブロックはうきはファンの場所で、うきはばっかり見てるし……とか言うと、あまぎひゅうがが俺のファンかもしれないだろ!配慮しろ!とか言ってるこのくだりすごい好き。

あと今日のあずみは二幕ずーっとぽろぽろ泣いてても〜〜〜〜〜〜〜〜かわいいヽ(;▽;)ノよちよちヽ(;▽;)ノってなってしまい、私はほんとうにひよこみたいな幼児のりっちゃんがすきだなぁと………

ぽろぽろぽろぽろ泣いてる赤ちゃんみたいな顔したりっちゃんの後ろに桜が咲いてたらもうほんと申し訳ないんですけど北九州思い出しちゃって、生きてみますよ!って言って………ヽ(;▽;)ノって心が飛んでいきました。 ただし桜の花びらが落ちてきた瞬間はヤイサが始まる。

 

 

 

【11/26昼】
映画あずみを見て。
すっっっっっっごいわかる!!!!!!ってなったんですけど、それは単純に似てるとかそういうことではなくて、まずそもそも早乙女友貴という役者が演じるものは絶対に浮世離れした存在にはならないんですよ。どんな深淵を前にしても、あるいはそれを己の内に抱えていても、その深みにハマって身動きが取れなくなるくらい常に地に足がついている。その中で進もうとしてる方向性の指針が原初風景として存在するオダジョ美女丸なんだなということをひしひしと感じました。

こんなに鮮烈で明確な原初風景があって、ビジュアルもそこに寄せていってるにも関わらず、芝居としては一切揺れることなく早乙女友貴の作り上げたキャラクターになっていることがすごい。役者として当たり前のことなのかもしれないけど、それでもやっぱりあの人をすごいと思う。ビジュアル作りと芝居作りがそれぞれ別ベクトルの土台で走ってるのに融合してる。なにこれすごい。

今回、美女丸を演じる上でゆっくんさんお得意のいつものバックボーン作りには少なからず原作美女丸の要素があるのだろうとは思っていたし、実際あると感じているのだけれど、あれだけ人間臭い芝居を得意とする役者がその人間の幅の中で最大限に表現を揺れ動かしながら表現しようとしている異質さの正体がこれなんだなって、オダジョ美女丸見た瞬間的すごく腑に落ちた。わーーーーーーほんとにやりたかったんだなぁ美女丸。

そんな映画視聴後、一発目の美女丸さんまさかのお化粧ギアチェンジ。左目の大きさ違ってたのでおそらく奥二重で、両目の下アイラインを黒目辺りから頬へグラデーションで伸ばすようなお化粧。右目だけ特に長くて、涙の跡みたいでした。日々ちょっとずつ違ってた目頭アイラインも完全に消失してたんですが早急に写メをいただきたい……文字では表現できない…(※昼公演後、ぜんぜん参考にならない写メがついったーにきました。違うそうじゃない)

あと今日はちゃんと確認したので確信を持って言いますが、美女丸さんの口紅青みピンクでした。もちろん赤い日もあるので、気まぐれお色直しの一環なんだと思うのですが、お芝居から受ける印象との法則性とか振り返ってみたかったなぁ。色選び自体はご本人の気まぐれだろうけど、その色を塗った自分の姿を見ることで感じる印象は客席同様に違うんじゃないかなぁなんて思ったり。たとえば今日に限って言えば、男寄り・大人寄りだったので、一見おどろおどろしい目元と赤より白塗りに馴染んで可愛らしさのあるピンクの唇、というお化粧のちぐはぐさが美女丸から受けるちぐはぐな印象をより際立たせてました。

とても文字にしづらいんですけど「ゾク!ゾク!してきちゃったァ…」って感じだったので、これが聞いてたバージョン違いかな?と思ってたらそうではないらしく。今までとは全く異なる響きがあって、うまく表現できないんだけどあそこだけ単一で別ベクトルのエクスタシーを感じた気がします。

前後の流れを完全に失念してしまいましたが、唐突な振りを受けて「殿の、好みの、絶世の、美女を、」とつっかえつっかえ喋る勘兵衛さまが可愛すぎてうっかり恋に落ちるレベルです

人変わりの術!堺正章!でどう見ても通じてないっぽかったりっちゃんは、またの名をマチャアキ!ってヒント追加されても分からず、村人に助けを求める( ◜◡◝ )チェンジ有りだぞ、というまさかの展開の後も田村正和!と振られた瞬間もう隠すこともなく堂々と村人に助け求めて教えてもらってました。あずみはかわいいなあ。

うきははレディガガ「肉のドレス( 'ω' )」→モーガン・フリーマン(だったかな?)で難易度が高すぎる人変わり。肉のドレス出てきた時点でわりとオッケーな感じがしましたが、それでもチェンジ求めて再チャレンジするうきはえらい。

今日のうきははすごく感情剥き出しで強い人物だったんだけど、そのおかげで昨日はずーっと泣いてたあずみがうきはのその強さをもらって刀を振ってるように思えて、相乗効果での映りの良さがすごかった。昨日のあずみは心は少女なのに刀を振る体は修羅で、完全に心身が乖離した強さに見えたけど、今日のあずみは周りの人たちの強さを取り込んで強くなっていくあずみだった。

うきはの台詞で初日からどうしても脚本としては間違ってないんだけど個人的好みとして好きじゃない台詞があったんだけど、今日の泣き虫なあずみを生かすために鼓舞するうきは見て初めてあの台詞が好きになれた。うきはカッコいいなぁ。

秀頼さますっごくいいよ〜〜〜〜〜〜台詞回しのバリエーションが豊富すぎて普通にいい役者だよ〜〜〜〜(今日の小園くんをほめるコーナー)

マチネ秀頼さまの一番よかったところはあずみを逃がしてやるくだりでいつもあずみのことを思い出す、って話す声が本当に柔らかくて優しくて、一幕のわがままなバカ殿然とした時には見えなかった人を慈しむ心を感じて、秀頼さまに命をくれたのはうきはに命をもらったあずみなんだなぁ…ってすごく感じました。

 

 

 

【11/26夜】
ソワレ美女丸さんはマチソワ間で寝てたそうなのでとても元気でしたね( ´◡`*)お化粧は右目のラインが更に伸びてて、ますます涙のようでした。黒い涙を流す性別不詳のサイコパス剣士、ってあまりに設定盛りすぎではないでしょうか。だいすきです。

ベースは男寄りなんだけど人を斬る瞬間に女に寄っていく感じがすごく好きで、高音はやっぱりソワレの方がよく出る印象。よくよく考えたらマチソワ日にマチネ見るのは今日が初めてでした。なぜなら私がマチネの時間に起きるのがしんどい人なので。

人を斬った時の快感が美女丸の性別を女に揺らすんだな、っていうのは今日のマチソワ共通の感想なんだけど、初日からの流れを見てると、人間の範疇を越えるギリギリをコーナリングして走り続けてるゆっくんさんの美女丸はマチネのあの瞬間(「ゾク!ゾク!してきちゃったァ…」)に感じたのはそのハンドルを取られてブレたような印象の異質さだった。と反芻。

マチネでvsあずみの時に歯を見せて笑ってたのが、ソワレはvs4人のところでも笑ってて、全体的に明日の大楽成仏へ向けての覚醒間近感がありました。

今日のソワレ秀頼さまというか小園くんの台詞がすっ飛んだことにめちゃくちゃ震えたんだけど、それはあまりに秀頼さまの感情とその停止がリンクしすぎていて、初見だったらすっ飛んだことが分からないまま速度を上げ続けていた芝居の流れがぴたり、と止まったことだけ感じられただろうなというところで。初日から芝居の速度が安定してるりっちゃんは昨日のぽろぽろ泣き続ける二幕を経てから明らかに全体の熱量が上がってきていて、勘兵衛殿やうきはの熱量はあすみのそれに呼応していて、美女丸はもう独自に覚醒前夜を迎えていて、という中で、その速度を美しくぴたりと止めるだけであんなに劇的な演出効果を生むのか、という感覚がたまらなかった。

もちろん見方によっては事故寸前というかほぼ事故だったかもだけど、日々回を重ねるごとに成長が止まらなくなっていく彼が、良くも悪くもな側面のある演出が意図するあの速度に完全に乗っているところも見せ始めていたこのタイミングで、ああいうことを起こす危うさがたまらなく好きだと思ったし、好きだと思ったことを私感としてすごく趣味が悪いな、と感じた。

未完であるものを愛おしく感じたり、完成を迎えるいつかに想いを馳せることを悪趣味だとは思わないんだけど、瞬間的に私に去来した感情は意図されず生み出された劇的演出に対してではなく、限りなく事故ギリギリをすり抜けていったなという感触に対してだったから。本当に!こいつ!この!悪趣味野郎め!(自戒

 

 

 

【11/27昼】
昨日と同じお化粧の美女丸さん(右目のラインちょっと長めだったかな?)なんかもう細かいことどうこうではなくめちゃくちゃ良くて、もう私これが千秋楽でもいい…!!!ってなってたら創さんナレ始まってほんとに千秋楽かと錯覚しました

やはり最終形態:下駄……(未遂) 登場の瞬間、下駄きたーーーーーーーー!ってテンション爆上げでしたが祭の夜から雪駄に戻ってたので未遂でした。

ゾクゾク〜は昨日のマチネと同じ感じ。昨日の効果もあって、テンションが上がってくる予兆という感じがすごく好きです。ブレーキなしのハイスピード。

「おれも、あんたもね、」って呟いた瞬間の美女丸がそのビジュアルに反してなんの飾りも誇張もない人間に見えたことがすごく美しくて、一昨日からのあずみが泣き虫な少女という明示的な人間を表していたわずかな間だけ、鏡合わせである美女丸は人間の範疇を超えて化け物になりかけていたんだなぁって感じて、この2人がほんとうにとても愛しい。

りっちゃんの尻尾はいつから消えてしまっていたのだろうヽ(;▽;)ノ一幕ラストで気づいたらなかった。秀頼さまの兜(とても色々乗ってる)からなにかが落ちたのを、爺に使命下されるときにぱっと手をついて隠して回収してハケるりっちゃんはほんとうによく舞台上を見てるなぁ、と思ってたので、もしかしたらラストの登場時にはもうなかったのかもしれない。

人変わり。ルパン三世「ふ〜じこちゃ〜ん」はなかなかのクオリティだったのに高速で死ぬあずみ( 'ω' )チェンジ求めつつ村人に「( `ω´)و グッ」って励まされてるのめっちゃ可愛かった笑 続いての出川哲郎「ヤバイヨヤバイヨ」したら影武者のくだりでひゅうがもぶっこんできてほんとうにできる子だなぁきみは!

大阪城の二郎のターンで後ろでにこにこ( ´◡`*)って感じにフツーに笑ってる勘兵衛殿というか吉田さんが可愛すぎてもうむりです。三兄弟のところで清正さまに小突かれてるときはしかめっ面してたのに!笑

 

 

 

【11/27夜】
美女丸殿、お美しくなられて……!!!(初日のお化粧に戻った)楽だけ観劇の人にとってはプレーンで、連ステしてる人にとっては逆に目新しくなってるこの感じさすがだなぁと思います。演出力というよりは自己(キャラ)プロデュース力なのだと思ってるので、本人に興味さえあればすごく2.5系と相性いいのになぁとつくづく思う。

大楽のゆっくんさん芝居、満点が何点か最早よく分かんないけどとにかく満点で、美女丸がはけた後もお芝居は続いてるのにしばらく胸がいっぱいで放心してしまいまして。よって記憶がとっても曖昧。お化粧がデフォルトに戻ってとにかくお顔はとっても綺麗だし、台詞回しのトーンは女にも男にも寄るし、高音はガンガン突き抜けてくし、日に日に近くなってたひゅうがちゃんとの距離は完全に頬擦りになってたし、あずみちゃんの手にも頬寄せるし満漢全席でした。はー楽しそうだなあ(あずみ期間中いいお芝居観る度言ってた)

毎回表情ばっかり見てたから手元の細かい仕草をオペラで捉えられたのがまさかの千秋楽だったんですが、人を斬るたび台詞回しの性別が女へ揺れる美女丸が、母として腹の子を庇いながら人を殺す子どもを赦そうとしてるように見えて。妊婦を殺すのは胎内回帰願望なのかな、と初日からぼんやり考えてた身としては回帰しようにも還る先の母を持たない最上美女丸は、自分が母になることで自らの生を肯定するし、自分と同じく修羅を宿したあずみの生も赦して死んでいくんだなぁ。美女丸とあずみは菩薩も含めて鏡合わせなんだなぁって感じたりしたおたく。

自他共に認める早乙女友貴の顔だいすきマンなので、カテコで小園くんが泣いてたらしいことに一切気付かず痛恨のミス…!!!って猛省したんですが、本当に一秒たりとも目を離したくないほど美しい顔をしている人がりっちゃん相手だと板の上でも役がすこーんと抜けるんだな、という稀有な光景を目の当たりにして多幸感に溢れるカテコでした。

スタオベで立ち上がる観客を尻目にさっさと帰ろうとするところも、えっでもまだ座長残ってるし…ってなる下手ハケ組をいいよいいよって手で袖はけさせようとするところも美女丸顔のままだったのに、結局創さんに押し戻されて真ん中に立ってたりっちゃんと目合わせた瞬間、表情がぱちんと切り替わる寸前に本当に美しい女の顔をしていて驚きました。その後すぐ小学生のゆっくんさんとえいちゃん!って感じでわちゃわちゃしてて、幻というより狐に化かされた気分でした。なんだあれ。

 

というゆっくんさんツイと

というりっちゃんツイを見て成仏の儀まで師弟なんだねぇ(*´◡` )( ´◡`*)、というお話で〆ようと思うのですが、個人的には鏡合わせの美女丸ちゃんとあずみちゃんは同じ日に違う眠りにつくんだね…という情感に浸りたいです。おわり!