愛より重くて恋より軽い

たぶん三日坊主ならマシなほう

『髑髏城の七人season鳥』感想まとめその2

前回のを7月分と書いたけど全然嘘だった。ライビュはこっち。とりあえず月髑髏に向けてちゃちゃっとまとめた鳥髑髏の感想その2。お化粧めもが長すぎて唐突に事切れる感想たち。

 

 

 

 

 

【7/31ソワレライビュ】

今日の贋鉄斎ひっどいwwwwwwww贋鉄斎のところだけカメラ寄りまでするのズルくないですか?wwww 完全にライビュ一人勝ちを狙っておられる…

今日の蘭兵衛さん、太夫に優しいというか太夫にだけ『優しくあろうとしてる』って感じの印象が強いなぁ。対太夫の時だけ意識してるのがよく分かる感じの声色の変わり方してる。

ライビュなので長時間アップないとお化粧見るのは難しそうだなぁって思ってるんだけど、天魔の赤ラインはちょっと目尻にかけて膨らむ形になってましたね。たれ目というか、引きで見たときに目の大きさ全然違って見える。

リアル登城だとセンター〜上手にしか座ったことないので、これが下手から見える光景か……ってどきどきした。捨を斬ってるとこでも生駒の頭触ってたのね天魔。

ソワレだったこともあってか、全体的に殺陣はよくカメラついていってるな〜と思ったなぁ。あとはもうブルーレイ用の高いカメラで撮らないとコマ数足りないのは仕方ない。肉眼で見ててもコマ数足りない!!!!ってなるから。

トリプルカテコ、はける時の桃さんの後ろ姿抜かれてましたね( ◜◡◝ )お顔映らなかったのおしかったw 半蔵の名乗りのズッコケ、いつも天蘭見ちゃうからライビュで見られてよかった〜集団でバタバタしてるのかわいい

沙霧のドス効いた声はいいなぁって改めて思った٩( 'ω' )و 鳥の捨と沙霧は未来の相棒!って感じがして、戯曲の後日談がしっくりくるなぁって思う。カテコの2人で同じ動きしてるのとか双子みたいでかわいい( 'ω' )❤︎

太一さんの殺陣はこの先も観られる機会あるとはおもうけど、未來さんの殺陣が観られる機会はなかなか無いんだろうなぁとおもうと本当に…………豊洲にきて………………太一さんと未來さんがやる殺陣は他の誰にも出来ない唯一無二の芸術だから…………

フォロワーの層的にも太一さんの殺陣すごい!って感想がいっぱいまわってくるんだけど、ラストのあれは未來さんが相手じゃないと絶対できないとおもうし、私が鳥髑髏見て一番思ったことって未來さんすごいなぁ……ってことなんですよね。

 

 

 

 

 

【8/10ソワレ(月髑髏発表日)】
もう言われ尽くしてると思うけどあの真実を抱えて迷わず殿のところに行けなかった鳥蘭が天魔の御陵として豊洲に舞い戻って来るのなんつー輪廻だよ。

たいちさん暑いの大っ嫌いだって言ってたし月天魔めちゃくちゃ元気だったらどうしよう。青山播磨様の再来だったら豊洲に住むしかない。

はーーーーー久々に見るらんべさんかっこいい。めちゃくちゃ酔っ払いだし太夫の前で優しくあろうとするわるいおとこだ。しかしこのらんべさんは殿を捨てて拾った命の輪廻の果てに殿の死を見るのだ……

少吉登場で着物ぱたぱたさせながら臭い…ってやってるらんべさん、ほっぺたぷくっと膨らませてふっ、って息吐いてて( 'ω' )そんな息止めなくても……いいじゃない…

一幕、ダブルライン薄めの紫で軽く、黒ラインは上が少し目尻長めで全体的に目が大きくてキリッとした印象。眉頭に入れてるノーズシャドウは今まで見た回で一番しっかり入ってたかも。夢見酒は黒目下から眼球の範囲で描いたライン分かる感じ、右手の人差し指が真っ赤に染まってた方が印象的だった。例の夢見酒のラインを人差し指で描いてるんだと思うけど、いつもは杯握ってたり袖に隠れて見えないのに、今日は指と手のひら半ばくらいまで赤く染まってるのが見えてどきっとしました。

二幕、下は赤ラインではなくシャドウ濃い目に長かった黒ラインを超える長さで目を閉じると少し眼窩の縁まで伸びてた。夢見酒の跡を塗りつぶしたような黒目下が伸びるぼかし。口元は唇の中だけ塗ってて、口の中が真っ赤に見えた。無界あんまり覚えてないけどラストは唇つやつや。

救いの里、って呟く声が今まで見た中で一番柔らかくて、口元も微笑みを浮かべていて、でも心から優しいんじゃなくて天魔によって波風の立った心を色里の優しい主に戻そうとしてる感じがした。今までとちょっとニュアンスが違う。

蘭兵衛さんのお芝居が変わった、って話は二幕の方が顕著に分かった。夢見酒では仮面に頬を寄せるというより、そのまま溶けて一つになることを願うように顔を押し付けてたし、無界では頻繁に眉を寄せて表情が歪んでた。個人的に今まで女達を斬ってることに後悔とか苦しさを感じてるようには見えてなかったんだけど、今日は心が斬ることを苦しんでるのに、体は躊躇うことなく斬りつけて悶えてるような、狂気の在り方が乖離してるように見えた。あと女達と荒武者隊で明らかに差異があって、荒武者隊は斬ることもその血も背徳感みたいなものがないから何度も袖や無界屋の柱で汚物みたいに血や油を拭ってた。

ここからは完全に月発表のせいなんだけど、どちらの蘭であってもあの魂は人斬りに何らかの快楽を見出してしまったがために、本当に欲っしていた、本当は蘭だけが持っていた殿を輪廻の先で失うんだな…って納得してしまえた。あれは、辛くて苦しいことが『たしかに楽しい』んだと思ってしまったんだよ。

今日初めて見たんだけど、炎に包まれる無界屋を見上げて眺めてる時間がすごく長くて、一旦セリフ挟んだあとも眺めてたんだよね。辛くて、苦しくて、でもその事実を受け止めることで蘭の中に芽生えるなにかがあるんだろうなぁって。

贋鉄斎!ごめん!僕にも!僕にも同じ痛みを!って言いながら自分をハンマーで殴って雷の落ちてくる壁に張り付いて落雷を待つ捨
「ジーザスクライストか!劇団四季か!」

 

 

 

 

 

【8/26マチネ】
2週間弱ぶりの登城なんだけどこれまた中身変わってるのか荒いのかどっちだろ。

沙霧に「あんた、何者なんだ…?」って聞かれた時、カッ!って目見開いてるの初めて見て、心臓がヒュッてした。

ラップのとこ、生駒→天魔でリフレインしてるだけでも面白かったのに生駒がなんとか合わせてくれた「「い〜し〜が〜き〜や〜ま〜だ〜」」の後のハイタッチしにくる天魔めちゃくちゃ動き早くて笑った。ぶっ飛んでる。

あと今日の捨、めちゃくちゃカッコよかったヽ(;▽;)ノ痩せちゃってたし話し方もきっぱりしてるしで精悍な顔立ちしてて、同じくほっそりしちゃった沙霧と並んだ時の対比カッコよかったよ〜〜〜〜〜

蘭のお化粧、一幕はダブルラインの紫シャドウも細くて薄めで涙袋幅にもアイラインから続くグレーのシャドウ乗せてて全体的に無彩色の印象強め。二幕でいつものノーズシャドウのところ起点に思いっきり赤ライン、黒のアイラインより長めに跳ねあげてたから一幕とのコントラストが凄まじかった。

夢見酒を杯から流すようになったとは聞いてたけど、ほんとに真っ赤なラインが黒目の下から左の頬を軽くたどって後ろに流れていったんだけど、多分それ仕込んだ後にあの座で焦点の合わない目でもう一度杯に口つけて、唇を濡らすように小さく口開いて夢見酒飲んでたことの方が衝撃すぎた。

今日初めて気付いたんだけど、口説きで殿に頬を寄せてるあれは慕情じゃないんだなって。あれは蘭にとって初めて見る殿の死に顔だったんだ。初めて殿の死を目の当たりにして、8年前に本能寺を去る寸前まで一気に感情が巻き戻ったんだ。ありえたはずの別の道に、蘭はあの瞬間足を踏み出したんだなって。

今日の天蘭、絶対8年前の安土城という名の鈴蘭で殿の寵愛というテッペン争ってた。

蘭なんか荒っぽい?って一幕で思ってたら二幕さらに荒っぽいというか、無界の叫びっぷり凄かったし、天魔も教祖の仮面が外れたら同じくらい叫んでて狂乱の天蘭って感じだった。この2人がこんなに近似値なんだって感じるの、みんな散々言ってたけど体感するの初めてだった。

転生が近いからかな………天魔の激情が蘭に伝播して、蘭の呼応が天魔の叫びを増幅させて、お互いの感情に共鳴してるみたいに見えて、外見の違いなんて些細なことだと思えるくらい、これはどっちの感情なんだろうって思った。こんなの初めて。

前々から気になってた、ラストの「お前」はやっぱり蘭に向いてなくて、多分捨が生きてたことに向いてるんだけど。その後の天を掴めない蘭の言葉を聞いてる時の表情が、今日は自分の立てた計略が悉く瓦解していく音を聞いてるみたいで、あんなに感情が落ちてる天魔の顔見たのも初めてだった。

うまいニュアンスの言葉が見つからないんだよなぁ。叫びというか咆哮?って言ったほうが近いかな。2人とも声の凄み方が全然違ってて、特に天魔はラストの捨とのシーンでそれだったから余計に本物の『人の男』を見た気がした。沙霧が声に凄みきかせるときの響き方に似てたかな。

天魔のお化粧、生え際のところにシェーディングとは別の黒いラインがそのまま編み込みに繋がる形で何本か入ってたんだけど、あれ、殿の骨を接ぎ合わせた形に似ててゾッとした。イグザクトリィ元気だし、蘭との共鳴で殆ど見る影もなかったのに、ラストの「天魔王として死ぬがいい」のとこだけ教祖様だったの。

蘭もラスト撃たれて即死じゃなく、倒れて吐血する感じで咳き込んでたところを太夫の拳が飛んできてた。口元薄く開いてたのが、もしかしたらその瞬間に笑ってたのかもしれないなぁって思った。天蘭どっちも今まで見たことないニュアンスの最期だった。

どのシーズンも間違いなく今この瞬間にしか見られない髑髏城だし、そもそもこの髑髏イヤーを逃したら次に髑髏城を観劇できるのは何年後になるか分からない、ってことを差し引いても2度と見られないものばかりが存在する髑髏城だったな、という夏の鳥髑髏でした。

『髑髏城の七人season鳥』感想まとめその1

2017年の夏は豊洲のお城でぐーるぐる。バイトシフト並、とまではいかないまでも日雇い派遣髑髏党くらいの頻度で行ってた鳥髑髏まとめ。花髑髏観劇を前提としてるのでとても長い。

 

 

 

 


【7/8ソワレ】
ありとあらゆることがズルいぞ鳥髑髏。イグザクトリィ……

私の中でのらんべさんって花らんべさんがとてつもなく飛び抜けていたんだけど鳥らんべさん…………らんべさんさぁ……

ネタバレ見ずに行って!と言われたので了承のもとクラスタをミュートしてたわけですが、ミュート解除したらTLが鳥髑髏の話題で溢れかえっててすごい世界にきた。

鳥天魔はワカ天魔が生きてて次の機会を狙って長年潜伏してたらこうなったんだろうなっていう変化というか、手段に出てきていて、ワカ見た時に思った『未來さんの天魔は宗教家の素質がある』に着目されてて度肝抜かれた。教祖様。そうだよ信仰って防御不可能な万人の弱点なんだよ。

所謂カルト宗教なんだけど、それが戦国の世で力を持っていることは秀吉がキリスト教弾圧したことからも明白で、半蔵達が山伏の格好してたことが髑髏党への対抗を宗教戦争として片付けようとしている先進性に乱世の終わりを見た気がした。こういう視点でこの時代見たことはなかったから新鮮だった。

十字を切るように額・胸・額と触れた手が天に伸ばされるのはそもそも天魔が殿に抱いていたのが信仰であって、それを他者に伝道するための形をもたせたのが髑髏党である。殿が取り入れ、秀吉が嫌う西洋宗教の要素でそれを象ったことは、そのまま天魔が8年以上抱き続けた狂信を表してる。

鳥天魔の宗教の話したいって言ったら戯曲買ってって言われたんですけどもしかしてそこ言及されてるんです???????だって花の天守閣は玉座だったのに鳥は御神体の座だったじゃないですか。胡座組んでそのまま浮かんで奇跡とか言い始めてもまったくおかしくないっていうかなんなら浮くかと思ったし、あそこにあんなに人がいるのは天守閣ではなく儀式の座と化してるからじゃないですか。光秀を唆した時はまだ宗教家の素質は潜在してたのだろうけど、あるいはそこで開花したと言えるかもしれないなぁとかわくわくしてしまう。私は宗教とか信仰の話がだいすきです。

山伏は半蔵の案なのかな鳥半蔵めっちゃ賢いな、って思って無界の里でオペラ下げたら聞いたことある声でまぁびっくりしましたよね。桃さんいい役どころじゃないよ最高の役だよ……(二幕になるまでほんとに気付かなかった)半蔵との殺陣そりゃ凄いはずですよね!!!桃さんって認識しないまま凄いなって思ってました次はちゃんとみる!!!太一さん未來さん桃さんなんだから当たり前なんだけど語彙が死んで「殺陣がすごい」としか言えない。

ワカ見た時には太一さんの殺陣の凄さって知ってて、だからこそ同じくらい凄まじい速度の殺陣をやる未來さんにびっくりしたんだけど、知ってても驚かざるを得ないラストの天魔と蘭兵衛さん。肉眼で見てるのに早回しなのかと思った。『太一さんの殺陣』と『vs未來さんとの殺陣』は完全に別物。

らんべさん………らんべさんの話ね……………どこからすればいいかな…………まずはお化粧かな。上は舞踊の時のお化粧をちょっとアレンジしたような、二重幅より広めの赤ベースでダブルライン→目頭から目尻へ広がるように明確に切れ長目を意識した白ハイライトで目頭切開で折り返し無しの黒ライン。下は涙袋を赤ベースでなぞって目尻はいつもの黒ライン。赤ベース=ぼかし入れてピンクがかったシャドウ。二幕上は目尻を延長線に跳ね上げた赤ライン、下は赤ベースを涙の後のようにじわじわと頬へぼかしていて、クマみたいに半円型のぼかし。前楽美女丸思い出してくれ。口元は一幕が軽く肌色で抑えた自然色、二幕でティントみたいにグラデぼかしで紅入れて、無界のシーンはもっと色味が濃くなってた。口端をはみ出して塗ってたのは無界からに見えた。眉は終始髪色に合わせた灰色。いつもの鋭角じゃなくて自然な角度ついた眉。ベースの色味がけっこう肌色寄りだったのが新鮮だった。多分髪色の関係もあって、最近の映像仕事で塗ってる色よりすこしオレンジみの強い肌色。大衆の時みたいな赤ベース塗ってる感じではない。

化粧の話だけで息切れしてきた………着物の話と下ラインのぼかし変化の話からの役解釈の話をしたい……………先が長い………

ワカ蘭は救われてしまった命を捨てないために生きていて、彼が望んでいた武士としての生を貫き通せたことは幸せだとさえ思えて、生き方自体は幾分か前向きになったとはいえその望みを花蘭も持っていたことが、私が好きだと感じた蘭がいるんだという嬉しさを感じた要素でもあった。

でも鳥蘭は違うんだよ。あれは2人の蘭だった。現世を生きる蘭と、天魔の怨霊の蘭。夢見酒に喚ばれた、死んだはずの男。拾われた命が8年生きてきた器に残っていた、もう1人の蘭。今回は着物だけじゃなく、化粧でもそれが現れてたと思った。

潜在的に他作品のこと思い出した可能性も否めないけど、今回天魔と蘭が纏った『赤』は殿の色なんだと思った。無界屋蘭兵衛の纏っていた羽根を、殿の赤で染めた黒い天魔の怨霊が二幕にいた。1つの器に2人の蘭がいるから、どちらも纏っているのは同じ羽根。黄泉の笛で纏った曼珠沙華不釣り合いの緑は、花と同時に出るはずのない葉を表してるのかな。あれが2人の蘭の境界で、どちらでもあってどちらでもない鳥蘭の正体なんだと思った。花蘭がラストで本編にない浅葱色を纏ってあの中に立っていたことを考えても、あれが鳥蘭を示しているのではないか。

二幕でにじんだ涙の赤は、無界→終盤でどんどん範囲が狭まって一幕の涙袋をなぞる形まで戻っていく。ワカも夢見酒に喚ばれた蘭だったけど、鳥蘭の終盤は蘭兵衛だったと思う。あの叫びは現世を生きる蘭の叫びで、2人だけれどどちらも『蘭』だから、そう在ることを受け入れた蘭だった。

怨霊の蘭はずっと眠っていて、8年前から時間が止まっていたのかなぁとさえ思えた。それくらい現世の蘭は成熟した大人の、ショーアップされた忘八稼業やってることにも違和感のない男だった。無界の女達の顔を一つ一つ覗き込む様と、身を傾けて女達の話を聞いてやる姿はあまりに乖離していた。

太夫の問いかける「どうして」への答えが「別の人間だから」ということはワカの頃から疑いようがないと個人的には思っていて。花蘭にも付与された太夫との特別な関係性を持っている鳥蘭に殿からの遺言が届くのは各々異なる「蘭」の生だから、としか捉えようがない気がするんだよなぁ。

太夫に言葉と視線を交わしながら触れる蘭と、言葉を紡げないまま彷徨い続けた視線をぴたりと据えて仮面に触れる蘭が、同じである/延長線に存在するとはとても思えなかった。ワカ蘭とも花蘭ともまったく違う解釈なのが鳥蘭。

仮面のシーン本当に凄かった………ワカ見た時に一番鮮烈だったのが数珠のシーンで、今回はその設定がないから口説きどんな感じなんだろうって軽く考えてたのに、まったく異なるアプローチであの鮮烈な印象を再び味わえると思ってなかった。

解釈の話は回数重ねると変わるはずなので戯曲は買っておいて8月頃に読むのもいいかな………日によって変わりそうな辺りの感想だと、太一さんの台詞の言い回しが現代劇でも聞いたことのない喋り方でなんかもう凄かった。蘭としても太一さんとしても見たことないやつ。(語彙力がしんだ

天魔の衣装に合わせるように襟のあるシャツ?みたいなの着てる蘭すっごい新鮮だったし、そこから見える顎と首の境目あたりに夢見酒の跡が残ってるのがすごく良かったですね。良くないところなどないわけだが良かった。

英語バンバン飛び出すとか敬語調の天魔も日によると思うけど、あれとても理に適った猜疑心の解除法だなって感じた。誰しもに胡散臭いという印象を与えておきながら、唐突に天魔本来の口調で突き付けられる甘言は信仰心を持たない人間をカルトに落とすための計算が尽くされてる。未來さんも声に力が宿るタイプ。

結局花は一回しか見られなくて、しかもラスト大号泣だったから記憶にないんですけど、鳥蘭はラストさぁ、足を止めて無界屋を見上げてたんだよ……………もうさぁ…………

 

 

 

 

 

【7/15マチネ】
臨時バイトさん(勝地涼くん)がいらっしゃいました。DVD10本売るまで帰れないそうです。休憩中も売っててめっちゃ面白かった。

一幕はダブルラインの赤薄め、二幕は上のラインを太くするように赤シャドウ足して、涙袋より幅広めに赤シャドウ塗って黒ラインの跳ね上げに合流させてる感じ。口元は向かって左から右へ濃くなるグラデで、下唇を厚くするように下にはみ出して塗り。

蘭兵衛さんが兵庫のこと兵庫さん、って呼んで敬語で喋るのが好きすぎて……好きすぎて…………

今日の蘭、「救いの里、か。くだらんな」のところですごい眉顰めてて。あれを悲哀ととる人もいると思うけど、個人的にはほんとに馬鹿にしてるというか、あれだけ表情豊かな一幕蘭兵衛さん見たあとだと、蘭自体がもともとすごく感情表現豊かな人なんだろうなって思えてくる。

女の顔覗き込むのも、その死を悼んでるポーズを取りながら一つ一つの死で自身が怨霊の蘭であることを確かめて踏みしめてるように見えるんだよなぁ。それが殿の遺言に背いていたと知った時、あの人にとって縋れるものは武士としての矜持だけで、だから「それだけは御免だ」なんだよなって感じた。

夢見酒呑んで、天魔の座にもたれる蘭という今世紀最大の美に頭をやられすぎてお芝居の細かな差が見えなくなりつつある。困る。美しい。先週の仮面に手を伸ばすところは甘美な恍惚の気配を感じたけど、今日は苦しさから逃れるように縋っているように見えてつらかった。

思い出した。今日のvs天魔殺陣ももちろん凄かったんだけど、あの速度の刀がぴたりと止まった時の蘭の口惜しい表情見て、ああほんとに天魔って殿に瓜二つの影武者だったんだなって思った。これ公式設定ですよね?本筋で語られてる髑髏城見たことないからイマイチ実感なかったけど、今日初めて納得した。

あの状況と心境で、それでも天魔を斬れない理由はそれしかないなって思えた。愚かだと言われても、武士の矜持を守って仁義を通すことだけがどちらの蘭にとっても唯一できることだったんだなって。花蘭がずっと自身の芯として持ってたものが、鳥蘭にとっては最後に縋る自分自身の姿だった。

ワカ蘭の場合、あの人はずっと死にたくて死ねなくて心に空いた穴をそのままに生きてたところに夢見酒流し込んだ結果、武士として殿の配下としてのみ正しい生き方と死に方をしたんだと思ったから、「それだけは御免だ」頑なな武士道に感じられたんだよなぁ。鳥蘭はそれに縋り付き寄りかかってる感じ。

天魔が生駒の手をとって立ち上がったとこで手繋いだままぶらぶらしてるのかわいい。先週よりイグザクトリイィ…でした。

今日の天魔、無界でビューティフルって言ってたんだけど話題になってないから初出ではないのかな。蘭との合流のとこで「おーーーーーーーーーーーーーーーーい」って完全に「どこに行っていた!」のタイミング外させてたり、段々かわいさが増していく。髑髏党信者の道歩んでるなぁ。あれがあいつの手口だ。

鳥天の信仰論はすごく説得力があるんだけど、あれは天魔が心からそれを信じてるというより、信じてる自分を演じていないと8年前の出来事を処理しきれないからなんだよ。殿に心酔して、殿のために働いた、なにも残されなかった自分を、天魔は認められないし認めるわけにはいかないんだよなぁ。

捨を髑髏城で迎えるとこの天魔が「yo,yo,what's up,what's up bro?」って言ってたのめっちゃ笑ったな、って今思い出した( ◜◡◝ )

今日は桃さん見れました!!!!!!おりかとイチャイチャしてるのかわいかった。ちゃんと見たよ!

今日のキツツキ渡京、妙声の真似してるのか天魔王の真似してるのかカタコト気味に喋ってて面白かった( ◜◡◝ )命アーッテノ物種デーッス

 

 

 

 

 

【7/19ソワレ】

今日のお化粧マチネの残りに上から足したのかな〜赤の色味が黒ラインと混ざって紫になってた。

一幕はシャドウの赤の色味が黒ラインと混ざって紫になってるような色合いでダブルライン薄め、伏せ目にならないと見えない上の赤シャドウは二重幅ぴったり目頭から。二幕は左右の涙袋幅に一幕のシャドウの上から赤ラインしっかり黒ラインの跳ね上げと同じ長さ。向かって左が目尻に向けて広がるぼかし。

上は赤シャドウもラインも追加なし?って思ったら、事切れた後の顔で目頭と目尻からダブルラインとは別で眼窩縁取るように黒目の上に向けて細くなる赤シャドウのぼかし有り。白いシャドウの上から黒目の上だけもうワントーン明るい白を丸く乗せてて、目の印象強くなるのはお化粧効果もありと判明。

二幕の口元は下唇だけ縁取りというか、しっかりラインとって中をにじませるように塗り潰してた。向かって右は真一文字に結んだ口と平行になるようにラインとってて、左はライン取らずまだらにぼかし。多分指先でぽんぽん乗せてる感じかな?

新要素として、目頭の延長線上のノーズシャドウ入れるところに目の縦幅と同じくらいのブラウンシャドウ。一幕は眉と同じくらいの色味で、髪の影かな?って思ってたら二幕では黒紫っぽくなってたから多分薄く赤乗せたんだと思う。これは初めて見ました。

今日初めて見たものがいっぱいあって。一幕少吉と兵庫のくだりで女衆がお尻触られるとこ、女衆のクレーム聞いて笑いながら撃っちまえよって顎で指す蘭兵衛さん:;(∩´﹏`∩);:このくだり序盤で太夫と話してたんだけど、いつも話してくれてる女の子来なくてちょっと輪に入れてないのじわかった。

二幕無界屋で倒れた女の子たち覗き込んでるとこ、確認できたの上手の2人だけなんだけど『おルツ』『おゆう』って名前呼んでた……女衆の名前がまだ一致してなくて『おゆう』は自信ないけど………今日ずっと眉尻下げて泣いてるような苦しいような顔してたけど、これ気付いた瞬間が一番しんどかった。

あのシーンは悲哀一色に見えてそうでもないというか、複雑な感情のニュアンスがあるのは元からだったけど、表現方法がどんどん変わっていくようで……こんなに登城してる人が毎日代わる代わるいるのに把握できる気がしない…………

ラストのvs天魔、この3回の観劇で一番速かった。ぴたりと刀止めて天魔を見る目が大きく見開かれてるのに瞳が真っ黒で、そこから苦悶に満ちていく移り変わり。鳥天魔は影武者設定開示されてないから違うのでは?って話も見かけたので、尚更あの瞬間の天魔がどんな表情してるのか気になった。

瀕死度合いも最高値。「来い、太夫!」の前に「さぁ、来い…」って言ってるの初めて見たんだけど、声色が一幕とも違う穏やかさというか凪いだ風合いがあって痺れた。今日の蘭のカタルシス凄かった。お化粧で2人の蘭の度合いを表してるなら、今日はまさしく両者が混ざり合って別のなにかになってた。

あ、あと一幕の「妙に血潮が騒ぎ出す〜」に節つけてるのようやく聞けた!酔っ払いだ!かわいい!

今日は天魔のお化粧もしっかり見てきた!トーン暗くて濃いめの肌色の上から白塗りの上に目元だけワントーン明るい白で塗ってる。多分信者の子達と同じくらいの範囲。グレーと黒のシェーディングしっかりで、口元はベージュのリップの上にゴールドグロス?ラメきらきらしてて鋼みたいだった。

ネイルは黒がかったシルバーに見えたけど、多分黒ベースでミラーネイルみたいなの塗ってるんじゃないかな?縁が黒で真ん中がシルバー、って感じの光り方してた。

天魔がカテコでV8からの中指立ててたのは知ってたんだけど、二幕の天守閣の座で座禅組んだ膝に置いた手も同じだったから、対象によって祈りの形が違うんだなって思った。天に祈る時は額→胸→額と順に触れてから天に手を伸ばす、秀吉への祈りとカテコは中指立てる。

天魔絡みだと口説きのとこで殿の仮面持って喋ってるみたいにかくかく動かしてる時があって(蘭兵衛さん見てない)オモチャにしている……( ◜◡◝ )って思った。私ほんと未來さんの天魔好きだぁ。

御伽衆わしゃわしゃ天魔は蘭兵衛さんが沙霧と話してるとこか……それは多分ライビュとかで抜かれない限り見れないやつだな…(諦めが早い)

 

 

 

 

 

【7/22ソワレ】

今日のお化粧、下の目尻ラインめっちゃ濃いしダブルラインの幅狭くてカッコイーーーーーーーーーーーーー

ちょっと距離ありすぎて色味が曖昧( ◜◡◝ )とりあえずダブルライン薄めの紫だった。色味わざと変えてるんだなあれ。

少吉撃つとこ完全に女衆みんな蘭兵衛さんにほら!ほら!撃っていい?って聞いてて、蘭兵衛さんもいいよいいよって指差して扇動しててめっちゃ笑った。すごい。組織的犯行。

今日の天蘭血糊技すごかったゾーーーーーーーーーーーーーー٩( 'ω' )و自ら夢見酒飲むとこ、19ソワレもだけど仮面見ながら薄ら笑いしてる。そのまま座に伏せて、顔上げたら向かって右目の下に血糊つけててそれが沙霧に向かって刀振ってる間に垂れていつもの涙目に変わるという…………血化粧だよ蘭兵衛さん……

背もたれに少し血が垂れてたけど多分確信犯的にやったから落ちたんだと思う…………今日は天魔が座ったとこにもたれるの無かったんだけど、代わりに刀支えに俯いて荒く呼吸する口から血が滴り落ちてて……今日の蘭兵衛さんはすごいぞ………

殿の血を頰が吸ったように右目だけ赤ラインとの境目が分からないくらいの濃い涙目、目尻は黒ラインがっつり延長するようにしっかり跳ね上げた赤ライン。左目は一幕のダブルライン薄め、下目尻ライン重め、薄く紫で涙袋塗りとほぼ変わらず。涙目にとうとう理由付けができました…

「あの世に行く時でさえ」から「お前には分からんよ」までが全編通して一番物腰の柔らかい凪いだ口調でゾクゾクした。「天魔の怨霊だ」の時に天を仰いだ目がぐるん、と回るのといい、夢見酒ガンガンにキマっててほんとに怨霊感あった。

無界屋までは涙目そのまま、口元だけ右端に向かって濃くなるティント。ライン取りないけど左側が指でつけたみたいなぼかし。どっかで欠伸するみたいに開いた上唇の中も真っ赤だった。目頭のノーズシャドウは薄紫であったけど二幕になっても変更なし。

右目の赤ライン、涙目だけじゃなく目頭からしっかり引いてるみたいで、捨を斬るところで真正面向いた瞬間の目の印象がますます強くなってた。天魔の赤ラインの書き方とほぼ同じかな。

今日はラストより口説きの方が殺陣速いというか、全体的に速度上がっててラストが格別って感じじゃなくなってた。vs半蔵のとこのジャンプも高くて、今日の蘭兵衛さんはとっても強い…天魔に初手で斬られた右腕の具合をしきりに確かめながらの御伽衆との殺陣にもどんどん明確な時間経過が生まれてる…

今日の口調、全体的に凄味が強くて、優しいとか柔らかいって印象ほぼ無かったんだけど、だからこそ捨を斬るところと「さぁ、来い」の静けさが際立ってて今までのどの回とも印象違った。一幕の女衆わちゃわちゃも自ら遠ざけてる感あったし、ちょっとワカに近いものがあった感じもした。

天魔のラスト、今日も血糊どぱどぱで目に入ってる…!って思ったら一旦俯いてから天を仰いで口に入った血糊一気に霧吹き。これ見た目的にも凄かったんだけど、天に唾吐く、って感じがしてやっぱり天魔の信仰を一番信じられてないのは天魔自身なんだなぁって思った。

蘭に夢見酒を与えることで、殿の代わりというか信仰対象を偶像化しようとしてるのかな、ってふと思った今日。多分戯曲のあとがきだけ読んだからっていうのもあるとは思う。だから、あそこで蘭が天魔を斬れなかった時に天魔が首を横に振りながら蘭に迫る時の表情は《失望》なのかな、って思った。

あと19ソワレでも思ったんだけど、蘭が天魔を庇った時の「お前…!」って言葉、太夫を見てるせいか蘭に向いてる言葉に聞こえなくて。8と15は蘭を抱えながら言ってたからその印象強いのかも。死にかけた蘭を無視して保身のための警戒を解かない天魔。

今日の百人斬りラストの刀キャッチ失敗してた( ◜◡◝ )ちょうど角度的に見えなかったんだけど、ギリギリで拾って仰向けに這ってる体勢で最後の一人斬ってた?終わって贋鉄斎と👍‼️👍‼️ってやってたのが可愛かった( ◜◡◝ )鳥捨はあわあわしてても捨らしくて良い

回ってない方のカテコ『流れ星 歌い出す唇は』って歌詞だったように聞こえた。これ蘭のことだとしたら無界の里の男と女の命を指してるんだな、って思って震えた………願いを掛けるものであり、一瞬のうちに儚く消えるものでもある……

今日、いままでで一番後方席入ったんだけど真ん中より後ろは回転も初動もほとんど感じないんですね( 'ω' )真ん中より前になると結構動き感じるし、初めて行った花がいままでで一番前だったからめちゃくちゃ酔った思い出

 

『髑髏城の七人season花』感想まとめ

一回しか観に行けなくて今更めちゃくちゃ観たくて観たくて仕方ない花髑髏の感想ツイートをちゃちゃっとまとめたものです。もう今更ネタバレがどうとか野暮なことは言わないゾ!

 

 

 

 

 

【5/27ソワレ】
花髑髏一幕終わった〜〜〜〜〜〜〜〜私この蘭兵衛さんめっっっっっちゃ好きかもしれない

私が初見かつ唯一見たのがワカ(映像)なのでそことの対比になるんですけど、やっぱりそう呼ばれてるだけあってあれは三人が若いからこそ見えるもの/描かれてるものがあったんだな〜って思って、花の三人だと同じこと同じシーンでもそこに含まれてることが全然違っててすごい面白い。それが特に顕著なのが蘭兵衛さんだな〜〜〜〜〜って感じて、これ二幕でどういう風に見えるのかめちゃくちゃ楽しみ٩( 'ω' )و !

あとみんな回るって言ってもそこまででしょ〜って言ってたけど結構回るよ!?動く起点の振動が結構しっかりあって、バス酔いしやすい私はちょっとハラハラしてます:;(∩´﹏`∩);:ぐる〜ぐる〜

ワカ初めて見た時に私が蘭兵衛さん好きだなぁと思った理由って、この人は武士として死にたいという想いを遂げたんだなって思うとすべての言動がこの人の中では筋が通ってるんだよなって思えたところで、花蘭兵衛さんにもそれがしっかりあったことがすごく嬉しかった。

忘八稼業って八徳を失った人とか失うほど面白いもの(=色街)を『忘八』と呼ぶからなんだけど、これって武士であることと対極なんだよね。ワカ蘭兵衛さんの着物が黒→白になってたことって蘭兵衛さんにとってはここの境界がはっきりしてたからなんだなって花蘭兵衛さん見て思った。

花蘭兵衛さんは浅葱色→白になるけど、あれは武士としての自身を切り捨てる、あるいは覆い隠してたんじゃなく、忘八稼業をしててもその心根にはしっかりと武士が生きてることを示唆してたんだなぁって思えて。花蘭兵衛さんの生真面目で朴念仁なところって、浅葱の下に透けて見える白だったんだなって。

白は武士としての在り方を示すからあれを纏うほどの決意があったことは確かだけど、ワカ蘭兵衛さんに夢見酒が必要だったのはあれが境界を越えるためのスイッチだったんだよなぁ。花蘭兵衛さんは仮面と、秀吉と、武士としての生き方と、って少しずつ心根の浅葱が白になっていって夢見酒で完成した感じ。

なので〜〜〜〜〜あの白を纏うまでに走馬灯のように流れていった無界の里ではなく、曼珠沙華の中に浅葱色で佇む姿が花蘭兵衛として描かれていたあれに泣かないわけないんですよ〜〜〜〜〜〜花蘭兵衛さんもう1回見たい!

ワカって三人とも若くてそこから+8年してもまだまだ若かったからこその関係性が見えてたけど、ワカの+8年=花が殿に仕えてた頃くらいの感じかなって思えた。捨が同じで歳重ねてるからっていうのもあると思うけど、それぞれの年代だからこそ抱く感情とか揺らぎを感じられて今後も楽しみだな〜

あと今回の髑髏城シリーズは絶対劇場で観ないといけないの分かった。映画みたいだった〜って感想よく見かけたから気になってたけど、板の上があまりにも奥行きありすぎて前後左右ほぼ縛りなく動けるしシーンというか転換の繋ぎが映像だから、これは生で観ないとこの劇場でやってることの凄さ伝わらない。

回転するっていう利点を活かせる演出家がはたして何人いるのか?っていう問題はあるかもだけど、これだけ奥行きありそうだったら回転諦めたら新しい箱として普通に使えそう。

『グランギニョル』感想まとめ

繭期のみなさんご機嫌麗しゅう。ネタバレ配慮のない感想まとめだよ。書いてる人は2015版が初見でD2版/LILIUM/二輪咲き/SPECTER見てるのでその辺りの配慮もないです。のちのち増える。

 

 

 

 

 

前半というか、匿ってるスーがダリの子を身ごもってるって噂になってる、という話が出た時点で、ああダリちゃんの子じゃないんだなと察しがついた。それでも、デリコの家名を疎むような発言や奔放さには、この人はウルの父親であったんだなぁと感じて、子どもって血筋よりも環境によって親に似てくるんだなって思ったりした。これがそんなに衝撃じゃなかったのは、グランギニョルがウルの出生の話だと聞いた瞬間からあらゆるパターンを想定してたからです。ちなみに一番しぬパターンは『実はダンピールではなかった』です。

ラファエロの場合は父親を反面教師にしたのかな……って思ったら、厳格な父親の振る舞いしてたようなので、なんかそれはそれでまた拗れる要素だなと思ったり………弟の前でだけ優しいというか、遊び心のある父親の姿知ったらしんどくない……?と長子の立場としては思うわけです。

ゲルハルトかわいすぎ問題。ラファエロとアンジェリコの場合、剣術に関してはラファエロが上手なんだけど、それ以外のことに関しては競い合う関係性というか、ラファエロだけが一方的優位ではないんだろうなぁと思ってたんだけど、ダリちゃんとゲルハルトはダリちゃん優位なんだろうなぁと感じた。ゲルハルトが劣ってるという話ではなく、多分この人めちゃくちゃ不器用なんだろうなって。物言いの感じとかアンジェリコ父親似なんだねぇ…と思うくらい似てるんだけど、どことなく幼さというか、拙さを感じる。かわいい。

とか思ってたらフラ家も子どもは環境によって親に似てくる事例だったんですけどね……マリアの性質が本編中であまり明かされないのでなんともですが、ダリちゃんとフリーダも、ゲルハルトとマリアも、貴族的な名家同士のお見合い結婚だったのかなという印象。出会いの形はどうであれ、夫婦になってから愛を育むというルートに乗ったデリコ家とそこに乗れなかったフラ家という意味で、お互いがお互いのifなんだろうなぁ。

今作のダリちゃんはとにかく器用そうだし、実際のところ劣勢になってもそれを感じさせない余裕を取り繕うことが出来るんだろうな、っていう感じがスーとのやりとりからも分かる。だからこそ、フリーダの前で不格好な様を見せて取り繕ってることが分かるように取り繕うのは、ダリちゃんなりに心を許してる相手への接し方なんだろうなぁ。この辺りは2015版のダリちゃんに通じるところだと思ってて、息子たちに伝わってるかどうかはさておき、お茶目してるのって動物でいうところのお腹見せてる感じに近いのかなというイメージ。

お互いが別ベクトルのツンデレ、という中の人のご意見は至極納得。「君は僕であり、僕は君なんだ」いう繭期即死台詞があるものの、実際のところダリちゃんとゲルハルトの関係性はソフィとウルの表裏if関係とイコールではなくて、ラファエロとアンジェリコの近似値if関係を足したハイブリッドって感じなんだよなぁ。それも、最初からハイブリッドだったわけではなく、そうなっていく過程が見られるのが本編かな、と思う。無意識下にあった同一視(ラファエロ/アンジェリコ)が幻想であったと理解し合った後に、意識的に表と裏の面としての同一視(ソフィ/ウル)を続けていく。

ダリちゃんが本気で動揺しているというか、取り繕いきれてないところってゲルハルトの原初信仰を知った時だけじゃないのかなと思っていて。ダリちゃんもまたゲルハルトに対して『君は僕であり、僕は君なんだ』と思っていたからこそ、同一視の枠から外れている事態に動揺したし、それがゲルハルトのみが抱える問題起因だったことが判明することでお互いが同じものではないと知る。ゲルハルトはその事実をダリちゃんより先に知っていたけれど、それでも同一視を止められなかったのは同じであろうとする努力値による補正の試みによるもの。この辺りは対ラファエロにアンジェリコが求めたものそのままかなという感じ。

ゲルハルトに貴族としての責任を説くこと、ダリの果たすべき行為を背負うこと。ラストの混乱下でお互いがお互いのためにしたことが、結果的に2人を表と裏という側面を分け合う同じものにしたんだろうなぁと。ゲルハルトは自身がダリと同じではないという事実を明かしたことを含めて折れた心のままに貴族然としてはいられなかった。ダリはフリーダを殺せなかったのではなく殺したくなかった(やろうと思えばやれた、と私は思ってる)からこそ、殺してしまえば精神的に二度と立ち上がることはできなかった。どちらが欠けても2人はこれまでのアイデンティティを保つことは出来なかっただろうと思うと、ラファエロとアンジェリコはこの儀式が成されなかった場合のifを歩くのかなと思ってしまい………コクーン(仮)ってもう仮題からして不穏しかないしこわい。

グランギニョル時点でのダリちゃん/ゲルハルトの関係性は息子世代に比べて終始穏やかだな〜という印象。伝家の宝刀デリコパンチに対して「ゲ〜ル〜ハ〜ル〜ト〜」ってうんにゃら波的なもので対抗するの可愛すぎでしょう(@東京楽)

ラストの「仕方ない、付き合ってやるよ」の返答に俯いて本当に嬉しそうに微笑むゲルハルトと分かってて覗き込むダリちゃん見てると、大号泣中に一瞬正気に戻っていちゃいちゃすんな( ◜◡◝ )ってなりますね。かわいい。

ダリちゃんの繭期返りっていつまで続いてるんだろう。普段から飄々としてることもあって、幻覚症状と多幸感の発露くらいしか表立っての変化がなかったので、まさかTRUMPの頃まではいかないだろうけど、本編以降もしばらく繭期状態続いてたのでは……?と思ったりしてしまいました。

2回目の観劇でTRUMPがクラウスだった話。なにを言ってるんだろう私。幻覚と現実の区別がついてない。いや、だってイメージシーン誰がやってるんだろう?と思ってオペラ覗き込んだらクラウスがいたんだよ。あらゆる感情のない顔で、ぼんやりと彷徨ってた焦点が合わないまま、口だけがうっそりと笑みを象って照明がふっ、と落ちたんだよ。虚ろとも無垢とも言い難い、『どちらか』断言できない幻覚を見た。ぼくたちのクランで最後に見た姿に近かったかもしれない。けど、あれはRアレンの髪型踏襲してたじゃない。今日の幻覚は違ったんだよ。Tクラウスの姿をしてたんだよ。(@8/2ソワレ)

 

 

 

 

 

以降は推しがウルだった身としてどうしても考えずにはいられない、理不尽だと分かっていながら言わずにはいられないことを言うところです。半ば呪詛。

 

 

 

親の立場から見たらそれは愛に他ならない願いであったかもしれないけれど、イニシアチブの重複における優位性が想いの強さである例を見せられている観客は真っ先にそれを想起するし、たとえあの子の結末が2つのイニシアチブと関わりがなかったとしても、もしかしたら、その願いの方が強かったなら、って考えちゃうじゃん。この純然たる願いは怨嗟の慟哭には勝てないんだと、初日のあの瞬間、真っ先にそう思った。

ウル、という名前に母が込めたのは愛であり、希望であったかもしれないけれど、それは後継者であり実子であるラファエロを失い、自身の願いが叶わなかったことを目の当たりにする、というダリ・デリコの残酷劇を綴る呪いを受け継いだんだよ。イニシアチブがあってもなくても、周囲に広がった悲劇はあの子を起因にしていて、それらはダリ・デリコに向けられていると捉えたら、母達の願いもまた、あの子にとっては生まれた瞬間から始まった残酷劇の一端なんだよ。あの子は自身の悲劇だけじゃなく、デリコ家の悲劇をも背負っていたんだよ。

結果論かもしれないけれど、あの子は、ウルは実父のイニシアチブと名前の持つ呪いを体現していたし、そんなあの子の人生はクラウスになにも影響をもたらさないんですよ。あの子にまつわる残酷劇は、生まれた瞬間から死ぬ瞬間まで、TRUMPの心には届かない。これを絶望と呼ばずなんと呼べばいいのか私には分からないよ。

言いたくないし理不尽なのは分かってるんだけど、回数を重ねれば重ねるほど、春林の存在をダリが知らなければイニシアチブによってあの願いを紡ぐこともなかったかもしれないのに、って思ってしまうんですよ。ダンピールでも繭期を越えられる事例。そんなもの知らなければ、負けるな、なんて口にしなかったかもしれないのに。相反するイニシアチブの命が、死ぬのがこわいと口にしたあの子を尚更苦しめたかもしれないのに。

 

推しのひとがしにかけるお芝居がとてもおじょうずなのがいけないと思うんですけど、劇中で赤子の泣き声がするたびに、私の脳裏にはブルーシアターの板の上で息も絶え絶えにのた打ち回るあの子が見えて、ただでさえこわくて見れない2015Tの円盤が一生見れない円盤にばけた。

それでもソフィの存在が、あの子にとって名前もイニシアチブも関係ないものだったと思いたくて、TRUMPとSPECTER見返したいんですけど当分むり。

『MOJO』感想まとめ


特に推しが出てるわけじゃないし好きじゃない役者もいるし当日引換券とったけどどうしようかな〜と迷ってたら、10年越しの確執を経て主演推しとなった友人から『倫理観のない話だよ!』と聞いて大喜びで観に行ったMOJO感想です。わーい倫理観のない話だいすき!ネタバレの配慮はないよ!

 

 

 

 

 

【6/25ソワレ】

海外の戯曲らしい、酒とタバコとクスリと女がバンバン出てくる話なんだけど、そういう古さとかクラブの話がクラブexという箱にめちゃくちゃ合ってた。正直演出は円形ステージであることを活かしきれてない節があったけど、この箱使うっていうのは会場ごと板の上の延長にするためなんだよね分かるよSLAZYもそうだったもん。

派手な話じゃないし、なにかが劇的に変わる話でもないんだけど、もしこの物語に何かがあるとしたらベイビーと呼ばれた人間が新しいスタートをするまでの話なんだと思う。しかもそれは今まで生きてきた人生を切り捨てることなく地続きの、明確な答えも未来もない真っ暗からのスタート。

血縁関係にありながら幼い彼を犯した父親との確執とか、父の右腕としてクラブで働くミッキーへの憧憬とか、若く才能があって父の寵愛を受けているジョニーへの嫉妬とか。ベイビーの周りには色んなことが渦巻いてるんだけど、他人のこれまでの人生とかその中でなにがあったとかって日常生活の中でそんな簡単に分かるものじゃない。そういう現実の対人コミュニケーションで得られるレベルの情報しかない中で客席はベイビーという人間に触れる。

彼が、マジョリティな親子関係のモデルケースであるように父親の背中を見て育っている背景や、その父親が自分ではない人間の方を向いてることへの嫉妬。そういう感情の気配を要所要所で感じるのに、次の瞬間にはシャボン玉みたいにぱちんと弾けて頭のイカれたベイビーになる。そこに彼という人間の美しさが凝縮されてる気がした。

パンフにも書いてある『朝目が覚めた時に〜』って話してる時の顔が、元々の綺麗な顔立ちが表す美しさではなく、触れると壊れてしまいそうな空洞化した器であることを感じさせる類の美しさを纏ってるんですよ。個人的には特筆するほど好きな顔というわけではないので、あれはほんとに純粋にお芝居の力だと思う。

クソみたいな過去があっても、彼にとって父親はどこまでいっても父親だし、愛してるからこそその寵愛がたとえマトモじゃなくても欲しくて仕方ないのかな、って一幕では感じた。だからこそミッキーに対抗心燃やすし、「ここは親父の店で、俺は親父の息子」ってラリってるように言うんだけど、そうやってなんでもない風に叫ぶのが彼の本音なんだと思った。

周囲はベイビーの頭がイカれてるから彼を腫れ物の子どもみたいに扱うけど、彼の見た目がジョニーのような子どもじゃないから父親はジョニーを寵愛してたし、彼の内面がドライブに連れて行かれた日のような子どもじゃないからジョニーを庇護する立場という新しいスタートが結末になったんだと思う。かつての自分を重ねるジョニーや、ありえたかもしれない自身のif未来のようなミッキーに嫉妬しながらも最後に選んだのが父親のように庇護する側に回ること、っていうのがこの脚本のすごいなって思うところなんだよね………ああいうエキセントリックじみた役ってどっちかに寄るでしょ普通……

事前に『哄笑がめっちゃ上手い』ってピンポイント情報聞いてたんだけどほんとに上手くて、あの無音の間を声だけで埋められる存在感が逆にここ以外に居場所がない、って言葉に説得力を持たせてることが凄まじかった。一つ一つの笑いに怒って、喜んで、悲しんで、楽しんで、っていう不安定さがあって、聞いてる方の心が不安になる。

ベイビー以外の登場人物は、全員が全員彼自身であって、クラブは彼の言う通り父親そのものなんだと思う。だからジョニーに問いかけた言葉も、スウィーツを詰る言葉も自分への言葉だし、ミッキーに憧れてそうなりたいから言葉を取り込むし、スキニーは鏡だからその鏡を壊してようやく彼は外に出る。

終盤からラストにかけて起こる周囲の混乱の外で鼻唄歌いながら歩き回ってるところとか、背中向けてるところとか、本人の感覚だけに収まりきらない『唯一の居場所での透明人間感』が一番怖かったかなぁ。皆まるで彼が見えてないみたいで、こんなに存在感があるのに、いないものみたいになってた。そういう意味では、場に入ってきた瞬間から居なくなった後もたとえ良くない意味でも皆の話題に上がり続けるスキニーは、ジョニーよりもミッキーよりもずっとずっと気に食わない存在だったんだろうな、って思う。ベイビーにとっての鏡であるスキニーを鏡だと思えてるうちは、彼が自分自身であるように感じることで許容してたのかな。

行動としては突発的で不可解さの方が勝つラストだけど、理由としてはそれまでのちょっかい出してたのとそう変わらないんじゃないかな、と思った。どんな過去や思想があったとしても、やっぱり彼はそういう境界も感じられないからひょいと越えられちゃうんだと思う。あの細くて長い脚で越えていく。

ベイビーの口から幼少期の回想として語られる牛の話は、カフェのため=生きるために命を奪うという行為を自分が過去に経験していること、それは父親が先導していたことだから正しいこと、っていう意味で自分の犯した罪を正当化する作業なのかなって思った。「俺がなんでベイビーなのか知ってる?」(うろ)ってセリフに、ああ父親にそう呼ばれて可愛がられてきたんだなって思ったら、もう本当にクソみたいな過去のことがあっても彼は父親を愛してるんだなって思えてしまって……彼にとっての父親は確かに万能の神の側面を持ってたのかな、って意味で解釈したかなあれは。

『ベイビー』ってほんとの名前じゃないんだよ。サムのような、生まれて付けられた時から呼ばれる名前はそうじゃない。でもあのクラブにいる限り彼は永遠にベイビーで、だからこそシルバー・ジョニーを『シルバー』と呼ぶためのジャケットを置いて出て行くことが、彼が『ベイビー』を置いていくことと同じなんだよ。あの光の中に消えた彼はもう誰にも『ベイビー』とは呼ばれない。

円形ステージの利点であり難点なんだけど、夜明けの空気を鼻で感じて、夜明けの光を眩しそうに受けた時の顔と、その光の中に父親が寵愛していたジョニーを連れて歩いていく表情を客席全員が見られないのあまりに無理すぎ。いや、だってあの表情ほんとにすごいんだよ………それまであの丸い板の上で「考えたんだ」「ちゃんとしようと思う」「親が半分にされて覚悟決めるやつなんてそういない」って言ってたことは全部軽かったのに、あの光へ向かっていく表情にはそれを全部感じられたんだよ。彼はあれからジョニーを連れてどこにいくんだろう。
父親になれない人間だからベイビー』って感想聞いてそれだ!!!!って。鏡であるスキニーが「いつか子どもが欲しいんだ」って繰り返してたことは意味ある言葉だと思ってたから、子どものベイビーは父親にはなれない、って意味合いだと解釈してたんだけど、そもそも父親になれない人間なんだ。そっか。私もやっぱり騙された一人だったんだ。あれは父親ごっこをする『ベイビー』だったんだなぁ。

 

いやほんとに久々にすごい芝居の上手い役者見たな、って感じた。10年前のアレコレを知らないわけじゃないし、むしろ詳細に知ってるからこそ頑なに嫌う人も面白く思わない人もいるだろうことは理解できる。けど私は、アーティストとしての経験を活かして上質な芝居をする役者として今回のTAKAHIROさんを評価します。めっちゃ良かった。最高だったありがとう。

だってお芝居が上手いどころの騒ぎじゃないんだもん………映像でのお芝居は経験があるとはいえ、普段舞台をフィールドにしてる役者が負けてていいの?って思うくらいあの舞台の中で存在感を消す存在感、というサイコーのお芝居見せてもらった。めっちゃ気持ちよかったです。

私は出演作だとハイローくらいしかまともに見てないんだけど、アーティストの、一番に目を惹くボーカルという職をやってる人らしく、立ってるだけで華があるし、お芝居の間の取り方とかテンポ感が天才のそれだった。今回のキャストでいうと了くんとかもそのタイプだと思ってるから、ベイビーとスウィーツのシーン最高だった。

もちろん、了くんとか波岡さんとか映像経験豊富な人が多かったこともお芝居が馴染んでたことによる勝因の一つかな、とは思うけど、あれだけ存在感があって華があって真ん中に立ってる姿がサマになるっていうのは役者としても大きな武器だなぁって思う。またこういう舞台で観られる機会があるといいな。

あと本職だから当たり前なんだけど、めちゃくちゃ歌が上手くて、この舞台は劇伴が皆だいすき和田さんにも関わらず極端に少ないんだけど効果としては最高だった。ジョニーがいるからジュークボックスがいらないように、ベイビーが歌うから劇伴はいらない。贅沢かよ説得力ありすぎだわ。

バカみたいな感想でいうと、あのセットにぶら下がりながら足合わせて鳴らすとこで「足が長い…」って思ってしまった( ◜◡◝ )上半身がっしりしてるのに下半身細くてなにあの生き物すごい!みたいな気分になったね。

元の脚本に準拠しているとはいえ、幼い顔立ちをしているけど年齢を重ねた男性であるTAKAHIROという役者をちゃんと正面から見据えた演出と脚本で良かったなと思った。なんか変にファンタジーじゃなかったことが、アーティストとしての一面とは別の一面としてのお芝居を見させてもらってるんだなって受け取れたし、元々この作品は上演当時、限りなく板の下の現実に広がる日常と地続きだったんだと推測できるから、そのテイストがしっかり存在した日本版になってたと思う。

 

 

 

 


【追記あれこれ】

スキニーもうちょっとどうにかなんないかなぁ。好きじゃない役者というのはあの人のことなんだけど、あの田舎訛りの役だと唯一の取り柄である滑舌も死んでて、本気でなに言ってるのか分かんなくてセリフ入ってこないことが多々あって。役柄としては無様で滑稽で間抜けなベイビーにとっての鏡、だから、そうあることは許容されるべきことで私の好き嫌いに由来するだけなのかもしれないし、板の上に映像寄りの芝居する人が多かったことが敗因かもしれないけど、純情伝〜熱海のセリフまくし立てるお芝居を嫌な感じに引きずってるなって思った。

ラストで人が撃たれて笑い声上がるのどうなの?みたいな話題出てたらしいんだけど。個人的にはたとえ無様で滑稽で間抜けな人間だとしても、凶器がオモチャみたいな音を立てる銃だとしても、撃たれれば人は死ぬんだよ、みたいな笑い声が上がること織り込み済みのブラックジョークなんだと解釈したかな。劇的な死が訪れるような人間はこの脚本の世界にはいないんだよ。

 

舞台装置としてのクラブexは最高だと思う。ほんとに。あの夜明けの光を扉の向こうの橙がかった照明で表現していた光景はほんとに美しかった。でもやっぱり座席数少ないし、あの表情を観られる人数が座席数からさらに限られてることは確かに演劇的だけどあまりにも惜しすぎる。

円形ステージの利点の一つって客席からの視点が一方向に定まらないことによる、現実的空間の表現/客席に背を向けるという概念がない、ということだと思う。それ自体は映像のお芝居に近いと思うし、現実との延長線に存在する作品の在り方に適してたと思うけど、もう少し要所要所の大事な表情が見えるようにしてほしかったかなぁ。これはちょっと贅沢なワガママ入ってる自覚あるけど、座席数少なすぎて別サイドからリピートするのも難しい状況なんですよ!!!!
→というわけで、これからMOJO観に行く人でこのお芝居気に入った人はアンケートにDVD出してくださいって書いてください。私は裏まで書いた。円盤で然るべき情報が観客全員に与えられてほしい。そういう欲を産む作品だと思った。

 

 

 

 

 

【7/1ソワレ】
まさかの2回目なので、今回は表情しっかり見よ〜と思ったら大変なことにばかり気付いてしまって最早初見とはかけ離れた感想を抱いてしまい、結局追記する羽目になるわけでした。

バルコニーから俯瞰で見てるということもあってか、ベイビーの感情の起伏に一貫性を見出すことができたような気がした。一貫性?というか一人の人間の複数の側面を見ているんだな、っていう感覚。クスリでラリってるからアップダウンが激しいのは前回ももちろんだったけど、ねずみ花火を見てるように規則性がなくて捉えるべき輪郭のなかった存在が、今回は万華鏡の中を覗いてるような気分だった。前後のテンションに繋がりがない感情の移り変わりは相変わらずなんだけど、一貫した視点からベイビーという人間の多面性を観察しているような印象。

ちらほら見かける感想にあった、最初からミッキーが父親殺しに加担していることを知っていた、と思って見ると、事実を掌握している唯一の人間であるからこそ周囲の理解を得られないという構図に見えてきて、そういう見方が余計にベイビーが得体の知れない未完成な『何か』ではなく、物語の主人公として映ったのかもしれない。

全体を通して受けた印象としては、誰かの真似事をすることで何者かになろうとして失敗しているように見受けられる。映画やクラブ再開の提案はクラブのオーナー/父親(血縁関係ではなく集団の長)を模倣しているけれど、どんなに口ではミッキーに対して文句を言っていても他3人がベイビーの提案に乗ってくることはないので成功しない。「俺、スパンコールって好きなんだ」という台詞にはお飾りの父親として据えられることを許容する従順な姿勢/子ども(父親に愛される集団の構成員)を模倣して見せているつもりだけれど、結局家であるクラブ/集団から追い出されてしまう。ラストシーンは劇中では模倣する場面のなかった対自分への父親を模倣しようとしてジョニーに優しく声をかけているように見えた。劇的な変化や変質を含まない、あくまで居場所探しの延長線としての父親ごっこ。

「これほんとに親父なの?」のところでベイビーが開けたゴミ箱の中、ほんとに中身が入ってた………のっぺらぼうの顔に、クセが強い巻き毛の白銀髪………
スウィーツとシドニーが賭けてた、正面向かって右が脚で左が頭、が逆。先に右を開けた時点でベイビーには頭が確認できて本当に親父だって分かってたのに、わざわざ左も開けて。しかもそっちの中身を注視してる時間の方が長いという。バルコニーからしか見えない光景だし、まさか入ってると思わなくて一人で飛び上がるほど震えた……たしか前回見たときも左の方が長く見てて(なのでてっきりスウィーツとシドニーの予想が合ってるんだと思ってた)そっちに執着の重点が置かれてるのかなって思ったり、そもそもそちらの変質によって親父の死というものが初めて認識できたのかな、とかとにかく色々考えてしまって、なんで見ちゃったかな!!!!!

前回は全景見てて気付かなかったんですけど、照明受けてても上向いてもハイライトが入らないあの目は一体なんなんでしょうか。一幕ずっーとあんな空っぽの目で口元だけニヤニヤ笑ってたの知らなかった。本人が意識してるらしいの(パンフ参照)ほんとに?って思ったものの、例の芝刈り機のくだりで納得。素というか、役が抜けかけると極端に瞬きの回数が増えて、そこでハイライトが明滅するの見てしまった。でもセリフ喋った瞬間にはハイライトオフになってる。なにあれすごい。

あと噂通り、痩せてたというかやつれてましたね。精神力使うモチーフの話ではあるけど、人間ってこんな短時間で目に見えて変わるものなの。そのかわりというかなんというか、骨格が内から輝いてた。やつれてることによって骨格に照明を受けてるのがすごくよく分かる肌の光り方をしていて、ちょうど目尻をくの字で囲むように反射してる照明がすっごい綺麗で、この人めちゃくちゃ頭蓋骨の形が綺麗なんだなぁ……って見惚れた瞬間が何度かあった。前回は正面から見ていてもガタイが良くて肌の色艶が良くて、いかついって言葉がぴったりだったけど、今回はあんまりそういう気がしなかった。あと、あの一連のジョニーへの詰問の内容って父親から言われたことなのかなってちょっと思った。成長してしまったことに対する詰り。

初見の時は空間認識がイマイチだったんだけど、一幕から二幕のセット転換って二階の控え室兼事務所→一階のフロアなんですね。今更だけどオープニングのジョニーの映像見て気付いた。あのブルーの色調自体はラストシーンの夜明けのオレンジを対比で強調するためのものなのかな、って思ってたけど、毎晩ジョニーが歌って踊っていたあの青いステージでベイビーが話したことや起こった出来事を反芻したらなんか凄い舞台環境だなって思ってしまった。クラブそのものを家/集団に見立てていたけど、厳密には二階だけがそれを示すのかもしれない。頭は一階、足は二階とか。この辺りあとで追記しよう。

ベイビーに限らず、全体的に台詞回しの緩急やテンポが変わっていて、元から完成度は高かったので演技プランが大きく転換された、とかいうよりはブラッシュアップという言葉が一番適切かなって感じた。千秋楽付近でもう一回くらい観たい……観たい…………DVDほしいのでアンケート書いてください……

 

 

 

 

 

【7/9ソワレ】
当券チャレンジ成功して3回目の観劇。推し出てないのになんで?って聞かれたけどそれは私が聞きたいです。この話が好きなんですよ!!!!!

みんなだいすき芝刈り機の話。あれなんて表現したらいいかな……マネージャーの顔を轢いた芝刈り機は普通の、というかなんか軽い感じの機械だったんだけど、親指を切断した芝刈り機はいつものチェーンソーみたいにエンジンかけるやつ、っていう使い分けしててもうなにがなんだか。とりあえずめちゃくちゃ面白かったです。椅子の背を掴んで口元覆って笑い堪えてる了くんが目をカッ!<●><●>って見開いて向かいのTAKAHIROさん凝視してて、ゲラの玉突き事故の原因これか!wwwwwってなりましたただでは死なない木村了尾上さんの芝刈り機終わったんだか終わってないんだか分かんなくて、一瞬時が止まったのもじわじわきた。

スウィーツがスキニーに食わせるケーキ手掴みになったよ、って聞いてどれだけの塊かと思ったらそんなに大きくなくて、でも明らかに咀嚼大変そうだったんだけどもしかしてあれ握り潰して圧縮してる……?了くんのそういう容赦がないところ好きです。

香水のくだり。ようやく真正面から見えたけど、あれ自分のシャツの匂い嗅いでうわ、って顔してつけてるんですね。スキニーに向かって執拗にタバコの煙吹きかけたりしてる一連の動きも初めて見えたけど、あそこって一睡もしないまま酒とクスリキメてるから作中で一番ハイなベイビーがいるんだろうな。

何度か出てくるベイビーへの「寝てないんだろう」がなにを指すのか考えてたんだけど、眠りについて朝起きた時にあの感覚に陥るのを怖がってる、ってことなのかなって思った。ベイビーはミッキーがロス側の人間であることに最初から気付いてる、で個人的には間違いないと思ってるから、今日は一幕でミッキーを煽ってる目にハイライトがしっかり入ってキラキラしてるのが凄い意地が悪くていいなって感じた。しかもそれが一幕のラストでオフになるのが、周りに降り注ぐコンフェッティの眩しいくらいの輝き方と対比になってて、最早一つの舞台機構だった。あのキラキラした光の真ん中で真っ暗になった目を閉じて、彼は望まない眠りに就くのかなぁ。

今日はスウィーツとシドニー『ベイブ』って呼ぶところが結構あった。あれによって3人の距離感というか親密さを感じさせられて、前回よりもベイビーが蚊帳の外って印象が薄くなったなって感じた。だからこそ余計に、ラストの混乱から外れていつも通り酒飲んで煙草ふかしてる姿が異様なのだけど。

注視してみるとミッキーって結構迂闊なところがある描写が見受けられる。ジョニーがアトランティックを出たのが11時で電話が8時なのに「5時間か」って言ってるあれは、二幕の展開を示唆してる/ミッキーの詰めの甘さを表してるのかなと。シドニーは11、12…って数えて、9時間だよな?ってスキニーにジェスチャーで聞いてるのに、誰もミッキー本人には尋ねない。集団の長に逆らうと追い出される、という暗黙の了解とか、目に見えない父親からの抑圧を表してるのかな。実の息子にまで手を出すようなロリコン親父をスウィーツは「誰にでも公平な紳士」と呼ぶし、ラストでもミッキーに「俺たちを愛してくれてると思ってた」と言うもんね。集団の子供役を一番従順に務めているのはスウィーツなのかも。

洗面器のくだりとかも、初見の時あそこでミッキー死ぬと思ったよね、っていろんな人と話してて。死因は溺死とか毒殺とかギロチンとか色々考えられたけど、とにかく死ぬと思った。だって仲間とはいえ、命を狙われてるという状況であんな無防備な体勢とれる?あれはベイビーを追い出すという権力を行使したことによって、シドニーがミッキーを集団の長/王様/父親と認めて媚びを売っている、って意味合いにも見えるし、ミッキーは真相を知っているから実際のところ自分達が殺されるはずがないことを分かってるという自白とも見える。そういう迂闊さに親近感があるから、ミッキーはスキニーを贔屓するのかなって。

前回も思ったんだけど、ビュイックってミッキーの車なのかな?でもジョニー売ったお金は手に入れてないから「俺の全て、何もかも掠め取られた!」なのかな。あの言葉自体がブラフの可能性もあるけど、お金手に入れる前に買えるような蓄えはなさそうだし。向こうの地理には詳しくないけど、交通手段の話がバスや電車ばかりで、自前の車の話が出ないのは町から出ないタイプの田舎なのかなと思ってて、慣れない不相応なものを買ったから鍵つけっぱなしにして停めてあったってことなのかと。車種自体はアメリカかぶれ、みたいな意味合いだと思うけど、手に入れた恩恵によって破滅を導いた、みたいな皮肉的展開というのも面白いかなって思った。

一幕ラストでミッキーと相対してるベイビーを初めて見れたけど、あの目を見るとやっぱり全部知ってるんだろうなって思うんだよね。鍵預けられてて、ロスのことも知ってて、となるとベイビーが父親経由でロスと知り合ってた可能性もあるんじゃないかという気がする。というか電話したのベイビーだったりしない?しないか。でもロリコン親父同士だし、虐待に加担してたとかはありえそう。地獄か。

「出ていけ!」って言われるくだり、その前のミッキーにカトラスを突き付けたところの表情がとても興味深かった。周りから「不可解なもの」として見られているベイビーが、唯一他者をそのようなものとして見た瞬間があそこにあった。驚いているような、怖がっているような、理解出来ないと言っているような顔。その顔のまま、ミッキーの宣告を受けてクラブから出ていく。てっきり追い出されることについて何らかの感情を抱いていたのかと思っていたけど、そうではなかった。あれは何を思っていたんだろう。死を怖がらない、あるいはベイビーを恐れないミッキーに対して、彼は一体なにを見たんだろう。

牛の話は結局やっぱり牛じゃない気がしてるんだけど、じゃあなにかと問われてもイマイチ答えが定まらないんだなぁ。性的虐待の暗喩、防衛本能の閾値越えによる感情麻痺、共同経営者の顛末でありエズラの顛末が因果応報であるという意味、牛も人も殺すって点では同じだったっていう話。うーん。

「殺されるんだ」って台詞の響き方が凄かったんだけど、マチソワどうこうじゃない、ベイビーの疲れみたいなものが見えてうーーーーーーーわってなった。先週よりも声の張りどころとか声色の変え方に演技意図が見えて良かった。全体的に凄む声の低さ/太さにインパクトが生まれるようになってて、でもだからこそ一番震えるのって高音歌ってるとこなんだよね。細くて甘い声。「スパンコールって好きなんだ」の言い方も妙に明るいというかハイになってて、初回の時のかわいい顔の下にいかつい身体ついてる、って印象にお芝居によって立ち戻ってる感じがした。実際のところご本人の体は締まってるし頬はやつれてるんだけど、それを圧の緩急でカバーしてる感じ。

目のハイライト、オンオフするポイント変えてない?そんなこと出来るものなの?でも意識してるんだもんね?そうかぁできるのかぁ。一幕でミッキー煽るところでめちゃくちゃハイライト入るようになってて、二幕でクラブに戻ってきた後は一幕でハイライト入ってた角度で見てもオフになってる、という訳の分からないものを見せられていた。そんな演技プラン変更聞いたことないですよ……初めて見る角度からの観劇だったから、前からそうだったのかなー難しいなーって思ったけど、知人に話聞く限りやっぱり日によって違ってるみたいです。その場の雰囲気である程度変えてて、固定化はしてないんだろうなぁ。通い甲斐のある推しさんですね( ◜◡◝ )

この作品、劇的な出来事が起きない(板の下の日常の延長で起こりうることしか起きない)と思ってるから、やっぱりラストはハッピーエンドじゃないな、というのが私の最終的な印象でした。エズラが死ぬのも、ロスを殺すのも、スキニーを殺すのも、アッパーダウンをいったりきたりするベイビーの生活の地続きのところで起きてること。1度経験してしまった時点で、ベイビーにとってはあのクラブから出ていくことも特別なことではなくなってしまったんだと思う。歳を重ねると時間の流れが早く感じるのは初めて経験することが減るからだ、って言われるけど、そうやって特別な出来事がまた1つ無くなったことがベイビーが大人になっているということなんだろうなぁ。今何時?って色んな人が聞くけど、あれもそういう意味なのかなって。そんな感じで私のMOJO観劇はおーしまい。DVD出るといいなぁ〜アンケートよろしくお願いします!

 

 

2016年観劇まとめ

この界隈に来てから恐ろしすぎてやったことなかったんですが、大晦日ですし自戒の意味も込めて可視化してみようかと思います。こわいよー。

 

 

 

【1月】
/2   AZUMI NEW YEAR PARTY
/3   AZUMI〜
/4   AZUMI〜
/11 ミュージカル薄桜鬼新選組奇譚
/16 舞音-MANON-/GOLDEN JAZZ
/23 ロボロボ昼夜

他現場:cali≠gari主催、LM.C

 


【2月】
/4   終わりのセラフTheMusical
/5   セラフ
/6   セラフ昼夜
/7   セラフ昼夜
/8   セラフ
/9   セラフ昼夜
/10 セラフ
/11 セラフ昼夜(千秋楽)
/20 刀舞鬼夜
/21 刀舞鬼夜
/25 刀舞鬼
/28 刀舞鬼(SP公演)

 


【3月】
/5   パラノイアサーカス夜
/6   パラノイアサーカス(千秋楽)
/26 劇団白虎
/27 劇団白虎

他現場:MAD、HeaRt

 


【4月】
/2 Ever Green Entertainment Show vol.5

他現場:ジュウオウジャーショー

 


【5月】
/12 逢いたくて…昼
/14 早乙女友貴 20th Anniversary Event vol.1昼夜
/28 劇団舞姫昼夜

他現場:Loop開き

 


【6月】
/4   曇天に笑う
/23 新・幕末純情伝
/25 KABUKI DROP上映会
/26 ME AND MY GIRL
/28 純情伝

 


【7月】
/1   純情伝
/2   純情伝夜
/3   純情伝夜(銀劇千秋楽)
/7   僕とあいつの関ヶ原
/10 純情伝(命日公演)
/13 CLUB SLAZY-Another World-
/17 純情伝(紀伊國屋千秋楽)
/24 純情伝夜(梅芸大千秋楽)
/28 三人どころじゃない吉三

 


【8月】
/13 テノヒラサイズの人生大車輪おやつ夜
/17 天球儀、橘菊太郎劇団夜

他現場:南の島に雪が降る上映会

 


【9月】
/1   瞑るおおかみ黒き鴨
/3   つむ鴨昼夜
/4   つむ鴨夜
/6   つむ鴨夜
/8   つむ鴨夜
/10 つむ鴨昼夜
/11 つむ鴨昼夜(銀劇千秋楽)
/19 つむ鴨昼夜
/22 つむ鴨昼夜(北九州大千秋楽)

 


【10月】
/6   露出狂
/14 早乙女友貴 20th Anniversary Event vol.2
/15 ゆっ大衆昼夜
/16 ゆっ大衆昼夜
/17 ゆっ大衆昼夜
/18 ゆっ大衆昼夜
/19 ゆっ大衆(千秋楽)
/22 墓場女子高生昼

 


【11月】
/11 あずみ戦国編
/12 あずみ夜
/13 あずみ
/19 あずみ夜
/20 あずみ
/26 あずみ昼夜
/27 あずみ昼夜(千秋楽)
/30 メトロポリス(千秋楽)

他現場:たいちさんFCイベ夜

 


【12月】
/1   戦闘改造学園Z
/3   サイガク昼夜
/4   サイガク昼夜(千秋楽)
/8   CLUB SLAZY The final invitation 〜Garnet〜
/23 Endorphin昼
/24 橘菊太郎劇団昼
/25 パタリロ!(千秋楽)

他現場:京都ツアー、カレンダーイベ

 

 

 

観劇といいつつイベントとかライブとかもろもろ現場トータル106本。バンギャル時代に年間100本超えた時よりとてもお金がかかっているなぁというきもち。

思っていた以上に作品数見てないなぁという感覚ですが、多分DVDとかで見た作品数が結構あったりするからかなぁ。あと微妙に半券と手帳のメモが抜けてる気もする。

とりあえず2017年の目標は手帳にきっちり予定を書き込むことかなぁと思います( 'ω' )よいお年を!

『あずみ〜戦国編』感想まとめその3

すっかり放置してたというか、翌週に別作品の千秋楽とかいう訳の分からないスケジュールを推しさん共々こなしていたら触る余裕がなかった美女丸定点まとめ3週目。いつものことながら、日を重ねるごとに独自解釈遊びに耽っていくおたくは楽しそうだなぁと思います。

 

 

 

 

 

【11/25】
今日初めて美女丸の右目がお久しぶり登場のアイテープだったのを確認してしまいました( 'ω' )つむ鴨山川は日によって違ってたので、やっぱり美女丸のビジュアルにはこだわってるんだなぁ……カテコの下駄履き替えもあってびっくりしました。もうないものかと思っていたきまぐれお着替え。

20日にちょっと感じた対4人殺陣、やっぱり手加減してなかったというか誰が相手でもしっかり振り下ろしていて、どんどん見映えに拍車がかかってるなぁ速いなぁとしみじみしてしまいました。そして元気\ポンッポンッ/

大阪城で、待ってるよ」の階段上がっていく前にあずみとうきはに向かってにっこり口角上げて笑う美女丸さんかわいくて困る。あまぎへの「あの子みたいにね」もひゅうがへの「アンタ♡」も伏し目がちになった時の美しさを堪能できる下手席は素晴らしいなぁと思ってたんだけど、あの笑う顔だけは『かわいい』って言葉の方が合っていて、美女丸も子どもと大人の境にいるんだなぁって感じる。

「そうやって…ッ、……生きてきたんだよ、俺も、あんたもね」の息飲んだ後の言葉に今までみたいな分かりやすく泣き出しそうな感情が乗っていなくて、すごくフラットだった。それは聞いた人間に色濃く憐憫の情を抱かせるような想像を掻き立てる類の響きだったのかもしれないけど(ここの解釈違いでひとしきり論争になった)美女丸とあずみの生き方は当人達からしたら可哀想なものじゃなく、それぞれが生きてきた歩みなんだって感じがあってすごく好きだった。あらゆる台詞回しが大仰な美女丸がぽつん、と見せるリアルな生

今日が今まで見てた中では一番男⇔女、大人⇔子どもの枠の中をふらふらしまくってるように感じられて、加えてテンションも高かったので最高だ!って感じてたんですが、人間なんだけど何者とも形容しがたい気持ち悪さ、みたいな感覚の擬人化がオダジョ美女丸なのかなぁと今更見た映画あずみを思い出してました。

今日のあずみとあまぎは前髪とサイド残して尻尾ついてる髪型がお揃いで、大阪城のシーンで並んで座ってる後ろ姿が兄妹みたいだった(*´◡` )( ´◡`*)

ひゅうが「ヤフオクでチケット買ったやつかもしれないぞ!
あずみ「それでもオレはこの人を信じるよ!うきはも…」
うきは「仕方ないな…」
あずみ「どうせうきはのファンだよきっと…( ◜◡◝ )
うきは「!?俺の命は諦めて、真っ当に生きろ!」
連日あずみにとって最前列センターブロックはうきはファンの場所で、うきはばっかり見てるし……とか言うと、あまぎひゅうがが俺のファンかもしれないだろ!配慮しろ!とか言ってるこのくだりすごい好き。

あと今日のあずみは二幕ずーっとぽろぽろ泣いてても〜〜〜〜〜〜〜〜かわいいヽ(;▽;)ノよちよちヽ(;▽;)ノってなってしまい、私はほんとうにひよこみたいな幼児のりっちゃんがすきだなぁと………

ぽろぽろぽろぽろ泣いてる赤ちゃんみたいな顔したりっちゃんの後ろに桜が咲いてたらもうほんと申し訳ないんですけど北九州思い出しちゃって、生きてみますよ!って言って………ヽ(;▽;)ノって心が飛んでいきました。 ただし桜の花びらが落ちてきた瞬間はヤイサが始まる。

 

 

 

【11/26昼】
映画あずみを見て。
すっっっっっっごいわかる!!!!!!ってなったんですけど、それは単純に似てるとかそういうことではなくて、まずそもそも早乙女友貴という役者が演じるものは絶対に浮世離れした存在にはならないんですよ。どんな深淵を前にしても、あるいはそれを己の内に抱えていても、その深みにハマって身動きが取れなくなるくらい常に地に足がついている。その中で進もうとしてる方向性の指針が原初風景として存在するオダジョ美女丸なんだなということをひしひしと感じました。

こんなに鮮烈で明確な原初風景があって、ビジュアルもそこに寄せていってるにも関わらず、芝居としては一切揺れることなく早乙女友貴の作り上げたキャラクターになっていることがすごい。役者として当たり前のことなのかもしれないけど、それでもやっぱりあの人をすごいと思う。ビジュアル作りと芝居作りがそれぞれ別ベクトルの土台で走ってるのに融合してる。なにこれすごい。

今回、美女丸を演じる上でゆっくんさんお得意のいつものバックボーン作りには少なからず原作美女丸の要素があるのだろうとは思っていたし、実際あると感じているのだけれど、あれだけ人間臭い芝居を得意とする役者がその人間の幅の中で最大限に表現を揺れ動かしながら表現しようとしている異質さの正体がこれなんだなって、オダジョ美女丸見た瞬間的すごく腑に落ちた。わーーーーーーほんとにやりたかったんだなぁ美女丸。

そんな映画視聴後、一発目の美女丸さんまさかのお化粧ギアチェンジ。左目の大きさ違ってたのでおそらく奥二重で、両目の下アイラインを黒目辺りから頬へグラデーションで伸ばすようなお化粧。右目だけ特に長くて、涙の跡みたいでした。日々ちょっとずつ違ってた目頭アイラインも完全に消失してたんですが早急に写メをいただきたい……文字では表現できない…(※昼公演後、ぜんぜん参考にならない写メがついったーにきました。違うそうじゃない)

あと今日はちゃんと確認したので確信を持って言いますが、美女丸さんの口紅青みピンクでした。もちろん赤い日もあるので、気まぐれお色直しの一環なんだと思うのですが、お芝居から受ける印象との法則性とか振り返ってみたかったなぁ。色選び自体はご本人の気まぐれだろうけど、その色を塗った自分の姿を見ることで感じる印象は客席同様に違うんじゃないかなぁなんて思ったり。たとえば今日に限って言えば、男寄り・大人寄りだったので、一見おどろおどろしい目元と赤より白塗りに馴染んで可愛らしさのあるピンクの唇、というお化粧のちぐはぐさが美女丸から受けるちぐはぐな印象をより際立たせてました。

とても文字にしづらいんですけど「ゾク!ゾク!してきちゃったァ…」って感じだったので、これが聞いてたバージョン違いかな?と思ってたらそうではないらしく。今までとは全く異なる響きがあって、うまく表現できないんだけどあそこだけ単一で別ベクトルのエクスタシーを感じた気がします。

前後の流れを完全に失念してしまいましたが、唐突な振りを受けて「殿の、好みの、絶世の、美女を、」とつっかえつっかえ喋る勘兵衛さまが可愛すぎてうっかり恋に落ちるレベルです

人変わりの術!堺正章!でどう見ても通じてないっぽかったりっちゃんは、またの名をマチャアキ!ってヒント追加されても分からず、村人に助けを求める( ◜◡◝ )チェンジ有りだぞ、というまさかの展開の後も田村正和!と振られた瞬間もう隠すこともなく堂々と村人に助け求めて教えてもらってました。あずみはかわいいなあ。

うきははレディガガ「肉のドレス( 'ω' )」→モーガン・フリーマン(だったかな?)で難易度が高すぎる人変わり。肉のドレス出てきた時点でわりとオッケーな感じがしましたが、それでもチェンジ求めて再チャレンジするうきはえらい。

今日のうきははすごく感情剥き出しで強い人物だったんだけど、そのおかげで昨日はずーっと泣いてたあずみがうきはのその強さをもらって刀を振ってるように思えて、相乗効果での映りの良さがすごかった。昨日のあずみは心は少女なのに刀を振る体は修羅で、完全に心身が乖離した強さに見えたけど、今日のあずみは周りの人たちの強さを取り込んで強くなっていくあずみだった。

うきはの台詞で初日からどうしても脚本としては間違ってないんだけど個人的好みとして好きじゃない台詞があったんだけど、今日の泣き虫なあずみを生かすために鼓舞するうきは見て初めてあの台詞が好きになれた。うきはカッコいいなぁ。

秀頼さますっごくいいよ〜〜〜〜〜〜台詞回しのバリエーションが豊富すぎて普通にいい役者だよ〜〜〜〜(今日の小園くんをほめるコーナー)

マチネ秀頼さまの一番よかったところはあずみを逃がしてやるくだりでいつもあずみのことを思い出す、って話す声が本当に柔らかくて優しくて、一幕のわがままなバカ殿然とした時には見えなかった人を慈しむ心を感じて、秀頼さまに命をくれたのはうきはに命をもらったあずみなんだなぁ…ってすごく感じました。

 

 

 

【11/26夜】
ソワレ美女丸さんはマチソワ間で寝てたそうなのでとても元気でしたね( ´◡`*)お化粧は右目のラインが更に伸びてて、ますます涙のようでした。黒い涙を流す性別不詳のサイコパス剣士、ってあまりに設定盛りすぎではないでしょうか。だいすきです。

ベースは男寄りなんだけど人を斬る瞬間に女に寄っていく感じがすごく好きで、高音はやっぱりソワレの方がよく出る印象。よくよく考えたらマチソワ日にマチネ見るのは今日が初めてでした。なぜなら私がマチネの時間に起きるのがしんどい人なので。

人を斬った時の快感が美女丸の性別を女に揺らすんだな、っていうのは今日のマチソワ共通の感想なんだけど、初日からの流れを見てると、人間の範疇を越えるギリギリをコーナリングして走り続けてるゆっくんさんの美女丸はマチネのあの瞬間(「ゾク!ゾク!してきちゃったァ…」)に感じたのはそのハンドルを取られてブレたような印象の異質さだった。と反芻。

マチネでvsあずみの時に歯を見せて笑ってたのが、ソワレはvs4人のところでも笑ってて、全体的に明日の大楽成仏へ向けての覚醒間近感がありました。

今日のソワレ秀頼さまというか小園くんの台詞がすっ飛んだことにめちゃくちゃ震えたんだけど、それはあまりに秀頼さまの感情とその停止がリンクしすぎていて、初見だったらすっ飛んだことが分からないまま速度を上げ続けていた芝居の流れがぴたり、と止まったことだけ感じられただろうなというところで。初日から芝居の速度が安定してるりっちゃんは昨日のぽろぽろ泣き続ける二幕を経てから明らかに全体の熱量が上がってきていて、勘兵衛殿やうきはの熱量はあすみのそれに呼応していて、美女丸はもう独自に覚醒前夜を迎えていて、という中で、その速度を美しくぴたりと止めるだけであんなに劇的な演出効果を生むのか、という感覚がたまらなかった。

もちろん見方によっては事故寸前というかほぼ事故だったかもだけど、日々回を重ねるごとに成長が止まらなくなっていく彼が、良くも悪くもな側面のある演出が意図するあの速度に完全に乗っているところも見せ始めていたこのタイミングで、ああいうことを起こす危うさがたまらなく好きだと思ったし、好きだと思ったことを私感としてすごく趣味が悪いな、と感じた。

未完であるものを愛おしく感じたり、完成を迎えるいつかに想いを馳せることを悪趣味だとは思わないんだけど、瞬間的に私に去来した感情は意図されず生み出された劇的演出に対してではなく、限りなく事故ギリギリをすり抜けていったなという感触に対してだったから。本当に!こいつ!この!悪趣味野郎め!(自戒

 

 

 

【11/27昼】
昨日と同じお化粧の美女丸さん(右目のラインちょっと長めだったかな?)なんかもう細かいことどうこうではなくめちゃくちゃ良くて、もう私これが千秋楽でもいい…!!!ってなってたら創さんナレ始まってほんとに千秋楽かと錯覚しました

やはり最終形態:下駄……(未遂) 登場の瞬間、下駄きたーーーーーーーー!ってテンション爆上げでしたが祭の夜から雪駄に戻ってたので未遂でした。

ゾクゾク〜は昨日のマチネと同じ感じ。昨日の効果もあって、テンションが上がってくる予兆という感じがすごく好きです。ブレーキなしのハイスピード。

「おれも、あんたもね、」って呟いた瞬間の美女丸がそのビジュアルに反してなんの飾りも誇張もない人間に見えたことがすごく美しくて、一昨日からのあずみが泣き虫な少女という明示的な人間を表していたわずかな間だけ、鏡合わせである美女丸は人間の範疇を超えて化け物になりかけていたんだなぁって感じて、この2人がほんとうにとても愛しい。

りっちゃんの尻尾はいつから消えてしまっていたのだろうヽ(;▽;)ノ一幕ラストで気づいたらなかった。秀頼さまの兜(とても色々乗ってる)からなにかが落ちたのを、爺に使命下されるときにぱっと手をついて隠して回収してハケるりっちゃんはほんとうによく舞台上を見てるなぁ、と思ってたので、もしかしたらラストの登場時にはもうなかったのかもしれない。

人変わり。ルパン三世「ふ〜じこちゃ〜ん」はなかなかのクオリティだったのに高速で死ぬあずみ( 'ω' )チェンジ求めつつ村人に「( `ω´)و グッ」って励まされてるのめっちゃ可愛かった笑 続いての出川哲郎「ヤバイヨヤバイヨ」したら影武者のくだりでひゅうがもぶっこんできてほんとうにできる子だなぁきみは!

大阪城の二郎のターンで後ろでにこにこ( ´◡`*)って感じにフツーに笑ってる勘兵衛殿というか吉田さんが可愛すぎてもうむりです。三兄弟のところで清正さまに小突かれてるときはしかめっ面してたのに!笑

 

 

 

【11/27夜】
美女丸殿、お美しくなられて……!!!(初日のお化粧に戻った)楽だけ観劇の人にとってはプレーンで、連ステしてる人にとっては逆に目新しくなってるこの感じさすがだなぁと思います。演出力というよりは自己(キャラ)プロデュース力なのだと思ってるので、本人に興味さえあればすごく2.5系と相性いいのになぁとつくづく思う。

大楽のゆっくんさん芝居、満点が何点か最早よく分かんないけどとにかく満点で、美女丸がはけた後もお芝居は続いてるのにしばらく胸がいっぱいで放心してしまいまして。よって記憶がとっても曖昧。お化粧がデフォルトに戻ってとにかくお顔はとっても綺麗だし、台詞回しのトーンは女にも男にも寄るし、高音はガンガン突き抜けてくし、日に日に近くなってたひゅうがちゃんとの距離は完全に頬擦りになってたし、あずみちゃんの手にも頬寄せるし満漢全席でした。はー楽しそうだなあ(あずみ期間中いいお芝居観る度言ってた)

毎回表情ばっかり見てたから手元の細かい仕草をオペラで捉えられたのがまさかの千秋楽だったんですが、人を斬るたび台詞回しの性別が女へ揺れる美女丸が、母として腹の子を庇いながら人を殺す子どもを赦そうとしてるように見えて。妊婦を殺すのは胎内回帰願望なのかな、と初日からぼんやり考えてた身としては回帰しようにも還る先の母を持たない最上美女丸は、自分が母になることで自らの生を肯定するし、自分と同じく修羅を宿したあずみの生も赦して死んでいくんだなぁ。美女丸とあずみは菩薩も含めて鏡合わせなんだなぁって感じたりしたおたく。

自他共に認める早乙女友貴の顔だいすきマンなので、カテコで小園くんが泣いてたらしいことに一切気付かず痛恨のミス…!!!って猛省したんですが、本当に一秒たりとも目を離したくないほど美しい顔をしている人がりっちゃん相手だと板の上でも役がすこーんと抜けるんだな、という稀有な光景を目の当たりにして多幸感に溢れるカテコでした。

スタオベで立ち上がる観客を尻目にさっさと帰ろうとするところも、えっでもまだ座長残ってるし…ってなる下手ハケ組をいいよいいよって手で袖はけさせようとするところも美女丸顔のままだったのに、結局創さんに押し戻されて真ん中に立ってたりっちゃんと目合わせた瞬間、表情がぱちんと切り替わる寸前に本当に美しい女の顔をしていて驚きました。その後すぐ小学生のゆっくんさんとえいちゃん!って感じでわちゃわちゃしてて、幻というより狐に化かされた気分でした。なんだあれ。

 

というゆっくんさんツイと

というりっちゃんツイを見て成仏の儀まで師弟なんだねぇ(*´◡` )( ´◡`*)、というお話で〆ようと思うのですが、個人的には鏡合わせの美女丸ちゃんとあずみちゃんは同じ日に違う眠りにつくんだね…という情感に浸りたいです。おわり!